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「おでんが食べたい。」
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最近の冷え込みに誘われて、私の中の「おでんへの愛」が目覚めてしまいました。今回は、私の思う《おでん愛💞》を熱く語らせていただきます。
私が一番好きなおでんの具材は、『お大根』です。
お大根が手に入らなければ、
おでんにするのは、やめた方が良いと思うくらいのお気に入り。
また、お大根と言っても、年中、出回っているハウス栽培で首が青くて、ひょろりとした『青首大根』は、落第なんです。
寒さが増してくる、この季節にしか出回らない、寸が短く、胴回りがずんぐりとした加賀伝統野菜で『源助』という名のお大根しか、おでんに入れるお大根とは、認められない。
その『源助』に、下ごしらえをしっかりとして、おでんのお出汁を、ゆっくりと染み込ませる。
しかし、煮すぎては、『源助』の風味が飛んでしまう。
このお出汁をしみ込ませるという過程が、
最も大事。
どんなに時間がなくても、電子レンジでは、『源助』の旨さは出ない。
”時間が調理する”のを、人間が手伝う気持ちでいることが、肝心なのです。
『源助』が、お出汁の衣をふわりと纏(まと)ったぐらいで、お鍋の火を止める。
あとは、湯温がゆっくり冷めるに従って、
『源助』が、自分で、美味しいお出汁を吸い込んでくれる。
さて、人肌ぐらいになったら、もう一度、お鍋を温め直します。
だが、決して沸騰させていけない。
ゆっくり、じんわりと、ね。
お鍋の中の『源助』大根が、
軽くゆらりと動く程度の火加減を、保つのが肝心なのです。
仕上がった『源助』大根。
その、うっすらとべっ甲色がついたところを
カプッと噛めば、わずかな感触を歯に感じるか否かで、すぐに繊維がほぐれて、
鼻腔(びこう)をくすぐるお出汁が、染み出してくる。
そんなお大根が、大好きです。
備考:
辛子は、ほんの少し。
お出汁の風味に慣れてしまった口腔に、刺激を与えて、再び味覚を、新鮮な感度へ戻す程度が、好ましい。
※ちょっと、食通ぶってお話してみました。
あなたが、おでんを食べたくなったら、幸いです。
(MIYABI)
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