コミュニケーションは、めんどくさいもの。
あのとき、もっと確認しておけば良かった...
連絡をしておけば良かった...
誰しも一度は経験したことがある後悔だと思います。
なんでこんな後悔をしてしまうのか?
答えはシンプルで、「めんどくさかったから」。
綺麗事を抜きにして、職場でのコミュニケーションは基本的にめんどくさいものです。自分や相手の時間、そのお互いの時間を調整すること、話す場所の確保、話すこと自体に使うエネルギー、いずれもコストです。
気心が知れず話が伝わりづらい相手、厄介な内容のクレーム、重要性が認識できないままの指示内容、繁忙期などとなればコストはさらに嵩みます。そのため、自分でやってしまった方が楽などとつい考えてしまうものです。
冷静になって考えてみると、コミュニケーションは日常的に全ての人が当たり前にやっていることなので、いちいち振り返ることもしないと思いますし、うまくやっている"つもり"という思い込みに囚われやすい行動だと思います。
その証拠に冒頭のような「あのとき、もっと確認しておけば良かった...」と後悔するような場面(組織やチームでの事故や問題)になるまで、この”もっと”の部分をやろうとしていない。
前置きが長くなりましたが、今回は「コミュニケーション」について私なりの考えをシェアできればと思います。
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まず「コミュニケーション=情報を共有すること」というイメージが最初に思い付くかもしれません。ただコミュニケーションの役割はただ情報を共有するだけではありません。
もちろん自分と相手が同じ能力、同じモチベーションであれば、情報共有のコミュニケーションだけでも問題ないかもしれません。しかし現実には異なるモチベーションの人たちが集まって組織になっています。つまり、情報共有はあくまで必要最低限のコミュニケーションであって、十分なコミュニケーションとは言えないのかなと。
そもそもコミュニケーションには「体温」があり、人それぞれ異なります。そして、その温度差を埋めるコミュニケーションが重要です。
「人は環境の子」とよく言いますが、周囲の人間や環境に大きく影響を受ける生き物です。つまりメンバーのパフォーマンスはコミュニケーションによって大きく変わってきます。同じ情報、同じ声かけでも、誰が伝えるか、どんなタイミングで、どんな内容を伝えるかによって相手への届き方は全く違ってきます。
そして、コミュニケーションは「熱伝導」だと思っています。
例えば、冬に握手をすると相手の手がどれほど温かく、自分の手がどれほど冷たいかが伝わってきます。そして、しばらく握り合っていると、お互いの手が少しずつ同じくらいの温度に変化していくが静かに感じられます。
コミュニケーションとは、この握手のように”相手の存在を認識してお互いの熱を伝え合うこと”なのかなと。
コミュニケーションは関係性を生み、その関係性によってその後のコミュニケーションが促進も抑制もされていきます。そして、お互いが同じくらいの温度になるまで熱伝導し合えたときが、はじめて十分なコミュニケーションが取れたと言える瞬間。これこそが情報共有ができた状態です。そして、その状態になるまでには、どうしても一定の時間がかかります。
それはチームには情報を多く持つ人もいれば、少ししか持たない人もいるからです。技術・スキルに優れて多くの経験を持っているベテランもいれば、そうでない新人もいます。ポジティブ思考の人もいれば、ネガティブ思考の人もいますし、賛成意見の人もいれば、反対意見の人もいるでしょう。
このように職場は、そもそも温度差を拡大させる要因を潜ませた人たちの集まりなので、言葉を単にやりとりするだけでは十分ではありません。たしかに握手はしたかもしれませんし、言葉を交わしたかもしれません。でも相手の持つ熱を感じ取ったでしょうか。
色んな方々とお話する中で、これがコミュニケーションの根幹だなと私は思っています。
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slackやchatworkを介したチャットでのコミュニケーション、google meetやzoom、oViceといった画面を介したコミュニケーションなど、便利になった反面、多様化するコミュニケーションツールの特徴を踏まえた、効果的で気持ちのいい情報共有に気を配る必要が出てきました。
オフィスで時間を共有しているときならば、気づいたときにすぐにフォローできたことも、リモート環境ではそうはいきません。より相手の持つ熱を感じ取りづらくなっています。伝えた”つもり”になっていないでしょうか。どんなに良い情報でも、わかりにくい伝え方は全ての活動を妨げます。
もちろん言葉のニュアンスや雰囲気は、文字だけで伝えることに限界があると思いますが、だからこそ相手の存在を認識してお互いの熱を伝え合うことに努めるべきだなと思っています。
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