【オトナの3行完結】 酔い待ちホタル
お久しぶりの3行完結。
夏のホットナイトホタル、冬の雪泣きホタルの後に続くのはどんなホタルなのでしょう。
秋深し ホタルまだ舞う 妄想で
三日月 巴
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ボージョレーヌーボーが出て、ほのかな酔いに任せてグラビアの好きな車のボディーラインなんかをパラパラ脳裏で嬲りながら、そろそろ本格的な寒さが来るだろうから、いっちょその前に溜まっていたフラストレーションを吐き出すため、過去の記憶を辿りながら南へ行っておかなくては、と徘徊するヨーロッパ地図。
イったようでイっていない街が確かあったはずだけど、「いっちょ、いっちょ」とつぶやきながら、どこか響きがイタリア語のチェント(100)に似ているなぁ、なんて思ったりして、はて、それはもしや有名なイタリア車のフィアット『チンクエチェント』と言いたかったのか、「チンクエ、チンクエ、チン、クエ、チャント...」と眠たげな小犬が舌を出しておねだりするようにつぶやきながら、頭の中にかけ巡るこの曲は、はて、それはもしや『マンボ・イタリアーノ』ではなかったか、「マンボ、マンボ、マン、ボ、イキタイアーン」とボジョレーヌーボーのせいでお尻の光るホタルに誘導されているように、ヒドい頭痛のこめかみを押さえながら流し目を送ってちょっぴり甘えながらつぶやいてみたり。
どっちにしても『チンクエチェント』に『マンボ・イタリアーノ』と来たら、『ヴォラーレ』を歌ったドメニコ・ドモーニョや、『夢見る想い』を歌ったジリオラ・チンクエッティなんて名前も思い出して、「こりゃあ、呼ばれてるのかしらん。」なんてひとりごちるけれど、そう言や秋のイタリアは雨が多いと聞くから濡れ濡れでマンボじゃ洒落にならないよなぁ、と苦笑いしながら口はすでにピザが欲しい、いやその前にはアンチパスチミストが無くちゃ始まらない、だけどその前にキャンティで乾杯したらスキャンティぐらいは履いて誘ってあげてもいいかな、なんてちょっぴりヨダレを垂らしながら期待しちゃうような夜を迎えて、やっぱりフィレンツェもう一回行ってリベンジしなくちゃ! って決めてやる、今夜。
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『夢見る想い』ジリオラ・チンクエッティ(1964)
ぱひゅん♥