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耕作放棄地への牛の放牧

牛とともに耕作放棄地を耕す


長崎県西海市、日本の西の果て。
山だらけのでこぼことした地形。
平らな土地が少なく、重機も入れない。
代々守り継いできた田畑も、ひとたび後継者がいなくなれば
荒れてイバラやセイタカアワダチソウのような硬い草に覆われてしまい
人間だけで再開拓するのは難しい。

そんな耕作放棄地がたくさんある。

荒れて硬い草に覆われた耕作放棄地。

森川薫さん
「人と動物が助け合わんば、もうやっていけん。
こんだけ人間が好き勝手してしまって、荒らしてしまって
人間だけでは再生はできん」

そこで登場するのが、牛だ。

耕作放棄地に牛を放牧し、牛に草木を食べてもらい、開拓してもらう。
牛の糞が落ち葉と混ざり合い、自然にできた腐葉土が、土壌を豊かにする。

草を食べる牛


土が硬くなりすぎて、耕運機も入らなかった土地が、
牛が入って耕せば、一年でふかふかの土になった。

もし牛がいなかったら、土壌再生に4年はかかっただろう。

1年前まで耕作放棄地だった土地。牛とともに開拓し、今は豊かな畑となっている。

開拓の現場

耕作放棄地にいきなり牛を放せるわけではない。
牛が入りやすいように、最初にある程度人間の手で開拓する。

人の手で少しだけ道をあけた耕作放棄地


そして、民家や道路などに牛が出ていかないように、電柵で放牧する土地を囲む必要がある。

電柵。触ると電流が流れる。
電柵の支柱を立てる様子。
足場も悪く、棘のある植物もあるため、未開拓の土地で電柵を設置する作業はなかなか大変だ。
立てた支柱に、ワイヤーを張っていく。
家族総出で協力し合う。
牛を放牧する前に、お塩、お米、お酒で地鎮の祈祷を行う。
セイタカアワダチソウを食べる牛。

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