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『くまちゃん』のトレーナーきた彼の話

#読書感想文

角田光代さんの『くまちゃん』のお話をします。
振られ小説。共感度抜群。らしい。
恋愛において別れがある限り、振ったり振られたりすることはつきものである。
この短編集では主人公が振られるのだが、人物たちは同じ世界で生きている。つながっており、それぞれが振られることを理解していく様が面白い。結局、他の人からしたら自分のことなんて理解できないだろうし、自分だって相手のことをわかっているわけじゃないよなあと。
見えている部分から推測して勝手に感じ取っているだけのような、そんな気がしてしまう。

7つの短篇から構成される本小説。
一番記憶に残ったのは…全部かもしれません。

「くまちゃん」誰なのか知らない風来坊のような彼
「アイドル」憧れのアイドルと出会ってしまった彼女
「勝負恋愛」彼氏には姉のような存在がいた
「こうもり」舞台を諦められないスナックバイトの彼女
「浮き草」夢を追いかけるずっと好きだった人と成功している好きな人
「光の子」憧れはもう叶わない恋の相手だった
「乙女相談室」今まで振ったことがない

勝手なキャッチコピーをつけてみたんですが・・・ううん、どうなんだろう
個人的にはこうもりから浮き草への流れにこんなの分かり合えるわけないだろう!!!という感情を抱きました。人の感情なんて波だし、話し合っても伝わる訳もない。だからこそ少なくとも言葉としては伝えるべきだけど、大まかに言ったところで感情の機微や移り変わりは伝えるのが難しいので、仕方ないのかもしれません。
恋愛をすると人生まで変わってくれるような感覚があって期待したり、本当に幸せになって人格も変わるような気がしたりするんですが、一時的にでも恋愛が全てになってしまうと、些細なことに綻びが生じるものですよね。まあ、恋愛のことを語れるほどには知らないのですが…

最近は、恋愛をすること自体に興味がないので恋愛小説を読むこともめっきり減ってしまいました。「くまちゃん」はテレビで紹介されていたので、読んでみました。きっと、みんなそれぞれ別れを経験して強くなり、新しい人と出会っていく。そんな人生の成長を感じさせてくれるお話でした。
みんな幸せになりましょう。

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