見出し画像

NIKI HOLOS ハーブと惑星の関係③

占星術ぬきの医術は、オイルのないランプのようなものである。
ニコラス・カルペパー

画像1

占星術の起源は古代バビロニア(メソポタミア文明)。
天空の星々が地上の事象に影響を与えるものとしてとらえました。
※考古学的証拠は、約 5 千年前のシュメールにおける粘土版です。粘土板に書かれた図像を探ると、その当時すでに高度な天文知識があった事がわかります。

画像2

古代より中世までは占星術は、学問というよりも宇宙の捉え方、人々の意識する「世界の概念」そのものでありました。また、古代から占星術と植物を関連付けた医学があり、それは近代医学が発展する17世紀ごろまで広く受け入れられていました。

We have the famous quote attributed to Hippocrates : “a physician without a knowledge of Astrology has no right to call himself a physician .”  〜患者のホロスコープを解明できないものに医師の資格はない〜ヒポクラテス

紀元前世紀ごろから古代ギリシャでは、いわゆる医師が治療に携わる時、占星術もつかっていたと言われています。

『人を小宇宙』ととらえたのは、紀元前400年頃の古代ギリシアの医学の祖ともいわれるヒポクラテスです。ハーブと天体を結びつけ、病気の治療に利用したのです。医学に占星術を取り入れる、「占星術医学」が実践されていました。

ハーブを支配する天体(支配星)は以下のような性質を持つとされています。
水星・・・冷・乾
金星・・・やや冷・湿
火星・・・熱・乾
木星・・・やや熱・湿
土星・・・冷・乾
月 ・・・冷・湿
太陽・・・熱・乾(火星より弱い)

※これらの性質に呼応するハーブが、その天体(支配星)に支配を受けるハーブということになるのです。

ヒポクラテスは、包括的に体を診て、病気の原因を見つけることが重要で、症状だけを診るものではないと当時主張することで、医学を原始的な迷信や呪術から切り離し、臨床と観察を重んじる経験科学へと発展させました。

画像3

500種以上の水薬で知られるガレノスも、ペルシアの占星術医・アビケンナをはじめとする医薬者たちが用いたのも、占星術と人体、鉱物、惑星たちとの呼応でした。その後占星術と医学の知識はギリシャからローマへ渡り、14世紀~15世紀は、治療に占星術、心理学、形而上学を併用していました。

中世の時代、、病気の患者に医療と占星術が結びついた治療を行っていました。それは医療占星術(メディカルアストロロジー)と呼ばれ、患者の星座と現在の星の位置を考慮したうえで、診断や治療が為されたそうです。

17世紀の末までは人体への惑星からの影響論はまかり通っていたのです。

星座は人体の部位と関連しているとされ、一見して分かるように人体に12星座がくっついたかのような「獣帯人間(zodiac man)」という特殊な絵が描かれました。

頭には羊が置かれ、肩には二人の男女、胸にはカニが配置されていますね。その部位に置かれている動物(人)が該当する星座とされ、特に健康面において気を付ける箇所と言われています。以下が一覧となります。

画像5

土星―膵臓、骨、歯、右耳
木星―肺、肝臓、肋骨、脇腹、静脈
火星―胆囊、左耳
金星―生殖器官、腎臓、喉、乳房
水星―脳(特にその理性的な部分)、舌、手、足、移動力
太陽―心臓と動脈、視力と目、男性の右目、女性の左目
月―脳の大部分、胃、腸、膀胱、男性の左目、女性の右目

加えて、獣帯の12サインと私たちの身体部分は以下のように対応している。

画像4

牡羊座―頭と首の第1推骨より上のすべて
牡牛座―首、喉、声、首の第7つの推骨
双子座―肩、肩甲骨、腕、手、指
蟹座―胸、肋骨、肺、肋膜、胃、肝臓、女性の乳房
獅子座―心臓と心膜、背中、胸推、胃、脇腹、横隔膜
乙女座―腹、腸、脾臓、大綱、胃、脇腹、横隔膜
天秤座―腎臓、膀胱、尻
蠍座―生殖器官、膀胱、肛門、尻
射手座―腰、尾骨、大腿骨
山羊座―膝、ハムストリング
水瓶座―脚、脛骨、排骨
魚座―足、足首、つま先

先祖返りや実用重視する必要なく、昔の人の発想や価値観をそのまま知るという意識で向き合えるのがいいかなと思います。それこそ、これからの時代が求める多様性ですね。