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NIKI HOLOS ハーブを効率よく取り入れることができる『ハーブチンキ』

ハーブチンキとはアルコール度数の高いお酒に漬けることで熟成させ、有効成分を効率よく抽出したもので、チンキ剤、ハーブティンクチャーとも呼ばれます。

水やお湯に溶かすハーブティーでは抽出できない脂溶性の成分なども溶け出すため、ハーブの有用成分を効率よく取り入れることができます。

ハーブティーなどの飲用だけでなく、傷の手当てや湿布代わりにも使え、化粧水やルームスプレー、入浴剤にもなります。

ハーブティーなどのお湯で抽出することができない成分も度数の高いアルコールなら抽出することができ、ハーブチンキ は海外ではお薬として認識されているほど薬効の高い浸剤として認知されているようです。

また、ハーブは抽出する方法によって名前が変わります。

インフューズ……ハーブを植物油に浸して油に抽出する方法。
デコクション……根や茎のような硬い部分のハーブを煎じて抽出する方法。
インフュージョン……葉や花のような柔らかく抽出しやすい部分をお湯で蒸らす方法。いわゆるハーブティーです。
精油 (エッセンシャルオイル)……主に水蒸気で花びら、葉、木などの原料を蒸して芳香成分を抽出しています。

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これ以外にもハーブの抽出方法はたくさんあります。本当にハーブの世界は奥が深いですね。

ハーブの植物化学成分は水溶性と脂溶性に分かれ、水溶性は水で、脂溶性成分は油などに溶け出します。

有用成分を一番手っ取り早く利用できるのが「ハーブティー」
水溶性成分をたっぷり抽出するには、お湯を注ぐことが大事です。
それで、だいたいの素晴らしい成分はいただくことができます。
でも、その両方ともの成分が欲しい時、抽出できる基剤の代表がアルコール。
このアルコールで抽出した製剤をティンクチャー(チンキ剤)といいます。

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ティンクチャー(チンキ剤)の流れ

古代ギリシャの医師ヒポクラテスが薬草をワインに漬け込んで作った水薬がリキュールなどの起源という説、古代ヨーロッパのケルト民族の自然薬としてヒーラー(薬草師)たちが使っていたことからリキュールが生まれた節など諸説あります。
中世の修道士は様々な技術、特に医学における研究を促進し、薬草を利用したインフュージョンと言われる煎じ薬(ハーブティー)などを用いて病氣と対峙していきました。
そして、治療薬を長期間保存でき、持ち運びができることを目的に、修道士たちは古代ローマから続く、ガレノス派医学を応用していき、エリクシール(チンキ剤)としてリキュールの開発が始まるのです。


12世記イスラム地域からヨーロッパに伝わった錬金術(現在の化学)の目的は、金以外の物質を黄金に変える力を持つ、人間に不老長寿をもたらす薬「エリクサー」を生み出すことでした。
キリスト教にとって錬金術は異端扱いされている側面もありましたが、ヨーロッパ各地の修道院では勉学や薬作りの一環として密かに錬金術の研究が行われ、それが医薬品を生み出していくのです。

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『ハーブチンキ』の作り方

①よく消毒した遮光性のガラス容器の8分目までドライハーブを入れます。消毒が甘いと良質なチンキが作れないので注意しましょう。
②容器の中にウォッカ(あるいはホワイトリカー)を流し込み、蓋を閉めてよく振ります。ハーブとウォッカをよく馴染ませましょう。
③日光が当たらない冷暗所で1ヵ月熟成させます。作った日やハーブの種類をを忘れないようラベルに書いて貼っておくことをおすすめします、保管している間は毎日容器を振って中身を混ぜてください。
④1ヵ月後、キッチンペーパーやコーヒーペパーフィルターで濾したら完成です。

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ハーブは日光に当たると有効成分が分解されてしまうため、遮光性の高い瓶に入れて日光の当たらない場所で保管するのが基本です。

高濃度のアルコールやハーブが含まれているため、子どもの手の届かない場所に保管してください。また、万が一の発火を防ぐため、火気に近づけないよう注意しましょう。


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