親切な暗殺#毎週ショートショートnote
【暗殺専門店】
警察に見つかったら1発アウトになりそうな店名だ。
危ないんじゃないかと思うけれど、殺してほしい人はもちろんいて。憎悪に負けて入店した。
「誰を殺したい?」
入店して早々に、帽子を深々と被ったおじさんに話しかけられる。
「会社の部長ですかね。パワハラがすごくて」
「なんて会社の誰?」
「ほんとに殺しちゃうんですか?」
「いやぁ、…さぁね?」
怪しげな雰囲気のおじさんに、会社名と部長の名前を伝えた。
「暗殺が終わりましたら連絡させていただきます」
にやりと笑ったその口元に、寒気がした。
後日、あの暗殺専門店から連絡があった。だが、出社するとそこにはいつも通り部長の姿があった。
そりゃそうか。そう落胆したが、部長のデスクに花が飾ってあることに気がついた。そんなの今までなかったから、思わずその花を画像検索にかけた。するとスノードロップとでてくる。その花について詳しく調べると、そこに出てきた花言葉に、思わず笑ってしまった。
希望
慰め
切ない恋
あなたの死を望みます
本当に暗殺するのかと思ったが、そこまで残酷なことはしない。親切な暗殺専門店だったらしい。
(469文字)
今週も参加させていただきます。
最初はなにをどうすればいいのかわからなかったのですが、だんだん慣れてきました。面白い話ができてるかどうかは別として…笑