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大人になり損ねた僕たちは

大人になり損ねた僕たちは
世界のせの字も知らずに
未来を語っていた
いびつなまでに幼い心は
嘘の優しさで出来上がった
システムのなかで
くたくたに甘やかされ
ただ生きた年月だけが
積み重なっていく
僕たちが感じてきたことは
なんだったのだろう
笑った
泣いた
怒った
絶望した
嬉しかった
薄っぺらい感情に
ふりまわされて
頭だけがおっきくなっていた
僕たちは誰かのために
命をかけることもなければ
かける必要もなければ
誰かの死に直面することもほとんどない
軟弱な精神は時代のせいにして
手のなかにある幸せを貪っている
大人になり損ねた僕たちは
なにひとつ語れることがないのに
たくさんの言葉を使って
たくさんの言葉に囲まれて
言い訳ばかりしている


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