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現実


暗い部屋で『ふふふ』と笑う女は正常か

暗い部屋で『あはは』と泣く女は正常か



焦点の合わない目で見つめる先は
なにも存在しない

それでも
なにも存在しない空間に視線を向けることを止められないでいる


なにを見ようとしているのか

なにかが見えているのか


必死になって探す何かは

女にとっての「現実」なのだろうか


空間に視線を向けては『ふふふ』と笑い

なにも存在しない空間をぼんやりと眺めては『あはは』と笑いながら泣く


そんな光景は誰もが思う日常でのことではないだろう

誰もが行う行動ではないだろう



これはきっと正常ではない

そう思うことが正常というのだろう

現実を現実と知るもの

それがきっと正常というのだろう


異常さとは
狂気だけとは限らない


現実を現実と感じることができないこと

それが正常だと言えない




私の異常さとは

現実感のない空間に身を置いていることと

それが自分なんだとわからないことだ


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