死ぬことすら出来ない辛さ 41 〜ST介入

一度は死にたいと思ったものの、夫の「 生きてほしい 」の一言によりまた『 生きたい 』『 生きなければ 』と思うようになった。


生きるにはどうすれば良いのか。

自分で考えてみてもちっとも分からないし閃かない。

そんな時は看護師に聞けばいい。

聞けば色々と教えてくれるからとても頼りになる。

看護師が頼りになるなんて思うようになったのだから不思議な感じ。

看護師に生きるために何をすれば良いのかきくと、食べることが出来ないので、食べられるようになれば良いが今は難しい。
また、食べることは誤嚥性肺炎のリスクが大きい。
食べていなくても誤嚥性肺炎になるのだから、まずはそのリスクを軽減させることが重要。

病院でやっていたST( 言語聴覚士 )による嚥下訓練を家でもやってみてはどうかと提案された。


なるほどなるほど。
飲み込む力をつけていけば誤嚥性肺炎のリスクを軽減させることが出来き、ゆくゆくは食べることも再開できるかも知れない。

訪問リハビリでSTがいないか聞いてもらい、急ではあるが11月中旬から来てもらえることになった。


ST介入初日

STの介入が始まった。
まずは嚥下や口腔内の評価、体重測定を行う。
発声や唾液の飲み込み、舌の動きなどを確認していた。

相変わらず初めて来る人には「 この人大丈夫かな? 」と思ってしまうけど、生きるためにやらなければと思うと耐えられる。

今はまだ食事は出来ないけれど、食べたり嚥下体操をするならこのくらいの高さが良いとギャッチアップした時の高さと言うか角度を決めた。

ベッドの頭板とベッド頭床にテープを貼り、同じ高さになった所と目印にしてもらった。

嚥下体操では、口を開けたり閉じたり、舌を前後、上下、左右と動かしたり、発声練習を行った。

毎日やって下さいとパウチにした体操の表を持ってきてくれた。

とりあえずタンスの取っ手に掛けておいてもらい、明日からはお昼の時間にやることにした。


そうそう、体重を測ってもらった。
車椅子に乗り、体重を測って、そこから車椅子の重さを引けば私の体重が分かるからと言われ、車椅子に乗せられて測定したら、なんと、体重28kg。

また痩せてしまった。

ガイコツと言われてしまう訳だわ。


ん?
誰にガイコツと言われたかって?

いつも来る訪問看護師よ。

ちょっと心を許したと思って優しくしてたらこれよ。

そう言われても怒らないで受け入れてしまうくらいの関係性が出来たのかな。


週末は夫にガーデニングをしてもらった。

春になったら花が咲くでしょう。
咲いた花を楽しむためには、今のうちに球根を植えておかないと間に合わなくなる。

夫に球根をいっぱい買ってきてもらった。

車椅子に乗せてもらい、窓の近くに移動。
日に当たりたくないから室内からガーデニングをしている夫にあれこれ指示してやったわ。

ただ植えれば良いと思っているのだから嫌になるわ。

魅せるためには何をどこにどのように植えるかが大切なのよね。

指示をして従う夫を見ているのは楽しいわ。

ん?
何の花を植えたのか?

それは咲いてからのお楽しみ。

よろしければサポートお願いします。この費用は看護や介護が必要な人達へ有効に活用していこうと思います