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【フィルム探究記#2】値段、写り。究極のバランスを兼ね備えた現代の白黒フィルム ILFORD DELTA 100 PROFESSIONAL

白黒フィルムをひとつ始めてみようとヨドバシでも見てみれば、この時代にまだこんなに種類が残ってるのかと驚くことかと思います。実は白黒もまだまだ現役です。その中でも、今回は私が最も気に入っているフィルム「ILFORD DELTA 100 PROFESSIONAL」を紹介したいと思います。

DELTA 100の特徴は高いシャープネスです。キメの細かい粒子のおかげも相まって、デジタルと遜色ないレベルで写ります。ここまで粒状感が少なくなってしまうと、デジタルでいいんじゃないのかとさえ感じてしまいます。しかしデジタルで撮ったものと見比べてみると「ああ、フィルムだなあ」と感じさせてくれます。と言いますのも、フィルムとデジタルとでは決定的に違う点があるのです。この話も沢山したいところですが、話が逸れすぎるのでこれはまた別の機会にしましょう。

これだけよく写るフィルムは高いものが多いですが、このフィルムは1,700円で買えます。随分高くなったなあというところですが、フィルム全体が値上げされているので致し方ないところです。これと同じような高いシャープネスのフィルムというとKodakのT-MAX 100でしょうか。値段に怖気づいて使ったことが無いのでどうかは分かりません。白黒フィルムで3,000円はさすがに少し躊躇してしまいます。安めのリバーサルフィルムが買えてしまう値段なので、どうしても選択肢からは外れてしまいます。そのうち使わないといけないなとは思っているのですが。

DELTA 100の現像についてですが、基本的に私はILFORDのID-11で行っています。ID-11ですと感度50から感度200までの幅で増減感ができるので便利です。ただ執筆時でID-11が販売休止中になっているので、他の現像液を使う必要があります。純正のケミカルですとDD-Xですが、ロジナール現像液でも良いと思います。まだ現像したことは無いのでどのような結果になるかは分かりませんが、聞いている話では良い結果が得られそうです。近々試してみる予定ですので、仕上がればXかnoteに書きたいと思います。

他社現像液ですと、私は富士フイルムのミクロファインで現像を試したことがあります。現像データは以下の通りです。


結果は少しコントラストが低いかなといったところです。もう1分延長するか、22℃で行ってもよいと感じます。粒状感については「まあこんなもんか」といった所感です。ミクロファインの良いところは何といっても安いことなので、コスパ重視で現像したい人ならDELTA 100とミクロファインの組み合わせは良いと思います。現像を失敗しなければ、引き延ばさない限り現像液の良し悪しは分かりにくいですし、今はほとんど引き延ばす機会はありません。そのため頻繁に現像する人であればこれでも良いかもしれません。

前回の「【フィルム探究記#1】初めてのフィルムに使ってほしいKodak ColorPlus200」でフィルムは下手なデジタルよりもよく写ると書きましたが、このフィルムも同じです。フィルムは所詮はデジタルに負けた技術ですし、死にゆく技術です。そんなものにもデジタルには確かに無いものがあります。それはカラーであろうと、白黒であろうと。沈みゆく船かもしれませんが、底におちてしまうまでは感動という宝を求めて前へ一緒に漕ぎ続けましょう。


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