【もっと追記した】全人類今!今だ!今RRRを劇場で観てください!!!!!!!!!!!!!!
◎2023/4/15追記、109シネマズプレミアム新宿、丸の内ピカデリーDolbyCinema、等。追記部分は目次から飛んでください。
はじめに
【!注!】この記事の前半はRRRを観たことがない方向けの案内をしますが、後半にネタバレのある記事へのリンク及びネタバレのある感想を含みます。ネタバレに入る前には行間をあけています。それから申し訳ないのですが、私は都内勤務で神奈川に住んでいるのでそこだけの偏った情報になります。全国情報は親切な人が呟いていたりするので、ご興味を持たれましたら、お調べ頂ければ幸いです。
【!注2!】私あんまりそもそも映画に詳しくないです(追記:そうでもないみたいです。でもみんなイングロリアスバスターズはみましたよね?みてない?)。インド映画にも全然詳しくないです(追記:そうでもないみたいです。バジュランギおじさんは全人類みたほうがいいですよ)。インドにも詳しくないです。ただインド神話は多分ガチめに好きです。みんなもっとマハーバーラタとか読んで、初見でバチバチに顔がいい男がクライマックス直前でバガヴァッドギーターぶち込んできて死んだ私の気持ちをわかってください。
【!注3!】書いている人間は主役のお二人どちらも大好きですが特にラーマとラーマを演じるラーム・チャランさんが好きです。(追記)でもタラクさんもめちゃくちゃ好きです。もうどうしよう。好き。
ここまでOKでしょうか。ではやるぞ。既にキモいがキモい文章のお時間だ。
「3時間ある映画をずっと劇場に通って20回(当時)以上も観るって、何を観てるんですか?」
職場が嫌いすぎて友達が2人しかいない。そのうちの1人とは、挨拶くらいしかしていなかったが、昨日、10年以上ぶりに込み入った会話をした。そこで、最近どうですかと問われた私は、まあ2人しかいない大切な友人なので近況をありのまま話したのだ。「RRRというインドの映画を20回以上劇場に観に行っている」のだと。
上の言葉はそれを告げたときの彼の言葉である。私はそれにオタクらしい反応速度と早口で間髪入れず答えた。
「何度観ても魂が震える 顔のいい男の情緒が3時間くらいぐっちゃぐちゃになるとことか あと3時間のあいだで8時間くらいラーマの顔がいいなって震える」
私がここまで言い切ると私と友人との間に一瞬、しん…とした静寂が訪れた。とにかく彼は人格が素晴らし過ぎて、職場で極端すぎるくらいに友達のいない私とまで長く仲良くしてくれる奇特な人物であり私にとってかけがえのない友人なのであるが、その友人との距離が少し開いたことを、私はこの返答を受けた友人の表情から読み取った。しかしそれは些細なことだった。私にはRRRがあるし、友情が些細なことで揺らがないと言うことを知っているのだ。友人には後でチョコをあげておいた。菓子で紡がれる友情というのも確かにあるのだ。なんだって?もっと尊い友情の話が聞きたいだって?では今すぐRRRを劇場に観に行ってほしい。今すぐにだ。
RRRをご存じか?まあそろそろ観たことがない方でもいい加減存在くらいはご存知なのかも知れない。存在だけではなくて本編を一刻も早く是非もう劇場で浴びていただきたい。
もうなんか私などが気色が悪い誰も読まない下手くそな文章をひり出さずとも、世間にはRRRの紹介記事や評判や何やらがあふれてきているので、ネタバレなどを喰らう前にとにかくいますぐ観に行って頂きたいのだ。これは余所様からの受け売りの言葉だが、コンテンツに初めて触れる体験というのは、それぞれのコンテンツごとに生涯一度しか許されることのない、それはもう尊い尊い体験なので、その機会を最大限に生かしてほしいとそう思う。特にRRRに関しては。
そもそも、私はRRRを100時間以上鑑賞したが、正直、まだ観たことがない方が羨ましい。周回3度目程から、私は、記憶を消してもう一度あの初見体験を得たいと何度も思った。なお、先週末よりDolby Cinema版が公開され、私も初日に休暇を取って観に行ったが、割と初見での体験を追体験できるほどの素晴らしさだったので、周回選手の皆様方には、是非Dolby Cinema版の鑑賞をお勧めしたい。もちろん初回の皆様もどしどしDolby Cinema版に突っ込んでいって頂きたい。その場合は後戻りができなくなるかも知れないのでご了承のうえお進み頂きたい。
そういうわけで、まだRRRを観ていない心底羨ましい人に向けて、RRRを30回以上観た人間から、今の上映状況であるとかお勧めの鑑賞環境とかを述べようと思う。
はっきり言って、今、RRRの上映状況がだいぶ素晴らしいので、今、本当に今、今、明日とか明後日とかのあなたの人生の3時間を、RRRに割いて頂きたいのだ。まあ私は30回以上観ているので100時間以上は割いていることにはなるが全然足りないので大丈夫だ。大丈夫とは。
RRRの日本公開日は2022年10月21日である。今日は2023年1月25日、日本公開から3ヶ月である。その間、特に年末にかけて日本では数々の名作が封切りされた。そんな中で、上映終了館が上映再開し、上映館が増え、更にIMAX上映が復活し、そしてそして先週には遂にDolby Cinema版の上映が叶った映画がRRRである。1月上旬には作中歌である「Naatu Naatu」がゴールデングローブ賞主題歌賞を受賞し、そして昨日、アカデミー賞歌曲賞にノミネートされたことが発表された。
私は以前の感想記事(文末にリンクあり)に書いた通り、Twitterのフォロワーさんの熱意に流されて11月の後半に初めて観た。その時はもうIMAX上映は終了し、終映館も少しずつ出ていた頃だった。それが今や、先に書いた通り、IMAX上映は復活しているわDolby Cinema版が上映され始めているわ、チネチッタでは特別音響【LIVE ZOUND】で上映されているわ、立川シネマシティでも【極音】 b studioでの上映枠を確保しているのだ。今、本当に今、今なのである。上映館がそこそこ復活あるいは追加されており、更に各都市圏でIMAX、Dolby Cinemaが上映されている今、映画館にダッシュして頂きたいのだ。
なんだか先程から映画館に行けとしか書いていないのでもう少し何とかしようと思う。いやまあでも映画館に行って欲しいので。本当に。あまり上手に書ける自信もないがとりあえず理由みたいなものを書く。
RRRには映画で得られる全ての快楽が詰まっているので
映画なんだから映画館で観るに越したことはないよねというのはまあそうなんですけども。映画館で観てよかったと思えるポイントというのは果たしてなんだろう。結局は人に拠るわけだが、とりあえずは、まずでかい画面で見てめちゃくちゃ興奮する勢いとか濃度のある映像こそ、映画館の大きなスクリーンで観たいと思うのが人の心だと思う。そういうわけでRRRは迫力と濃度を兼ね備えた弩級の映像が3時間の上映時間いっぱいに数分おきに波状攻撃をしてくる。まだ来るんですか?まだやるんですか?そんなことあるんですか?そんなこともあるんですね??もう何が来てもいいですよ??そこまでやるんですか???え???あ????ああああ???!!!と思っているうちに3時間過ぎている。過ぎているので。ほんとに。Twitterで見たどなたかの呟きだけども、「ストップって言うまでイクラを米に載せ続ける店で最後までストップって言わない映画」という表現が的確すぎるのでここで使わせて頂く。そういうあれなのだ。弩級の映像が、めちゃくちゃ丁寧に、音楽やカメラワークと相まって、人の心をくすぐるやり方でお見舞いされてくる。後々私は知ったのだが、RRRの監督こと皆様ご存知のS・S・ラージャマウリ監督はこの映画を製作するにあたり影響を受けた映画に「イングロリアス・バスターズ」の話をしているのであるが、まあなんというか大袈裟ともいえる映像表現は確かにタランティーノ的なんだよなぁとただただ感心した。みんなが観たい映像が外連味たっぷりに3時間詰め込まれているのだ。これを映画館で観ないで他に何を観ようというのだと私は言いたい。なんというか、映画は体験だし映画は楽しいのだということを3時間かけて丁寧に勢いよくお出しされるのだ。え、もう、観る以外の選択肢はない。ないのでほんと。映画のいいところ全部盛りなんで。ほんと。ね。
ちなみに無粋ではあるが追記しておくけれど、レーティング問題というのは結構前から皆言っていて、私は小学生の子供には見せないし、中学生になってもまだ厳しいと思っていて、世界史で英国の植民地政策を、できれば英国のインド統治について知ってから見て欲しいと思うし、PG12相当以上だと思う。海外ではNetflixにて配信されているけれどそこではR18であることも付け加える。世界は幸福だけで満ちてはいないし、RRRは苦渋にフォーカスした映画だ。
じゃあ折角だから都内とか近郊だとどこがお勧めなの?
IMAXであればどこでもと言いたいところだが、もしあなたの時間と距離が許すのであればぜひ、IMAX上映館の中でも池袋グランドシネマサンシャインのIMAXレーザーGTに足を運んで頂きたいが、2023年4月13日終映した。以下は記事投稿当時の話であるのと、映画館の情報として参考にしていただければと思う。ここまで推しても私には一切利益がないが全力でお勧めする。いや少し嘘だ。グラシネIMAXが埋まれば埋まるほど、上映期間が延長されて私もそれだけ多くグラシネIMAXを浴びることができるという利益はあるのだ。まあほんとすごいので何度でも通いたいのが池袋グランドシネマサンシャインのIMAXなのだ。スクリーンでっか!めっちゃ迫力ある!!ちなみに大阪にもなんかおんなじのあるってTwitterで見たので関西の方は検索してください。なお、池袋グランドシネマサンシャインはBESTIA enhancedという音響が売りの上映があるけど、これはふつうスクリーン上映であるものの音が大きめきれいめという特徴のあるスクリーンなので、初見の場合はできる限りIMAXをお勧めしたいところだ。でもこれらは本当にお勧めくらいなので、まずはご自身が劇場に足を運べる時間に一刻も早く飛び込んで頂きたいのが本音だ。なおIMAXで映画を観た方はあの針の落ちる音からジェットエンジンの轟音までというプロモーション映像でご存じの通り、IMAXは音響も素晴らしいので、IMAX上映がある映画はIMAXで観た方がいいのではないかなーと思っている。
ここからは限界周回情報、おたくの覚え書きだけど、ネタバレはしてないので各映画館の参考程度にどうぞ。
新宿バルト9ほかDolby Cinema
私は18周回めで新宿バルト9のDolby Cinemaを初めて観たのだが、初見と同じところで泣いたし、なんか3倍くらい視覚情報が多くて3倍くらい聴覚情報が多くてそんでもって音がめちゃくちゃ大きいなと感じた。これを初回で浴びた人がその後通常上映に耐えられるのかは分からない。何せ私はここ数日の恵まれに恵まれた都内の上映環境を堪能すべく、Dolby Cinema初回以降はDolby CinemaかIMAXでしか観ていないので本当に分からないのだ。ちなみに、Dolby Cinemaを新宿バルト9とTジョイ横浜の2館で観たが、特に新宿バルト9のDolby Cinemaは音がめちゃくちゃ大きくて重低音は座席が震えるし(これは横浜でも震えてはいた)、何より、劇中で重要な役割を果たす旋律である「Dosti」(と、後半のアレンジ曲)の主旋律がめちゃくちゃ鳴る音響なので、聴覚を通して想像を絶する快楽が脳を劈いてくる体験ができる。それからラーマのバリトンボイスが鼓膜を直接殴ってくる。さらに、こちらも物語のキーになる「Komuram Bheemdo」の特に後半の太鼓の音が、観る者の心臓の鼓動に訴えかけてくるので全力でお勧めしたい。なんかまあ機会が許す限り、まあ観に行け、できれば新宿バルト9のDolby Cinemaを、という気持ちでいる。ただしApple Watchにバチクソ怒られる程度の音量があるので耳は無事では済まない。耳を大切にしている人はIMAXを選んでほしいと思う。ただ、音の話だけではなく、解像度がIMAX並みかつ、明るさとコントラストを限界まで調整して、人間の視覚の限界までの情報量を引き出す映像にしているのがDolby Cinemaであるので、バッキバキにクリアな映像を見たい方にもお勧めする。耳は死ぬ。あと明コンの調整具合もバルト9がエグいので刺激に飢える各選手は新宿バルト9のDolby Cinema一択だ。
チネチッタ【LIVE ZOUND】は?
(追記)LIVE ZOUND2回目もキメました。概ね初回の感想と同じです。腹に入ってくる重低音と、高らかに鳴る高音域。これはアクセスできる人なら第一選択に入れてください。
Dolby Cinemaの音響を浴びて、居ても立ってもいられずにこの週末に2回目をキメる予定なので、1回だけの記憶になるけれど、音がとにかくよい。重低音を体幹に落とし込みたい人は、通常上映料金+川崎への交通費でこれが浴びられるのであれば第一選択に入るレベルの上映だ。Dolby Cinemaでも書いた「Dosti」の主旋律の鳴りがめちゃくちゃ気持ちがいいのと、エンディングとあと「ナートゥ」で鳴る高音域の打楽器の尖りが心地よく再現されていると感じた。自分の鼓膜が打楽器と共鳴して脳を突き抜けてくるような音を再現していると言うべきだろうか。私は映画館の音響には全く素人だが、それなりの演奏経験の記憶からそのような聞き応えだと判断した。なお、立川シネマシティも週末に行く予定なので、特筆すべき事項があれば追記する。
【2023/02/05追記】立川シネマシティ 極音は?
音の解像度がすごい。一番採譜しやすい音でした。おそらくだけどこれは重低音でもなく高音域でもない、中音域をめちゃくちゃに尖らせるというこれはこれで本当に変態音響です(賛辞)。全体的にバランス重視の音響の中でセリフの聞き取りやすさが光るし、ようは全部の音の「音圧」ではなく「解像度」を重視しているのだと感じた。これはヒューマントラストシネマ渋谷の音響にも通じるものがある。IMAXとドルビーシネマが選べない都心族はヒューマントラストシネマ渋谷は有りである。全体的に耳にはとても優しいので、穏やかに綺麗な音を堪能したい場合は立川シネマシティ極音だ。
そして立川シネマシティの特筆すべきポイントがもうひとつある。それは、INTERRRVALが本当にあるところだ。これはだいぶ唯一無二だし、私はこのINTERRRVALでまた一つ新しいRRRの魅力に気付いたのでその話をする。INTERRRVALは20分間なのであるが、当然、その間トイレに行ったりドリンクを買いに行ったりストレッチをしたりして観客は一度RRRから離れるのだ。20分間は意外と長い。20分という時間で、人は一度リセットをされる。その後の入り方なのだ。いや、INTERRRVAL後はシネマシティのチャイムの後割と唐突に後半が始まるのであるが、この後半冒頭からの、雰囲気がガラリと変わる展開が生きるのだ。生きる。本当に心の底からびっくりした。まさか100時間目でこんなことに気付かされるとは思ってもいなかった。
ご存知の通り後半は前半最終のシーンを受けたラーマから始まるのだが、前半最後の背景にあるストーリーが不気味な静けさ(色がないんですよあのシーンが全体的に。色が付いてるのがシータと、弟と、血)で紡がれるので、INTERRRVALで一度現実に戻った観客に、RRR特有のテンション高い映像美に至るまでの助走を与えてくれている。INTERRRVALを経なければこれに気付くことはなかったし、この映画の完成度についてまたもう一段階恐ろしさを感じた。
なお、あえて言うならば、RRRは音圧で快楽を得られる映画ではあるので、個人的にはLIVE ZOUNDかDolby Cinemaである。
【2023/4/15追記1】109シネマズプレミアム新宿
来たぞ東急歌舞伎町タワー上層階に陣取る109シネマズプレミアムである。2023年4月14日開業だ。坂本龍一教授の監修した音響を売りにしたシアターで、通常席でもフカフカで4500円〜というお値段設定、購入者は上映前にラウンジでポップコーン食べ放題だ。S席は6500円。
スクリーンは通常画角で、ScreenXもあるようだがRRRは通常シアターなので説明は省く。通常画角のために兄貴の部屋のあれだとか色々切れてしまうが、映写機は高性能であり映像はとても綺麗だ。
そして、この映画館の売りは何よりも「音響」なのだ。坂本龍一氏のピアノ演奏を思い出して欲しい。ちがうライディーンの話はしていない。彼の作る繊細な曲を最大限にエモく鳴らす音響設備がこの109シネマズプレミアム新宿のスクリーンだ。
重低音であるとか高音であるとか、そういう分かりやすく目立つ音のバランスを極限まで調整を重ねて、全音域の美しく優しい音を届けてくれる音響だった。イヤホンで近いのはSONYの高価格帯の調整だ。
シネマシティの解像度高い音が映画館音響の完成形のひとつであるとすれば、このシアターでは、それをもっともっともっともっと坂本龍一の名の下に変態調整を重ねた音となっている。より優しく繊細で解像度が高く、しかし「音楽」を聴かせるという彼の才能とプライドの結晶がこのスクリーンにはある。一緒に観た人は「弦楽器の鳴りが生きる」とのことだった。そして声も聞き取りやすい。
「音楽」を愛しリスペクトした坂本龍一氏の魂がこのシアターにある。そう、リスペクトしているのだ。人の声はどのような和音で構成されているのか、音楽の中で楽器の鳴り方だとかをどう工夫すれば音楽の魂が生きるのか、そういう答えのない問いに生涯をかけて向き合った結果がある。なおYMOの曲も大概繊細な旋律と和音で快楽を突っ込んでくるタイプの曲なので、やはりここに彼の魂が宿っているのだ。きっと彼はこういう風に世界を聴いていたのだと思う。
一方でRRRは全部の音を最大解像度で浴びるのが気持ちがいい映画であるので、RRRは3周目以降くらいでいいと思う。
なお余談だが、ここだけの特典ポストカードはほんとうに神絵柄だし何なら1枚1枚袋に入って渡される。手厚いな。
【2023/4/15追記2】丸の内ピカデリーDolbyCinema
2023年4月15日現在、関東圏で唯一、RRRのDolbyCinema上映をしている。
画角はIMAXと同様である。音も大きめだ。ただし、バルト9他の爆音と比べるとだいぶ抑えめであり、初見さんにも優しい。画角は大きいがスクリーンは小ぶりでもある。上品を装いながらわりとがっつりRRRを摂取できるので、初見さんこそ行くべき劇場の一つだといえる。
応援上映は?
自我が強固な人とか、お祭りが好きなら楽しいと思うけど、これは、内容を知ってる人が感情を爆発させるための機会だと思っているので、純粋な初見の経験としては私は向いていないなと思う。3回目くらいからは普通の上映でもなんかタンバリンとか叩きたくなるので、複数回め以降の経験としては得がたい快楽を得られる機会なので、怖がらずにタンバリンを叩きに来てほしい。お盆の場合はドラムスティックで叩くのは難しいけれど我こそはという猛者に私は会いたい。
そろそろネタバレする。この先が読みたければとりあえず劇場にRRRを観に行って頂きたい。
ほんとうにネタバレするぞ!!!!!!!!!!
【ネタバレ】2周目以降のこだわりポイントとかある?
2周目どころかできれば3周目くらいからここから先は見て頂きたいのと、まあ身も蓋もないが、これはTwitterで「#細かすぎて伝わらないRRRの好きなシーン」あたりを検索して頂きたいなと思う。他力本願!だって自分の視点とかもう偏りに偏っているのでそこはもう、各々皆様方で自分の意識の向くままにどんどん好きなものを見つけ続けて突き進んでいって頂きたいのだ。
まあでもちょっとくらい書くとすると、まず何度観てもラーマが美しいしビームも美しい。ラーム・チャランさんの無限のまつげ、NTR Jr.さんの本当に澄んだ水のような瞳はIMAXとDolby Cinemaで多くの人に何度も浴びて頂きたい。
それからIMAXとDolby Cinemaの画角と映像美で見えてくる細部を色々見て頂きたい。冒頭心配そうにマッリを見守るとある2人の上方向にいる黒いふくふくした鳥が可愛いであるとか、兄貴のおっぱい揺れ、敬礼でラッチュに逃げられる直前の叔父さんの表情、釘を撒く前の兄貴の舌出し、車がパンクする前の兄貴のウインク。ビームをやり込めようとするときにしっかり取り巻きに指図するジェイク、祝賀会でビームを逮捕する時ちゃんと中庭にいるフィリップ、いろいろなフィリップ、そういう発見が永久にできてしまう。
そして細かい発見をしながら、ストーリーの解像度をどんどん上げていくと、当初は映像に殴られていて流していたところの考察ができるようになっていく。例えば、ナートゥは唐突に挟み込まれる踊りなのではなくて、それに至るまでに描かれた、当時の英国と英国領であったインドの関係性のなか奇蹟のように紡がれたラーマとアクタルの絆が英国に一泡吹かせる一幕であり、それはその後のストーリーとそして史実の2人の生き方に少し繋がっていく、ひとつの必然としてストーリーに編まれた母神に捧げる渾身の踊りなのだとか。物語終盤でラーマとビームは、互いが互いを目覚めさせてくれたと相手に告げるけれども、その目覚めへの祝福とはつまり祖国独立のための血塗られた地獄へ、2人微笑み合って手を取り合って突き進んでいくということであるというのがクライマックスで明確に描かれているところとか。
そして字幕をほぼほぼ覚えてくると、聴覚情報も抜群に増えていく。ラーマは字幕の何倍も叔父さんに叔父さんと呼びかけているし、ビームは字幕の何倍もペッダイヤを呼ぶ。ラーマの叔父さんも結構ラーマにラージュラージュラージュ言う。その辺りが分かると、字幕にはない人間関係の情報が浮かび上がるのだ。なのでここまで到達したオタクはテルグ語のリスニングを本当に考えるようになる。さすがに全然理解できん。何度観ても覚えて帰るのはロンギポゥとスコットドルニチャンパッドだけだ。そもそも私の理解できる言語は英語と日本語しかないという自分の知見のなさにサンドバッグを破れるまでブチ殴りたくなる。なので仕方なく英語を追っていると、劇中で描かれている英国人のインド人への侮蔑表現がたいへんに種類豊富で、ああこの映画は本当にインドの独立闘争の英雄への敬意を込めたファンタジーなのだろうなという解像度が上がるし、あと英国人はあんなにbastardをbastardとは言わないけどあれ多分もっと酷い放送禁止用語を言い換えてあれなのかなとか色々考えるけどそのへんの英語検証ってどの程度されてるんだろうなあとかを考え始める。口からふわりと出る言語というのは本当に巨大すぎるバックグラウンドを持っているから。だから本当にテルグ語を理解したいと最近思っている。大学で二外の単位を全部捨てた人間がここまで思うようになる、コンテンツの力というのは底知れないと思うのだ。
映画から若干逸れてしまったので話を映画に戻すが、言葉と表向きのストーリーの印象の10倍くらいラーマはアクタルとビームのことをずうっと慈愛に満ちた表情で見詰めているし、ビームは思っているよりも何倍も無垢な表情と「羊飼い」の表情を切り替えている。感情を殺しているかのように登場したラーマは思ったよりずっとやるせない想いを隠しきれていない。この点を把握すると、主演のお二人の演技がほんとうにエグいということが分かる。エグいのに、一方でどこまでも無垢で獰猛なビームを演じるタラクさんはご本人の格好良すぎる素が端々ににじみ出るし、たまにラーマの服のボタンが中の人のチャランさんの私服そのまま全然仕事をしていない。普通にえっちなのに胸元のボタンのせいで無限にそこからえっちが流れ出ている。この人どこを取ってもただの人類の宝だった。知ってた。
といういつものねむけさんのノリになったところで、コミックマーケット101で発行したエッセイに載せた、鑑賞10回ほどの時点で書いた感想文をWebに再録したのでURLを貼ってそろそろ寝ようと思う。今日明日はRRRの鑑賞予定がないのであるが、週末にはもう最低3回予定を入れているので、体力確保のための睡眠が不可欠であるからだ。それでは皆様よいRRRを!!!!!!!!!!!!!!
こちらは先月末までの感想文。「フットワークが軽率で軽薄」で書いたRRR感想文 再録」 全力でネタバレをしている。
https://note.com/_nemuke/n/n7d37d6b4954e