労安法の「女性特有の健康課題の質問」は法定外(任意)になりそうです
8月21日開催の「第6回 労働安全衛生法に基づく一般健康診断の検査項目等に関する検討会」を傍聴しました。
議事は前回に引き続き、「女性の健康」について。今回は事務局案が提示されました。
傍聴しての個人的な印象では、うーーーん、なんだかとても後退したように感じました。労働安全衛生法に基づく一般健康診断は罰則をもつ義務なので、仕方ないのかもしれませんが……。
前回検討会において「一般健康診断問診票」を改訂し、「女性特有の健康課題に関する質問」を追加すること、そして具体的な質問内容が示されたため「一般健康診断問診票」はどのような扱いになるのかしらと思っていましたが、結論からいうと、「法定外(任意)」のようです。
前回検討会レポート↓↓↓
今回、事務局からは「女性特有の健康課題に関する質問」の目的、具体的なプロセスなどの案が説明されましたが(下記に資料を掲載)、以降の構成員の方々からの発言には、「法定外なので特別扱いしないほうがいい」「法定外なので運用は別で示すことで」と、「法定外」という言葉が度々出てきて、どことなく議論も力が抜けたような気も……(あくまで私見)。
「女性特有の健康課題に関する質問」を追加する目的(案)として、労働者には気づきと早期受診、事業者には女性特有の健康課題を抱える職場環境整備への気づきとしています。
労働者自身への働きかけは具体的ですが(事業者→(健診機関)→労働者)、ある構成員から「事業者へ職場環境整備への気づきを促す、とあるが、主語は誰か、誰が事業者に促すことになるのか」という問いもあり、今一つ回答は不明確にも感じました(具体的な内容は、事業者から健診機関への委託内容なのかも?)。
検討会のなかでは、健診機関への委託内容として「健診での女性の健康に関する質問で『はい』と回答した数の報告」を例として、職場環境整備への気づきの一つになるのではとあげていましたが…… 。
もちろん、「働く女性特有の健康課題」について、これだけ議論が重ねられ、無にならず、任意とはいえ「一般健康診断問診票」へ入ることで、まずは、職場で女性の健康問題は取り組む課題であることを示す第一歩になったということかもしれません。
他にも、健診担当医について診察医と判定医が違う場合があるので対応を明確に、労働者が婦人科へ受診した場合、以降は治療の状況や就業継続の可否など「治療と仕事の両立支援」(厚生労働省)と同様の扱いと考えたほうがよいのではなど、まだ運用などの論点が残っており、次回も続きがあるかと思われます。
以下、女性特有の健康課題に関する質問の目的と具体的なプロセス(案)P4〜5
流れ図 P6 「資料1 」より引用
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