芸能人と同姓同名で良かったかもしれない

「モモイネ コマチ」という名前は執筆活動をする時の名前。本名ではない名前をつけたのは、身バレ防止のためである。

実は本名は、とある俳優と同姓同名！その人は、一時期相当な人気があったらしい。
私は子どもの頃から「あら、あの綺麗な子と同じ名前ね」と言われて育ったのだとか。母から、名前が一緒なのは偶然（意図してない）で、何ならその俳優は芸名だと教えてもらった記憶もある。

学生時代は、学校の先生たち（特に男性）が初めての授業で生徒の名前を呼ぶ時に必ず「お！」と言った。そして私の顔を見て「あー…」と声を漏らした。
その俳優があまりに綺麗な人だから、勝手に私の容姿と比べて「残念だな」と思ったのだろうか。
同級生なら「完全に名前負けだよね」と言われたこともある。

親からもらった名前自体は大変気に入っていたものの、フルネームとなるとこんなふうに嫌な思い出がある。

大人になるにつれ、同姓同名の俳優がテレビに出なくなっていった。だから、周りからフルネームに関して反応されることも減ったのだけれど……。

嬉しい出来事が！

社会人になり、とあるイベントでいろんな会社に名刺を渡しまくっていたら後日、仕事の依頼が来た！しかも「素敵な名前だったので覚えていた」とのこと。

人生で初めて、フルネームで嬉しい思い出ができた。

もしかしたら、その人もあの俳優が好きだっただけかもしれない。仮にそうだとしても、“素敵な名前”そう言われたことが嬉しかった。

さらに…

素敵な名前で仕事を獲得した数日後、小学校の時の担任の先生に会った。

「覚えてないだろうなぁ」と思いつつ話しかけると、最初はやはり頭にハテナを浮かべていた。先生が担任を持った子は何千、もしかしたら何万人いるかもしれない。覚えていなくて当然だ。
その後、恐る恐る名乗ると「あ！」と先生は目を見開いて「覚えてるよ、その名前！」と言ってくれた。

「覚えやすいからね、いい名前だよね。自己紹介の時とか一発じゃない？」

そう続けて話してくれた先生は、あの頃より柔らかい雰囲気を纏っていた。名前だけでなく、何となくキャラクターの部分も覚えてもらっていたことが判明し、少し思い出話をした後に「さようなら」と挨拶した。

本当にいい名前なのかもしれない！と思えるくらい、昔も今も“先生”の持つ影響力はすごい。
自分の名前と先生の記憶が繋がったこと、思い出すたびに嬉しくなる。

これからの私と名前

素敵な名前、いい名前。

今後、もし結婚することになって、名字を変える選択をしたとしても。
少し惜しい気もするけど、完全に手放すことにはならない。

私が素敵な名前、いい名前であることにきっと変わりはないはずだから。