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【蒼雑記】因縁と信念の剣戟譚『刀使ノ巫女』を今こそ見てほしいの話【アマゾンプライム見放題!】

アニメ刀使ノ巫女がアマゾンプライム見放題参戦!!
だから刀使ノ巫女を見てくれ。そういう布教回だ。

極論、今回は記事を読まずにこのリンクから本編に入ってくれていいぞ。
あと、今回は初見さんに色眼鏡なく本編を見てほしいから「僕個人の好きなキャラ・エピソード」はなるべく弾いて包括的な話をする。いやマジで細かいところ話しだすとキリがないからさ…。
そういう部分が聞きたい人はましゅまろとか、普段使いアカウントの方で延長戦だ。

刀使ノ巫女って?

古来、人の世を脅かしてきた異形の存在・荒魂を御刀によって祓う神薙ぎの巫女。
制服に帯刀が主な出で立ちの彼女たちは、刀使(とじ)と呼ばれる。
正式には警察組織に属する特別祭祀機動隊。
御刀の所持を公認された超法規的な国家公務員でありながら、
そのほとんどは全国に五ヶ所存在する中高一貫の訓練学校に通う女子生徒たちである。
ごく普通の学園生活をおくる彼女たちだが、ひとたび職務となれば、
御刀を手にし、様々な超常の力を発揮して人々を守って戦う。

この春。
全国五校から選りすぐりの刀使たちが集い、各々の技を競う恒例の大会が催されようとしていた。
大会に向け、多くの刀使たちが修練に励む中、ひときわ強い思いを秘め、ひとり技を磨く少女がいた。
彼女が構えた御刀の切っ先が向くその先は―。


(公式サイトINTRODUCTIONより)

ありていに言ってしまえば「美少女×日本刀×怪異」コンテンツだ。ぶっちゃけ平成終盤にはあまりにありふれた構造ですね。

ただし。その本質はゆるふわでもなければ、日本刀要素が単なるエッセンス止まりでもない。己の使命、信念、武力、正義……そういうモノを見出し、磨き、見失い、ぶつけ合い……戦場へと至る。そういう物語、神話なのだ

丁寧なキャラクター造形(人物と物語と剣術が好きな人へ)

まず最初に断らないといけないことは、この物語は「刀剣の擬人化コンテンツ」ではないということだ。そういうのが欲しい人は天華百剣とか刀剣乱舞をどうぞだ。

ただし、剣とキャラクターが完全無関係かといえば、それもまた違う。キャラクターの造形と、各々の流派や剣術スタイルとリンクしており、剣術というモノによく向き合っているなぁと思うワケだ。

まぁ僕は剣術よく知らんのだが。

たとえばこんな感じ。

・捨て身の突き技を必殺の切り札:己の使命に決死
・居合を習得する:友の突然の行動にも落ち着いて合わせる包容力
・防御を捨てた=チーム戦ありきの一撃必殺:女子高生としても周囲を見て、チームのバランスを保つ役割が出来る
・剣術と格闘の両面で戦うタイ捨流:伝統と科学技術の両面に通じる研究者のバックボーン
・変幻自在の鞍馬の剣:変幻自在の策略参謀
とかね。

「キャラクターの在り方」と「キャラクターの戦闘」がちゃんと繋がって魅力になる、つまり「女子中高生」と「剣士」が地続きになっている、ということが物語に深みをもたらしているわけなんですよ。

もちろん上記はほんの一部だ。もっともっといいキャラは沢山いる。是非個性豊かなキャラクターとアクションを味わってほしい。

「日常」と「非日常」の連続性は創作、人物像作成においてかなり大事なことであり、そのひとつの例示、お手本として優秀なのではないだろうか。

キャラクター性に根拠があるのは魅力につながる!

血と因縁、使命と信念(壮大な物語が好きな人へ)

本作のキーワードは「20年前の災厄」だ。本編から20年前、相模湾で”大荒魂”による大災厄が発生、それを治めた部隊を英雄と呼び、彼女らが刀使をけん引し、今に至る――。

しかし、その災厄には隠された真実があった。本当の結末とは何だったのか?本当の英雄は誰だったのか?災厄は本当にアレで終わったのか?真実を巡る戦いだ。

ある者は、母から真実を託された
ある者は、その真実を隠し通す
ある者は、その真実を知り得ない
ある者は、その真実よりも己の信念に従う。

20年分の歪みと絡まりが、その夜に結実する。

見上げよ、その昇り行く星は希望の灯なのだ。

長い時間を継ぐ物語は美しい。

成長と伝承(師匠と弟子、先輩と後輩の絆が好きな人へ)

ちょっとさっきの項と被るかな。

荒魂との戦いは世代を超える戦いだ剣術、術理は継承されて然るべきものだ。女子中高生は先生、生徒、先輩、後輩が入り組む世界だ。
だからこそ、年上と年下の関係性、教えを継いだり意思を託したりする描写が丁寧でいいんですよ。
特にね、「刀使は女子中高生である」っていうところがいい。安易に「女子高生である」としないことで、「最も多感な時期で最大6年分の人生経験が違う」ってキャラクターの精神年齢差が出るのが最高なんだ。

因縁を、想いを託し、散っていく母。
あえて何も語らず逝った母。

刀を使うこと、刀使であることの喜びを教えてくれた師匠。
命を救い、先の道を示してくれた先生。

人と荒魂の在るべき関係を求める家系。
人と荒魂の新しい関係を模索する家族。

後輩を喝破し、違う道を提示する少女。
高く遠い強さへの道を、背中を見据えてひた走る少女。
傷ついた少女を受け止める少女。
受け継いだ教えをかつての自分に示す少女。

人間って生物は、考えることが出来て、思うことが出来て、物を伝えることができる。不完全な、神ならぬ身ゆえに、「伝えて」「受け継ぐ」ことが大切だ
そういう意味で、御刀という神とともに征く、禍々しき神に立ち向かう、人の御業を受け継いでいく、「神薙の巫女」刀使を描くからこそ、人と人との関係性、心の繋がりが美しく描かれた作品なのでははないかなぁと思う。

題材とテーマのリンクは大切だ!

わかりやすくて、でも深い設定(神話に興味惹かれる人へ)

神とは何か!荒魂とは何か!刀使とは何か!隠世とは何か!
社会構造は!?戦闘方法は!?子供に戦わせるってあほでは!?

そういう「神話」「社会」「科学」がこの作品にはある!当たり前だね!

当たり前だけど、ちゃんと見てればちゃんとわかるって大事なことをちゃんとやってるので、刀使ノ巫女はいいぞ。

そして、「もっと分かりたい!」と思ったら「はいじゃあ実はこれはこういう設定でね!こういう真実が!」というものもお出しできる!選択的コンテンツ拡張性!

つまり、「間口は入りやすく」「奥座敷が広い」って構造だ。理想的だな?

マジで神話が無限に考察できるからさ…いいんですよこれ…。

綿密な設定は大切だ。
だけど設定の説明が要らない物語は、それはそれで大切だ。

その他ここがすき(箇条書きタイム!)

アクションがいい!本職の剣術の研究とか修行してる人が監修してるぞ!

実在の刀剣を扱います。浪漫があるよね!千鳥、祢々切丸、妙法村正、にっかり青江、童子切、大包平などなど……。

音楽がいい!劇伴もいいしOP・EDも素晴らしい。特殊エンディングがしんどい!

感情が…感情がとにかくこじれて……辛くて美しい……!愛憎友情恩に仇!なんでもあり!!

ほのぼのやってる女子中高生パートがたのしい!

恩田さん頑張れ。超がんばれ。

ちゃんと人が死ぬ。ほのぼのなんかじゃねぇ。

力に溺れるな。溺れろ。求めろ。拒め。そういう葛藤だ。

・つまるところ少年漫画要素が濃い

・あの朴璐美が女子高生をやる!!!みんなの応援次第で続編が作られ、朴璐美が女子高生をまたやるかもしれない!!!!

・『怠け者の一分』が本当に好きなんだよ。薫と沙耶香大好き、月色花火大好き。

展開が基本的にフルスロットル。どんどん行くぞ。

・とにかく全員懸命だ!

というわけで。

是非、「刀使ノ巫女」を観たり、ゆるゆるアニメ「みにとじ」をみたり、ゲーム「とじとも」をやったりしてくれ。よろしくな。

一応注意事項というか、お勧めは「最初は一気に1・2・3話を見る」のがお勧めだ。展開がフルスロットルだから、そのくらい観ないとよくわかんなくなるからね。

刀使ノ巫女、みんなで観ようよ。

おまけ

実は刀使のことはこっちでもちょっと触れてたりする。

小説版だけどね。こっちもどうぞ。

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