ホームランボールにぶち当たった子の…、スポーツ観戦記 230916
私は三男坊。兄達に比べて自由に育てられたような気がする。小さい頃はいつも、りんごのほっぺしてるねと可愛がられ、しかも、賢いとくりゃ、親にとっちゃ自慢の子だっただろう。
てなことは全く関係なく、これは忘れられない野球観戦記なのである。
私は阪神間に長く住んでいたが、この話、阪神優勝とは全く関係ない、お話。
昔、、、たしか私が幼稚園児の頃。
7つ上の従兄が家にやってきた。田舎の医者の子なので、進学のため少しでもいい学校へ行きたい、と居候するらしく、6年間も居るというのだ。
従兄といっても父方だから馴染みは薄い。幼い私がよく知るわけもない。そこで、父は考えたのだ。私たち兄弟と従兄が、深く楽しく知り合えるきっかけを作ろうとしたのだ。いや、本当の理由など知らない、あくまで推測だ、、、。
「広島vs巨人戦」を見に、一家と従兄、一緒に市民球場へ行ったのである。
その頃のカープといえば、赤じゃなく、白と紺色のユニフォーム時代。巨人と戦って勝てるわけなく、高校生がプロと戦うかのようなチームだった。その当時も市民球団だったかどうか知らないが、万年最下位で野次はすごい。仁義なき戦いの名残りが球場に感じられたが、、、いつも負けていた。
…。
一家と従兄は早くから市民球場に行く。そして、外野レフト側の前列に座った。早いと、試合前に巨人のバッティング練習もある。
だが、幼い私にとって巨人といえば王・長嶋ぐらいしか知らない。
まだ幼稚園児だし、野球をやってるわけでもなかったのでバッティング練習など面白くない。
なので、私はポーっと球場スコアボードの中にいる人(昔は電光掲示板などあるわけなく点数などは手作業で差しかえてた人)等、普段テレビでは見れないような珍しい人たちや造りなどを眺め、口開けていたのだろう。
ポー……、、。
と、突然、、
ガン!!! 右あごに衝撃が走った。
「あーっ!! ◯◯ちゃん!! ○◯ちゃん!?」
わわわーー!! と、まわりが騒いでいる。
「お、おいっ! ぼく、大丈夫か??」と、知らんおっさんも言う。
「おっ、おい、ぼく!? ぼく!?」とみんなの注目を浴びてるのだ。
私は気を失ったわけではない、泣いてもない。。。が、すぐ警備の人がやって来て、
「大丈夫?。」
当たったとこもあまり痛くないのだが、どうもホームランボールが右あごにぶち当たったようだ。
後から聞いたが、巨人の滝という選手の練習中のホームランだったそうだ。
とりあえず治療することになり、警備の人と、薄暗い通路をてくてくと歩いてく。すると着いた先はベンチ裏だかその隣だったかだ。
すると、、
あっ、選手! 28番。。。。えっ、衣笠?! が、こっちを見ていた。
そう、今は亡き鉄人、衣笠選手に「ぼく〜、大丈夫〜?」と言われたのだ。そして、私にホームランボールをぶち当てた滝選手も心配そうにやって来た。
ただ、私(りんごのようなほっぺのぼく)は元気そうにしてたので、すぐ戻ってったと思う。
あ〜、痛いふりしてみんなのサインもらっときゃよかった💦
それから、「りんごのようなほっぺのぼく」はトレーナー(だったんだろうか)の人に手当を受けることになる。
「ぼく、当たったのはここ? 。」
と、問われ、
赤く腫れてるように見える、りんごのようにつやつやしたほっぺを触れられた。
ただ、恥ずかしがり屋のぼくは、「ここ?」と聞かれても「違います。。当たった場所はその下のあごのところです。。」、とは言えず。。うなずくのみ。
「よ〜し、じっとしといてよ〜」と、りんごのようなほっぺたに赤チン塗られ、でっかいガーゼを貼ってもらい、外野席に連れて帰られた。
戻るなり、「えーっ、なんで? 、、◯◯ちゃん、そこが痛いの?」と違う場所に貼ってあるガーゼに驚いた母親に聞かれ、、「ん? なんか、ここはられた。でも、もういたくない!」と答えた。
従兄にも「大丈夫??」と問われ、、
「うん!」と言うのが精一杯な子だった。
さぞかし従兄は、大変な家に来てしまったー、と思ったかもしれない。
ま、今は立派にやってるので、いいのだろう。
従兄に聞いても、「ああ、そんなことあったかね」。兄達に聞いても「ああ、あったかねぇ。。あれサインもらっときゃよかったよね。ボールもねぇ」
唯一、詳しく覚えてたのは母親だったと思う。
変な所にガーゼされてたのを覚えていたのだ。母親とはすごい。
やれやれ、あの日の試合の、勝った負けたを一切覚えてない、スポーツ観戦記でした。
これも観戦記?
別話
こんなこと書くと嫌な人がいるかもしれないけど、ついでに書いておこう、、。
私はカープファンだが、
今の応援はちょっとうるさすぎて、テレビの音量を下げてしまう。
プロ野球は自由に応援したい、、、