「労働安全衛生法に基づく一般健康診断の検査項目等に関する検討会」中間とりまとめ案がでました
10月18日に「労働安全衛生法に基づく一般健康診断の検査項目等に関する検討会 第8回」を傍聴しました。
この検討会も、本日が「中間とりまとめ案」が提示されました。
変更点としては端的にいってしまうと、
となりました。
ちなみに一般健診の問診票とは
問診票の追加による実際の現場の対応
ただ、質問項目を追加したことにより、さまざまな対応が、労働者、事業者、健診機関、専門医等に必要となります。こちらについて、中間とりまとめ案からでは読み取りきれない、具体的なこと、現場での運用に大切なことなどの詳細について、構成員から質問がいくつか出ていました。
ちょっとだけピックアップすると、
・ 健診担当医の定義が必要ではないか
・専門医等の等という表記から産婦人科医以外を想定しているか
・専門医による診断書等の等として「母性健康管理指導事項連絡カード」のようなものがあったほうがよい
・集計情報への取り扱いについて、産業医、保健師等の専門職の記載がないのでは
・集計情報の提供についての同意はどこがとるのか、事業者にとってもらいたい
・中小規模の事業場でも対応できるものにしてほしい
など。
上記についての事務局からの回答としては、ほとんどのものを、とりまとめ案に記載されている「健診機関向けガイドライン」「事業者向けガイドライン」にて示すとのことでした。
(構成員から、ガイドラインはエビデンスと強制力があるので、名称はマニュアルでは、とのことでマニュアルになりそうです)
こちらで、しっかりと運用の仕方がわかる、ということになりそうです。
質問票への追加を「職場での女性の健康づくり」の起点に
この検討会のスタート時には、女性特有の健康課題の健診ということで、どんな検査項目が加わるのか、どんな運用がされ、事業場は対応が必須になるのか、などを期待しながら傍聴していましたが、事業者への義務化という強制力をもつ健診に加えるには、何度も検討会で繰り返される「業務起因性又は業務増悪性」に女性特有の疾病は当たるという明らかなエビデンスはなく。
ということで、事業者の事務的・金銭的負担が少なく、でも女性の健康づくりに何らかの見える形のものを、ということでどうにか質問項目に加わったという感じでしょうか(あくまで私見です)。
ただ、女性労働者が増加しているいま、「質問項目への追加」を起点に、女性の健康を意識した職場の環境づくりの必要性を事業者が意識していくことにつながればと感じました。
以上ご報告まで。とりまとめ案自体は、いままでの検討会の議論の経過をしっかりと記載されて、読むと、なんたがいままでの検討会が浮かびます(笑)。
関心のある方はご一読を。
以下は今までの検討会のレポートです。