現実
暗い部屋で『ふふふ』と笑う女は正常か
暗い部屋で『あはは』と泣く女は正常か
焦点の合わない目で見つめる先は
なにも存在しない
それでも
なにも存在しない空間に視線を向けることを止められないでいる
なにを見ようとしているのか
なにかが見えているのか
必死になって探す何かは
女にとっての「現実」なのだろうか
空間に視線を向けては『ふふふ』と笑い
なにも存在しない空間をぼんやりと眺めては『あはは』と笑いながら泣く
そんな光景は誰もが思う日常でのことではないだろう
誰もが行う行動ではないだろう
これはきっと正常ではない
そう思うことが正常というのだろう
現実を現実と知るもの
それがきっと正常というのだろう
異常さとは
狂気だけとは限らない
現実を現実と感じることができないこと
それが正常だと言えない
私の異常さとは
現実感のない空間に身を置いていることと
それが自分なんだとわからないことだ
✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼••┈┈••✼
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?