RIEHATAさん×三浦大知さんの初コラボを実現させた世界的トップダンサー・Macotoさん。異例の単独公演で示したダンスの可能性
-新しい学校のリーダーズ サプライズ出演の裏側、Snow Manラウールさんとの関係性とは-
とんでもないものを観た。
これまで日韓米英×ジャンル問わず生のエンタメに触れてきたけど、もう何を観ても感動できない身体にされてしまったかもしれない。
ディズニーのアトラクションも、チームラボも、クラッシックもブロードウェイも、ファッションも、音楽も、歴史学も哲学も……全部がそこにあって、調和していた。
今回は、そんな衝撃を受けたMacoto 1ST ONE MAN SHOW[ ALIEN ROCKSTAR について。
かの有名なRIEHATAさんと三浦大知さんの初コラボを実現させ、新しい学校のリーダーズやラウールさん(Snow Man)を動かすほどの影響力を持つ世界的トップダンサー・Macotoさんの初となる単独公演だ。
ダンサーとして異例の単独公演を成し遂げた彼がどうしてこんなにも愛され、評価されるのか。
そして、RIEHATAさん、三浦大知さん、新しい学校のリーダーズ、ラウールさんとの関係性とは?
今回の公演をベースに、彼の魅了に迫る。
はじめに
今回は自身初の単独公演ということで、「MacotoさんというALIEN ROCKSTARが誕生するまでの物語」がテーマとなった。
誕生年の1999年から遡り、身ひとつでそれぞれの時代を彩ったエンタメを表現していく。
そんなストーリーの中で一際強いメッセージとして浮かび上がってきたのが、「多様な個性への愛と尊重」である。
巷でなにかと耳にする「多様性」というワードだが、オックスフォード英語辞典の定義によれば、それは「非常に異なる多くの人や物の集まり」。
つまり、「多様性」はただの集合体に過ぎないのだが、Macotoさんはさらにその一歩先の感覚を持っていらっしゃる。
多様な個性がただ「在る」だけでなく、一つひとつの個性を心から愛し、尊重する。
そんな彼が総合演出を務めるステージからは溢れんばかりの愛が感じられた。
まずは、彼の人となりがわかるこちらの作品をどうぞ。
▼Beautiful Rainbow feat. RIEHATA / Choreoed by RIEHATA
[avex ROYALBRATS D.LEAGUE ROUND.7 'Beautiful Rainbow' ダンス練習動画]
歌詞とダンスが連動したこの作品のメッセージは今回の公演とも大きくリンクしている。
私がいつも元気をもらっているパフォーマンスでもあるため、絶対に観ていただきたい。
公演の内容と感想
ここからは、実際の公演について触れていく。
現実から夢の世界へのナチュラルな誘導
開場中、客席のあらゆる場所からダンサーが現れ、踊り出す。360度ダンサーに囲まれた観客は、もはや舞踏会の一員だった。ゆっくりと暗転し、音が大きくなり、照明に染められる中、ダンサーたちがステージに向かっていく臨場感は、観客の心を取り残すことなく夢の世界に連れて行くのに十分な演出だった。
ご本人曰く、
ー 暗転し、アナウンスが流れてステージが始まるという一般的なオープニングは選択肢になくて。ブロードウェイではよくあるこのスタイルでワクワク感を届けたかったんです。
ブザーの機械音が入らないことで、現実と夢の世界を完全に切り分けることなく、自然に繋いでくれる架け橋。そんなやさしさをも感じる演出だった。
もはや4D。アトラクションレベルの壮大なオープニング映像
壮大な宇宙の映像から地球→日本→東京→渋谷ときて、会場である関内大ホールにスポットにたどり着く映像。
ディズニーのソアリンに乗っているような迫力と浮遊感のある、4Dのような映像技術は鳥肌もの。
この広い世界の中で、この場所で、このときを過ごせる奇跡を表現しているように思えた。
1880年
Macotoさんの生き様を描いた感動的な映像を挟んだあと、時代は一気に遡り、1880年へ。
遠い時代に迷い込んだALIEN ROCKSTARが、古典的なダンスを披露していく。途中でROCKSTARの風格を表し、暴れまくる表現や美しいバレエなど、多様な表現技法に魅了されるパートとなった。
1920年
時代は移り変わり、1920年へ。
ブロードウェイ・ミュージカルを象徴する赤いカーテンに、『Cell Block Tango/ from CHICAGO』。
ここではゲストダンサーの4名(keijiroさん、Mitsukiさん、Miu Ideさん、Kenさん)も登場し、本場ブロードウェイをも超越するような迫力のステージが繰り広げられた。
このパフォーマンスについては、
ー 僕たちがヒールを履いて踊る意味を何度も話し合いました。
と語っていたMacotoさん。
また、同パートでは、このステージのために習得したというポールダンスも初披露された。
ー 自分のことをどんなジャンルもこなすと認識してくれているお客さんを驚かせるには、ポールダンスくらい派手なことをしなければと思ったんです。
初挑戦とは思えぬ美しいパフォーマンスに会場は歓声の嵐に包まれた。
さらに、Macotoさんが作詞し、福原みほさんが歌唱する劇中歌『Door』も初披露。
幼少期の葛藤や切なさをまっすぐに描いた歌と、寂しげなダンスが相まって、胸が締め付けられる場面だった。
ちなみに、このときに着ていた青いシャツは私物とのこと。自分の個性に葛藤を抱いていた頃にしていたようなシンプルなスタイルにしたそう。
そして、『Beautiful Rainbow』の歌詞、「Blue shirt Cause I'm a boy?」とリンクした「青いシャツ」を選んだというから合点がいく。
アメリカンで派手なパフォーマンスから静かなる表現まで、緩急のあるパートとなった。
1960年
さらに時は進み、1960年へ。
ここでは、当時を象徴するマンボとともにパティーのような豪華なパフォーマンスが行われた。
ゲストの2名(東間一貴さん、MAOTOさん)をはじめとするダンサーたちのパワー満点なパフォーマンスで会場は一気に陽気な雰囲気へ。
そして、大スター マイケル・ジャクソンへの敬意を感じるパフォーマンスが披露されたのもこの時代である。
椅子を使った多彩な表現に、遊び心のある音の取り方。とんでもない技術とテンポの良い場面転換に瞬きすら許されないステージ。
マイケル・ジャクソンを生で拝見したことはないが、その魂を受け継ぎながらも個性を前面に出したダンスに会場が度肝を抜かれていたことだけはわかる。
「Macotoさんの中にマイケルが宿っている。」
そう確信した瞬間だった。
2024年8月14日に、満を辞してこの動画が公開されたので追記させていただく。
Smooth Criminal | Macoto Choreography | Macoto 1st ONE MAN SHOW “ALIEN ROCKSTAR” 2024
この動画を観て、改めて生と動画では観るものも見えてくるものも全然違うなと実感。結構衝撃的なくらい。
どっちも違って、どっちも良い。
クライマックス
「総合演出 MACOTO」というカッコ良すぎるクレジット表記に客席が沸き立つ中、来たる1999年、ついにALIEN ROCKSTARが誕生する。
ここで、本公演のテーマソングである『ALIEN ROCKSTAR feat. 三浦大知&RIEHATA』が披露された。
三浦大知さん×RIEHATAさんの初コラボの裏側
このテーマソングでは、彼が父母として慕う三浦大知さん×RIEHATAさんの初コラボレーションが実現。
長年ツアーダンサーとして一緒に活動している三浦大知さん。
そして、Rht.メンバーの師匠であるRIEHATAさん。
いずれも現代日本の音楽・ダンス業界を牽引する存在であり、Macotoさんを小学生の頃から見守っている方々でもある。
ちなみに、三浦大知さんのツアー(福岡公演)の楽屋で単独公演決定の報告と楽曲制作の打診を行なったMacotoさん。
ー 大知くんがその場で即OKを出してくれて。あとで正式なオファーメールを送ると伝えたけれど、「これが正式なオファーだよ」と言われました。
三浦大知さんがMacotoさんにどれほどの信頼を置いているのかがわかるエピソードである。
この奇跡のコラボレーションは彼なくしては実現しえなかったのではないだろうか。
新しい学校のリーダーズとは家族ぐるみの仲。サプライズ出演の裏側
新しい学校のリーダーズがサプライズ出演したことでも話題となった大千穐楽。
1960年の前に、タイムマシーンのバグが発生したかのように、????年に迷い込んだALIEN ROCKSTAR。ここでは『乙女の美学/新しい学校のリーダーズ』のコラボパフォーマンスが披露された。
まさかの登場に客席は騒然。
実は、この圧巻のコラボレーションの裏側には熱い友情があった。
MacotoさんとリーダズのMIZYUさんは、小学校低学年の頃から一緒にダンスをしていた幼馴染。
遡ること数年前、リーダーズのワンマンライブにて、顔も出ない全身緑の衣装でリーダーズを襲うエイリアン役をオファーされたMacotoさん。
ー そんな(変わった)オファーをしてくるのはこの人(MIZYUさん)だけです(笑)。
そんなリーダーズが、今回の公演ではエイリアンを救いにくるというストーリー設定だったのだそう。
他のメンバー3人も実家に遊びに来るほどの家族ぐるみの仲らしく、Macotoさんは、
ー アーティストの枠を超えて友情だけで駆けつけてくれたことに感謝しています。
と胸を熱くしていた。
素敵な関係性がうかがえるこのコラボレーションには、今後も期待大である。
Snow Man・ラウールさんとの絆
実は、ラウールさんとは小さい頃にRIEHATAさんのもとで一緒に踊っていた幼馴染のダンス仲間であるMacotoさん。
それぞれ別の道を歩みつつも、お互いの活動を応援し合う関係にあるラウールさん。
2024年3月のTokyo Girls Collectionで、Macotoさんがラウールさんのステージの振付を担当し、一際話題になったのも記憶に新しい。
相性抜群の2人にしか成し得ないエンターテインメント がある。
そう信じて疑わない私は、やはり大人になったおふたりがパフォーマーとして横に並ぶ日を今か今かと待っている。
▼詳しくはこちらでも
今回の公演では、ラウールさんから届いた祝花にも注目が集まった。
公演のメインビジュアルに合わせた緑と紫の祝花に、Macotoさんのイメージカラーである緑の宛名。
ラウールさんの愛とセンスが溢れるプレゼントと、おふたりの強固な絆に、多くのファンから歓喜の声が上がっていた。
今回の公演のすごかったところ4選
①ジャンルレスで多彩な表現
ダンスの技術や表現などは言わずもがなであるが、HIP HOPにJAZZ、バレエ、ポール、ヴォーグなど、個人の単独公演とは思えぬ多彩なパフォーマンスを楽しむことができる。それが本公演の魅力のひとつだ。これが一貫したストーリーに綺麗におさまっているのも注目すべきポイントである。
②文句のつけようがない演出と構成
最高の照明に、音響、映像、構成。この会場内には1ミリたりとも、このショーに属さない空間が存在しなかった。それくらい会場のすべてを巻き込んだ演出は、国内トップレベルのものであった。こじんまりとしがちなホール公演の可能性を広げたのも間違いない。
③こだわりの衣装たち
ファッション大好きMacotoさんが自ら足を使って準備したこだわりの衣装たち。想い入れのある一着一着がALIEN ROCKSTARを輝かせていた。
④愛のこもったステージ
今回の公演やグッズの制作に関わったのは、ほとんどがMacotoさんをよく知る身内の方々だったという。
ー ダンサーの公演だから、ダンサーで魅せ切りたいと思って、日本で尊敬するゲストダンサーや誇りに思っている生徒たちに協力してもらいながらステージを創りました。
作品づくりに関わるすべての人がありったけの愛情を注いでくれたからこそ、ここまで人の心を打つ作品になったようだ。
そして、そのすべての愛にMacotoさん自身のお人柄が投影されているのだろう。
プロダンサーのパフォーマンスを初めて観た友人たちの感想
「チケット代は要らないから、明日観に来てくれないか」
実は、初日の公演を観た途端、2人の友人にこんな連絡をした私。
特別ダンスに精通しているわけではないが、幅広く生のエンタメに触れている友人たちだ。
大切な友人たちに観てほしい、生で感じてほしい。もっと言えば、これを観ないまま死なせたくない。そう思った。
「熱が伝わった。Mirekaがそこまで言うなら観に行きたい」と駆けつけてくれた2人が、公演の感想を伝えてくれた。
プロダンサーのパファーマンスを観たことのなかった友人たちの心にも届いたのが、私としても嬉しくて仕方がなかった。
(本当にありがとうね☺︎)
ALIEN ROCKSTARが広げたダンスの可能性
ダンス文化が一般にも浸透し、盛り上がりを見せている中、
ー ダンスの力、可能性を信じてきて本当に良かったです。
そう言葉にしていたMacotoさん。
言葉がなくとも、歌わずとも、身ひとつでここでのステージを創り上げられる。身体表現でここまで心を通わせることができる。
そんなことを身をもって示してくれた公演となった。
きっとより多くの人に届くべき、そして海外でも愛されること間違いなしの本公演。
いつか本場ブロードウェイで、彼の『Cell Block Tango/ from CHICAGO』が観たい。
ー BE YOUR OWN ROCKSTAR. みんなロックスターだよ。
ダンスを通して、自他の個性を愛する素晴らしさを伝えてくれる。
今後も業界を牽引していくであろう彼の活躍から目が離せない。