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鶏皮は食肉業界におけるロールパンナなのか、そのポテンシャルについて真面目に考える

冬の夜長、酒の麻酔が切れたのか23時といういかにも中途半端な時間に目が覚めてしまった。

喉が渇いたので2階の寝室から1階へと降りてきたところだ。

夜中になると爆音で映画を見たり雄叫びを上げている隣のシェアハウスの住人がなぜか今日は電子ピアノを弾いている。

隣の住人は前にもどこかで書いた通り映画”ハングオーバー”に出てくる3人のうちの太っちょに似た30歳くらいの男性と20歳くらいの女性だ。

そして奏でているのは何故か”映画ネバーエンディングストーリー”のテーマ曲。

確かやめ太郎が小学5年の臨海学校で新潟の寺泊に宿泊した際に、台風で全ての屋外活動ができずに先生達の苦肉の策でVHSで鑑賞したのがこの映画。

ざっと35年以上前の映画であることは間違いない。

そして隣の住人のどちらがこの曲を奏でていたとしても、「なぜ2024年の年の瀬にその選曲??」と思い出したら目が更にバッチリ覚めてしまった。

誰もが子供の頃はファルコンの背中に乗ってみたかった。

話がのっけからずれている。


さて、うちの娘の好物のひとつに鶏皮がある。

確か1年くらい前にスーパーで焼き鳥を数種類買った際に唯一食べたのが鶏皮串だったのがきっかけだった。

それからというもの日本でもスーパーの精肉売り場の隅の方に少しだけ陳列されている鶏皮を買っては時にカリカリに焼いたり、時にぷりぷりに焼いたりして娘に食べさせていた。

オランダでも市場に行けば多種多様な肉が手に入る。
鶏皮も例外ではない、そしてベラボーに安い。
なんと1kg1ユーロ。珍しく日本より安い。

これで500グラム

ちなみにオランダの市場でお買い得の肉3選は次の通り。(やめ太郎調べ)
1位 牛タン(1本2kgの極太タンがおよそ20ユーロ)
2位 子牛のステーキ肉(1kg10ユーロ)
3位 鶏皮(1kg1ユーロ)


この鶏皮、先述したように焼いて塩を振ってシンプルに食べるのもいいが、ネギと生姜と一緒に焼いて油を出してやれば鶏油となる。
所謂醤油ラーメン作りに必要な油だ。


オランダに到着して1ヶ月くらい経過した際にちゃんとしたスープのラーメンが食べたくてわざわざ鶏油から作って食べたこともあった。

さて、今日は娘の保育園がクリスマス休暇前の最終登園日だった。
昼に迎えに行って、その足でフローニンゲンの市場へ向かった。

ヨーロッパだけあって肉屋と言っても多種多様だ。
ハム・ソーセージ専門店、牛肉専門店、豚牛専門店、グラスフェッドのみのオーガニック肉専門店、鶏肉専門店。

やめ太郎が「ローストチキン作るから鶏肉買いに行こう」というと娘からまさかのリアクションが返ってきた「わたし鶏皮食べたーい、今日は鶏皮しか食べなーい」と。

こうして今夜のメニューは鶏皮となった。

流石に鶏皮カリカリ揚げだけでは味気ない夕食になってしまうので何かいいメニューはないかとネットで調べると「鶏皮ポン酢」なるものを見つけた。

茹でて、流水で油を洗って、拭いて、切って、ポン酢であえるだけ。


鈴木その子先生ばりに光を盛りすぎたか

なるほど。
これは焼肉屋にあるガツ刺しの鶏版といったところか。
ポン酢がさっぱりしているので酒にも合う。

ちなみに私の聖書でありコーランでもあり般若心経でもある美味しんぼにも鶏皮鍋なるものが掲載されている。ネットで調べればすぐに出てきた。次回はこれにトライしたい。

でも鶏皮ってきっとえげつないカロリーと脂質だろう。

今まで知ってたけど目を背けてきた。そのカロリー。

ちょっと調べたところ100gの鶏皮にはカロリー200kcalと脂質20gが含まれるというからなかなかだ。

そして心臓疾患のリスクとコレステロール値の上昇のリスクもあるというから穏やかではない。

一方でコラーゲン、皮膚や粘膜の健康を維持するナイアシン、骨の健康維持にマストなビタミンKも含まれている足しい。

一般的に肉の油が何故人体に悪いのか?

それは牛でも豚でも鶏であっても油は飽和脂肪酸というものに分類されるらしく、こいつが心臓疾患や脳梗塞などの遠因となる悪い油ということらしい。

日本人はラードであげたトンカツやサシの入ったすき焼き肉なんてみんな大好きだけれど、オランダで料理教室やっていると豚の脂肪をしっかりナイフで落として食べている健康志向の生徒さんも多い。

でもネットを見ると鶏皮には体にいいと言われる不飽和脂肪酸も含まれるとも書いてある。そしてコラーゲンは加熱することでゼラチンに変わり、肌のハリや骨の健康にも寄与すると。

メリットとデメットのせめぎ合い。

時に味方、時に敵。

どっちなんだい!?

アンパンマンのロールパンナのような存在。

娘の健康を管理する主夫として、果たして鶏皮は体にいいのか悪いのか白黒つけたいところではあるが、ただの酒飲みのおっさんがネットで調べたところで成敗できそうにはないので今夜は潔く諦めることとする。

総じてお医者さん→皮は食べるな。という論調。

でも確か世界一長寿の沖縄の方々は湯通ししてから煮込んだ豚バラめちゃめちゃ食べてるのではなかったか??

鶏皮だってきっと余分な油を落としてあげれば財布にも体にも優しい味方になると個人的には信じたい。

それに私と娘がたまに鶏皮食べる位では体に悪影響を与えるには足らない量だと盲目的に信じたい。

一時期流行りに乗じて保存料をバリバリ使っているであろうサラダチキンをよく昼飯に食べていたけど、あれに比べれは健康への悪影響も些末なものだと日光の猿のように耳を塞いで信じたい。

そう鶏皮は味方であると信じたい。

だって美味しいでしょ鶏皮。

あー、お仕事したい。





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