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私が反緊縮へ舵を切った経緯 2019.4

ツイッターの140字だけでは正確・適確に表現できないこともあるので、「Note」への投稿を行うことにしました。最初の投稿に当たっては、やはり「私が反緊縮へ舵を切った経緯」という文章を載せたいと思います。

この文章は、2019年の4月に書いたものです。文章の中にも書きましたが、私はずっと「財政再建派=日本の財政は大変厳しいのだから、消費増税は容認せざるを得ないだろう派」でした。2018年の夏ごろから「経済」について様々に勉強して、考え方が大きく変わり現在は「積極財政派」です。この文章は、やはり「積極財政派」の方から、「なぜあなたは、財政再建派から積極財政派に変わったのか?」と訊かれたときに、それまでの経緯をまとめたものです。今も「日本の将来や子供たちのことを思えば、財政再建は待ったなし」と考えている国民の皆さんは多いと思います。自分もそうでしたから、その気持ちに全く嘘がないのは良くわかります。しかし、「本当にそれ以外に日本の進むべき道はないのか?」ということを考える上で、本稿をご一読いただければ大変嬉しく思います。

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私が反緊縮へ舵を切った経緯、ということですが、ちょっと長くなりますが、お付き合いください。

もともとは中道やや左程度の人間です。ただ、2015年ごろから安倍政権が政治の面で無茶無茶やりだして、このままでは日本が社会的に破滅する、と危機感を持つようになってきました。地方の人間ですが、出張に絡めて国会前のデモにも参加したことがあります。それでもサッパリ政権の支持は下がらず、アベはやりたい放題になってきました。もともとネットは少しは見るものの、SNSとか嫌いだったのですが、せめて意見を発信したいと思い2017年にツイッターのアカウントを取って「反安倍」のツイートを流したりしていました。そのころは、金子勝先生などが言っていること(財政破綻は近い、アベノミクスは麻薬、出口戦略はない、アベの後始末をする人間は大変だ、などなど)が普通と思っていました。民進党の分裂・希望の自滅で安倍が圧勝し、さらに厳しくなったわけです。それでも枝野が立憲を作ってくれたので何とかそれを核にしてやっていくしかないだろうと考えました。2018年は国政選挙がなかったので、アベはさらにやり放題だったわけですが、それでも支持率は下がらない。決定的だったのは、新潟知事選で野党共闘ができたのに負けたことでした。「野党共闘だけでは安倍政権に勝てない」「多くの政策や政治姿勢は誰も支持していないが、選挙では勝てない。政権支持率も落ちない」「支持率が落ちれば不祥事閣僚は即辞任だが、落ちない限り政治の腐敗は止まらない」「消極的支持層・無関心層を投票所に来てもらう政策を打たないと勝てない」

反緊縮については、古いファイルを拾ってみると、2016年の秋には、すでに三橋氏の「国債破綻しない24の理由」をダウンロードしていますので、(確かタダか100円ぐらいでダウンロードできた。その後もしばらくメルマガ取っていたが、編集者が右傾化して嫌になって止めた)少しは知識はあったと思いますが、金子先生の言うことが正しいと思っていたくらいですから、たぶん全然わかっていなかったのでしょう。2017年の夏から上記のように、「このままでは絶対安倍政権を倒せない」「3選でも4選でも平気でやる男だ」と思っていましたから、何か情報はないか、と探すようになりました。それと自分の中では決定的に重要と思ったことがあります。それは「株価が下がると『今度こそ暴落するんじゃないか』と期待している自分がいる」ということに気づいたことです。「株価暴落を期待している層」などに投票する人間はいるはずがないだろう、と心底思ったのです。これではダメだ、こんなことを考えている集団は絶対に国民から支持を受けることは無い、アベを倒せない、と心から感じました。

今アマゾンの履歴を見ると、2018年5月末に「そろそろ左派は経済を語ろう」を買っているようです。その中で、「ワインを手に貧困を語るな」という話や「左派が経済から遊離してしまっているため、本来基盤にすべき層に全く支持されない」などの話を読んで、確かにその通りだ、と納得しました。その後6月中旬に「この経済政策が民主主義を救う」を読んで、ホントに目からウロコになったのを覚えています。奥付を見て何年も前に出版されていたことを知って、愕然となりました。その後、藤井先生の著書なども読んで、反緊縮へようやく舵が切れた格好でした。実際問題として、当時は7割位しかわかっていなくて、全面的には信じ切れていない、というのが正直なところでしたが、「安倍政権を倒せる可能性があるのはこの政策だけだ。メディアも司法も取り込まれており、今のままでは絶対に倒せない。安倍政権が続けば、財政破綻するよりも前に、国として社会的に破綻する。」と思っていたので、正しいかどうか正直わからないがこれで行くしかない、くらいの気持ちでした。かなりいろいろ読んで、「経済学者がなぜ嘘をつくか」「財務官僚がなぜ放置しているのか」をある程度納得できるようになって、ようやくある程度「反緊縮」に確信が持てるようになりました。(「経済学者はなぜ嘘をつくのか」という本は参考になりました)

少し自信が持てるようになってきてから、ツイッターで個別にやっているのでは、なかなか埒があかないと考え、私の選挙区に立憲で浪人中の候補者がいたので、こういった話をしたところ、彼女も松尾先生のことを知っていて「地方の実情では財政出動が必要」と党本部にも話しているような話が出て、非常に期待感を持ちました。年末に時間があったので、国政各党の発信力の高そうな議員に、実名で手紙を出したりもしてみました(実名の手紙なら読んでくれる可能性が高いか、と考えたわけです)。枝野、玉木、蓮舫、岡田克也、大塚、山尾、石破にも出しました(自民党で次に石破になったら大緊縮になりそうなので、それは勘弁もありますし、石破が「反緊縮」で政権をとってもらえば、少なくともアベよりはまともな政治になりそう)(そういえば、井手先生はハナから無理と思っていたのですが、「財政破綻しない」と講演していた動画を見たので、出してみました)。返事は期待していませんでしたが、岡田氏からは返事が来て、「真面目な人だ」と感心しました。とりあえず読んではもらえたようです。

その後で「薔薇キャンペーン」を知って、激しく賛同したわけです。こういう「ムーブメント」の形にならないとなかなか拡散はされないので、すごく期待しているのですが、「緊縮左派」が非常に強固で困りものです。「まじめ」な人たちなのはよくわかるだけに、大変です。そのまじめな人たちを騙している財務省と御用学者には心底怒りを覚えます。でも、政治家にはもう少し勉強してほしい、その責任がある、と思っています。そのためにも、政治家に声を届けなければいけない、そのためにも本キャンペーンが大きくなれば、無視できなくなる、勉強してみようと思う政治家が増える、と期待しています。

こんな流れで、今は反緊縮です。でも、経済の難しいところは、ちんぷんかんぷんです。MMTも良く分かりません。「金融政策が必要かどうか」の議論もわかりません。私は「財政出動が必要」だけで一致していれば良いのではないかと思います。 

私個人では「1000兆円の約半分は日銀が持ってるんだから、旦那の証文の半分を女房がかき集めてしまった状態。こんな状況で、危険なわけないでしょう」「自国通貨建ての国債で破綻する事は、円を刷れば良いので原理的にありえません。ギリシャはユーロを刷れないので、話は全く違う」くらいの話から始めていますが、「政治倫理ネタ」のリツイート数と比べると経済ネタのそれは少ないので、そっちのほうが皆好きなんだなと思わざるを得ず、うまくいかないものだ、と感じてはいます。以上です。長文失礼しました。

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いかがでしたでしょうか? 実は「前書き」とこの「後書き」は、本稿を書いてからすでに2年以上が経過した2021年8月に追記しています。その間、10%への消費増税により日本経済は痛めつけられ、さらにコロナ禍が襲って日本国民の生活は危機に瀕しています。「国民全員および企業への経済的支援、要するにお金」が十分配られればコロナ禍にも相当程度対応できるにも関わらず、政権は「自粛」一辺倒なので国民は大変苦しい思いをしており、一部地域ではすでに医療崩壊しています。この原因の一つも「現在、政府が出せるお金は多くない」との思い込みです。

「日本の財政はヤバい。破綻間近だ。増税やむなし」と考えている皆さんもいらっしゃると思いますが、ぜひ本Noteの他の記事や様々な書籍なども参照されて検討してみてください。ただし、デタラメな内容を書いた書籍も多く出版されているので、本稿内で触れた本のほか、最近のもので内容が正確でわかりやすいのは「中野剛志:目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】」などがお勧めできます。一人でも多くの国民が日本経済について理解を深め、国と国民の幸せに繋がっていくことを祈っています。

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