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イグ・ノーベルおじさんこと古澤先生と考える、「プレイフルの真髄」

みなさんこんにちは!3期生のゆいこです!
今回は、10月6日に行われた合同ゼミ「古澤先生と考えるプレイフルの真髄」についての振り返りの記事を書いていきたいと思います!



はじめに

今回は、立教大学理学部SCOLA特任准教授の古澤輝由(ふるさわ きよし)先生をゲストスピーカーとしてお迎えし、舘野ゼミのキーワードである「プレイフル」の真髄について、共に考えるセッションを行いました。

舘野ゼミ生なら必ずぶつかる「プレイフルって、なんだ?」というギモンを、古澤先生のプレイフルすぎる人生や世界のプレイフルアイデアを知ることで、スッキリ晴らしていく良い機会となりました!

この記事では、特に筆者が振り返りたいと思った2つのトピック、プレイフルキャリア、プレイフルアイデアについて書いていこうと思います。

プレイフルと言う言葉に馴染みのない人、立教経営学部生だからなんとなく聞いたことあるけど、意味はそんなにわからない、という人も、是非是非最後まで読んでみてくださいね〜!!
きっと古澤先生のプレイフルに溢れた人生に、感化されるところがあるはずです!

プレイフルなキャリアを歩む、とは?


早速ですがみなさんは、自分のキャリア・職業について考える時、どのような観点をもって想像しますか?

例えば、
大好きなアイドルに会うためのお金を稼げるように、たくさん働いてたくさんお金を貰いたい!
若手のうちからたくさんの経験を積んで、自分の価値を高めたいから裁量権の大きい職場で働きたい!
私はプライベートと仕事はしっかり分けたいから、職場での人間関係がさっぱりしていればなんでもいいなあ。
働いてみたら、自分はどこかに所属して働くのは向いていないのかもしれないと思えてきた。今の会社を辞めてフリーランスになろうかな、、?

どんなキャリアを描くかは、100人いれば100通りでしょう。
また、上で例に出したようなものや、一人一人が描くキャリアビジョンが、「間違っている」なんてことは絶対になく、むしろすべて正解です。

しかし、ビジョンを描くことが億劫だったり、自分の将来に希望がもてないような時は、今回取り上げる、”プレイフルなキャリア”の考え方を持ち帰ってみてほしいと思っています。

古澤先生のキャリア遍歴

古澤先生は、今現在のキャリアに至るまで、さまざまなご職業を経験されています。一番初めは高校の理科教員、だけでなくそれと同時にDJ、音楽メディアの運営としての活動もされていました。
その数年後には、青年海外協力隊としてマラウイに行ったり、日本に戻ってきてから科学コミュニケーターをしたり、あまり身近にはいないキャリアの歩み方をされている方です。

そんな古澤先生からのキャリアに関するメッセージは、「食べて、飛び乗って、繋がる」ということです。

めちゃくちゃ簡単に言えば、「興味が湧いたものにとりあえず乗っかってみる。それを続けていたら、自分の人生になっていた。」ということです。

選り好みしつつ、たくさん食べる

まず食べる、ステップにおいて重要なのは、選り好みしつつも、たくさん食べてみることが大事です。

仕事選びだけでなく、趣味探し、人間関係、いろんな事柄において、
「自分こういうの興味ないしなー」「こういうの向いてないからなー」と思ってなんとなく”食わず嫌い”していることって、ありませんか?

例えば、プログラミングという単語を聞くだけで、専門家にしか理解し得ない難しいコードなんかを知っていなくちゃいけないような気がして全く知らないまま避けている。などです。しかし、実際蓋を開けてみれば、プログラミングを全く知らない人でも楽しめるような入り口がたくさん用意されている分野で、始めやすく、そこから面白さに気づく人が多かったり。

このように、なんとなく避けていたものの中に、もしかしたら自分の興味のタネが潜んでいるかもしれません。
これを古澤先生は「やりたいことは知っていることの中からしかうまれない」と言っています。

食べてみて味を知らなければ、自分の好みの味には辿り着けない。そのためにはまず、たくさん食べてみることから始めるのですね。

見つけた後のステップは、”飛び乗ってみる”です。

時が来たら、飛び乗る

これはタイトルの通り、興味の湧いたもの、やる気が刺激されたものに、飛び乗るのです。

これをするには、古澤先生いわく
「Comfort Zone(安全基地)から一歩踏み出す」ことをしなければいけません。先生は、このComfort Zoneから飛び出すのをそこまで恐れないとおっしゃいます。

だけど、みんながみんな古澤先生のようにいかない。
「じゃあ飛び乗りまーす!」なんて人は少ないはずです。

「今のお給料や暮らし、人間関係を考えるとなかなか新たな一歩が踏み出せない」
「今までやってきたことがなんだか勿体無い気がして全く新たな分野に手を出せない」など、色々な考えがよぎって立ち止まってしまう。

良いと思ったこと、好きだと思ったことをとにかくやってみればいい!そんなことはわかっているけど、実際するとなったら現実的に考えてしまうものです。

私は、”プレイフル”には常に「失敗することへの恐怖」が隣にいるのではないかと思っています。

とくに大人になったり、キャリアを選択したりする場面においては、何かを選ぶと同時に何かを切り捨てなければいけない側面が大きくなっていきます。

そんなときに思い出してみてほしいのが、「失敗は恥ではない」ということと、「まだ達していないだけ」ということです。
この二つは、プレイフルシンキングの第一人者である上田信行先生の著書「プレイフル・シンキング~働く人と場を楽しくする思考法~」に書かれているものです。

その時点では「これ、やっちゃったかな・・・」と思っても、長期的な目でみたら重要な経験になっていたりするもので、何事もfailedではなく、Not yetで捉えてみる気持ちをもってみるのが大事なのかもしれません。


振り返ると、繋がる

最後に、味見をして好みの味のしたものに飛び乗ってきた結果を振り返ってみれば、私の人生が出来上がっていた。足跡は全てつながっていた。という感覚を覚えて、プレイフルなキャリア形成は完成です。

古澤先生のキャリア遍歴を一見すると、バラバラの点に見えるかもしれません。
しかし、一つ一つのキャリア・経験がその後の決断や選択の背景になっているのです。
例えば、科学コミュニケーターというお仕事をしていなかったら、大学教員として科学と社会の関係に貢献できる人材を育てるキャリアを歩もうとしなかったかもしれません。
その時点でキャリアについて思い浮かべていることがあっても、もしかしたら1週間後には予想だにしなかった選択をしたくなっている可能性だってあるのです。

高村光太郎の詩「道程」には
「僕の前に道はない 僕の後ろに道は出来る」というフレーズがあります。

キャリアプランについて全く考えなくてもいいわけではありません。
しかし、考えた先の未来で、自分がどんな選択をするのかは、今現在知り得ないのだということを覚えておくことが必要です。

「これで大丈夫かな」そう心配に思うこともあった決断は、のちの自分のキャリアを形作る一部分に必ずなる。
そういう考えもあるのだと知るだけで、難しく捉えていた自分の未来に少しでも楽観的になれるのではないでしょうか。

プレイフルなアイデアって何?


ここまで、古澤先生の歩んでこられたプレイフルなキャリアを例にしながら、
「食べて、飛び乗って、つながる」という価値観について説明しました。

ここからは少し話題を変えて、世界中のプレイフルなアイデアに与えられる「イグ・ノーベル賞」を受賞した研究をみながら、プレイフルの真髄について考えてみようと思います。


”人々を思わず笑わせ考えさせた研究や業績”に与えられる「イグ・ノーベル賞」


まず、イグ・ノーベル賞とはタイトルの通り、「人々を思わず笑わせ、考えさせた研究や業績に与えられる賞」です。あの有名なノーベル賞のパロディとして1991年に始まりました。
英語で「恥ずべき・不名誉な・不誠実な」という意味の「ignoble」という単語にもかけられています。

毎年9月か10月ごろに行われ、受賞者はその年のノーベル賞受賞者から賞を授与されるのですが、一見面白くて少し馬鹿らしく見せる工夫(研究自体は大真面目なもの)が世間の興味を引き、科学界の魅力を普及するものとして大きな役割を担っています。

ここからは、実際これまでどんな研究にこの賞が与えられてきたのか、例をあげて紹介してみようと思います。


「バナナの皮は滑りやすい」ことの証明


「床に置かれたバナナの皮を踏んでしまった際のバナナの皮と靴の間の摩擦、
およびバナナの皮と床の間の摩擦の大きさを計測したことに対して」

これは、2014年にイグ・ノーベル物理学賞を受賞した北里大学の馬渕教授らの研究です。
そしてこの研究、「バナナの皮がめっちゃ滑りやすいことを物理学で証明するなんてオモロい」という理由だけでイグ・ノーベル賞に輝いたわけではありません。

実はこの研究をした北里大学の馬渕教授は、人工関節に関する研究を専門としています。その研究をする中で生まれた「人工関節の痛みを和らげるために滑りやすい仕組みを作りたい」という思いがこの”滑りやすい”バナナの皮の摩擦係数を図る動機になったのです。


自分の好きや興味を追求してこそ、他人の心は動く


北里大学の馬渕教授の受賞例を見て分かるように、
イグ・ノーベル賞は、決してウケ狙いで行われた研究ではなく、「これを知りたい!実現したい!」という熱い思いから偶然生まれた(見方を変えると面白い)研究に与えられるものなのです。

その証拠に、これまでのイグ・ノーベル賞受賞研究はは全て他薦でノミネートしたものです。

プレイフルなアイデアとは、「これをやれば面白がってもらえるだろう」ではなく
「何かに必死になって取り組んだからこそ生まれる、面白い結果」のことを指しているのです。

何かを「好き」「こうしたい」という自分の興味に素直になって、耳を傾けてみることがプレイフルになるための第一歩なのかもしれません。


まとめ


プレイフルの真髄について、キャリアとアイデアの2つの側面から迫ってみましたが、みなさんいかがでしたか?

「プレイフルな〇〇」は、「自分の好きや興味に夢中になって、楽しんでいるからこそ生まれるアクション」から成り立っているのですね。

何が起こるかわからない現代社会で、将来を考えたり今を生きたりすることは「楽しさ」からかけ離れているように思えるかもしれませんが、今回のプレイフルの真髄をぜひたまに思い出してみてください。
そうすれば、あなたの人生をあなたが”好き”に生きられるようになるかもしれません。

最後まで読んでくださったみなさん、どうもありがとうございました。
そして、貴重なお時間をいただき私たち舘野ゼミにお越しくださった古澤先生、あらためてありがとうございました。
ぜひ来週の振り返り投稿も楽しみにお待ちくださいね〜^^

(プレイフルについてより詳しく説明した記事はこちら!よければご覧ください↓)




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