生理とホルモンとPMSと。
PMSとは
PMS=Premenstrual Syndrome
生理前に起こるさまざまな症状を、まとめた呼び方。
月経前症候群(PMS)は、
排卵後に発症し、月経前に最大となり、
月経開始後4日以内に消失する、
苦痛を伴う身体的および行動的な症状を特徴とする。
(Lena Seippelら,1998)
月経前不快気分障害に伴う症状は、
気分(イライラ、気分の落ち込み、不安)、
身体的症状(膨満感、乳房の張り、食欲の変化、ほてり、不眠、頭痛、疲労)、
認知障害(混乱する、集中力の低下) のカテゴリーに分類され、
行動上の影響(社会的引きこもり、口論)を伴うこともある。
(Susan R.2004)
イライラしたり、ボーッとしたり、眠れなかったり。
頭痛や腹痛、おっぱいに痛みを感じることもある。
集中できず、疲れやすく、食べすぎてしまうなど、
いつも以上に自分をコントロールできない感じ。
なんとなく不調だったり、予定をキャンセルして寝込むほどだったり。
人によって、内容も、程度もさまざま。
PMSは、なぜ起こるのか。
排卵から生理前までは、ホルモンがあがって、さがる。
ここに原因がありそうな気がする。
PMS前月経困難症に関連する臨床検査や身体検査の所見はなく、
診察や検査は、症状の他の原因を除外することを目的とすべきである。
特に、生殖ホルモン(エストラジオール、プロゲステロン、卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、テストステロンなど)の値は、
PMS前月経困難症の女性とそうでない女性の間では変化しないため、
その値を調べることには意味がない。
(Susan R.2004)
PMSの原因として、
エストロゲンとプロゲステロンの正常な循環レベルに対する感受性の増加、
アルドステロンと血漿レニン活性の増加、神経伝達物質の異常(特にセロトニン)などが候補にあがっている。
(WENDY Sら、2011)
PMSやPMDDの原因となる治療法や、リスクのない避妊法の探求は続いている。(IngerSundström-Poromaaaら、2020)
PMS 症状の強群は弱群と比較し、性周期を通して性ホルモンが高い値で推移した。
これらのホルモンの動態が PMS 症状を重症化させる要因であると考えられる。
(高岡素子,京藤智子,2021年)
どうやら、、、
PMSのはっきりとした原因はまだ特定されていないらしい。
診断のときには有効な検査はないようす。
(論文によると、消去法で、他の可能性を否定された場合には診断されるよう)
ホルモンレベルが高い人ほど症状が重いと考えられる結果はあるので、
何かしらの影響があることはたしか。
ホルモンは関係ない、という結果も出ていない。
だけど、直接の原因と言える確証はないのかな。
じゃあ、何が原因なの?
どうすればいいの?
近年、プロゲステロンとアロプレグナノロンに関する集中的な研究が行われ、産後うつ病の新たな治療への道が開かれました。
しかし、月経前症候群や月経前不快気分障害の治療法や、女性が精神的な問題を抱えることなく使用できる避妊法はまだ必要とされています。(IngerSundström-Poromaaaら、2020)
2020年の論文で、プロゲステロンについての研究が進んでいることはわかった。
(アロプレグナノロンは、プロゲステロンの代謝産物である神経物質)
産後うつの治療も気になる。
PMSの有効な治療法が早く見つかることを祈る。