【本】ハイヒールを履いた僧侶・西村宏堂著『正々堂々 私が好きな私で生きていいんだ』
自分らしく生きることを、あり方とテクニック両面から指南してくれる一冊と出会った。
西村宏堂著
『正々堂々 私が好きな私で生きていいんだ』
である。
西村さんは浄土宗の僧侶であり、一流のメイクアップアーティストであり、そしてLGBTQでもある独自の視点で「性別も人種も関係なく皆平等」というメッセージを発信している。
私は西村さんについて取り上げた動画でこの方と出会い、「もっと西村さんのことが知りたい」という気持ちで本書を手に取った。
以下、いくつか「刺さった」部分を紹介する。
自分の気持ちに嘘をつくのは罪である
西村さんは20年以上、自分の性指向を押し殺して生きてきた。
本書では、西村さんが自分の心に正直に生きていくまでの過程が語られている。
それだけではなく、自分に正直に生きるためのヒント、自分らしく夢を叶えていくためのヒントがあちこちにちりばめられているのだ。
私達はどうだろう。LGBTQに限らず、自分の気持ちに嘘をつかずに生きている人がどれくらいいるだろうか。
自信って、何かができることじゃない
「自信をもつ」というと、長所や能力とひもづけて考えがちである。
しかし、西村さんはこう言う。
自分という人間の”できること、できないこと”を理解し、それをポジティブに受け止めることが大事だというのだ。
それが自分の人生のハンドルを握ることにつながるという。
まとめ 個性のかけ合わせで唯一無二の存在に
僧侶は日本にゴマンといるが、その中でLGBTQを公言している人はほんのわずかだろう。
さらにその中で、ミス・ユニバース世界大会で活躍するような一流のメイクアップアーティストといったら、西村さんしかいない。
僧侶 ✕ LGBTQ ✕ メイクアップアーティスト
という個性のかけ合わせが、西村さんは唯一無二の存在にしている。
ここまで突き抜けることは難しいにしても、我々の誰もがユニークな存在である。
そして、そのユニークさを誰よりも自分が愛し、信じていきたいと思う。
生きづらさや自信のなさを感じているすべての人に、ぜひ読んでほしい一冊である。