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せめて期待していたい
子供のころ
恋は、ただきらきらしたものだと思っていた。
高校生や大学生や大人は、冷静で世の中をよく知っているかっこいい人間だと思っていた。
自分はできた人間だと思っていた。
私はそのころの思い描いていた未来と現実とのギャップを まだ受け入れられていないような気がする。
現実を消化して、いい方向に進む道を探さなくちゃいけないのに、いつも道端で足踏みをして、現実から離れるように空を見上げている。
そんな人間だ、わたしは。
知れば知るほど現実は厳しい。
世の中は冷たい。人間は怖い。
今のままでも精一杯なのに、これからこんな経験が増えていくのだと思うと 億劫になる。
だけど、生きていかなきゃいけない。
というか、生きていきたい。こんな毎日でも。
「こんな毎日」のなかにも、
大切にしたいものがあって、
大切な人がいて、
忘れたくないものがあるから。
未来にあった現実は
思い描いていたようなものではなく、
一筋縄ではいかないのだと知ってしまったけど、
この現実のなかで生きていく覚悟を そろそろ持たなければいけない。
さいきん、昔使っていたデジカメを発掘した。
入っていたのは10年前のSDカード。
フォルダを見ると、飛行機の写真がたくさん出てきた。
当時、私は飛行機のパイロットになりたかったのだ。
記憶に残っている以上に、親は私にたくさん飛行機を見せてくれていた。
夢を応援してくれていた証拠を、カメラが残してくれていた。
そうやって
今は飲み込めない現実も、
将来は飲み込めるのかもしれない。
生きているなかで、
「 今 」を実感できるのが私にとって
音楽だったり、カメラだったり、ここで綴る言葉だったりする。
見ていくものや関わるもので、価値観は変化する。
だから
「 今 」絶望している自分の一部に対しても、
未来に期待するツールを使いながら生きることで、
いつかそれをうまく解釈できる日がくると信じている。