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つばさ(1927年/アメリカ)
おはようございます。
昨日から、アカデミー賞の作品賞を授賞したものを、過去作から一日一作品ずつ鑑賞する、ということをはじめました。
自身映画鑑賞は好きですが、近代映画ばかりで。しかし映画から学べることは多いと普段からよく感じるため、この休養期間、せっかくなら何かやってみようということで。
まず一作目です。「つばさ」という作品を。グラミー賞というものがはじまり、はじめての授賞作品なんですかね?
1927年にアメリカで作られたものです。
あらすじ
パイロットのジャックとデビッドはシルヴィアをめぐる恋敵であり、同じ航空部隊に所属する同僚。フランス戦線で活躍し名コンビとして名を馳せたたふたりだったが、シルヴィアの件で仲違いしてしまう。そんな中、デビッドが敵機の攻撃を受け被弾してしまい…。(filmarksより)
感想
本作は映画史上初期の作品なので、無声映画でした。真剣に向き合う良い機会となったため、無声映画についてまず自身が思ったことを綴ります。
当たり前ですがセリフやナレーションなど一切音になりません。セリフについては、抜粋されたもののみ字幕での説明があります。ほとんどの動作や情景(ナレーション)やセリフが字幕に起こされることはありません。
そのため、俳優さんたちの演技、音楽が映画のほとんどを表現します。その分俳優さんの動きは大袈裟と言えるほどに、身振り手振り、表情などがわかりやすいです。そして驚くのは、音楽が映画にばっちりと合っていること。強弱、表現、タイミング、挙げたらキリがないです。
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本作について、自身は無声映画だからこそ素晴らしい作品なんだろうなと感じました。字幕に起こされるセリフが少ないからこそ、表情から感じとれることがたくさんあったからです。戦争映画ということで感情的なシーンが多いため、それも相まって、ということでしょうね。
独立したばかりで移民を多く受け入れたアメリカならではの表現も多くありました。
当たり前ですが敵国からの移民も存在します。軍への加入においてプロフィールを確認されるのですが、出身がドイツということで暴力を受けるはめになった人物が。しかしアメリカ軍旗のタトゥーを彫っていたため許されるというシーンは印象深かったです。
また、戦争への向き合い方についての表現はとてもリアルでした。
軍に入隊する際は、皆意気揚々としていました。軍人への畏敬の念も感じられ、入隊することを誇りに思っている様子でした。
しかし、次第に恐怖心に耐えられなくなっていきます。劇中に休暇のシーンがあるのですが、戦争なんてどうでもいいと酒におぼれる描写もありました。
ラストの戦闘のシーンでは、「希望と恐怖が入り交じる一種の興奮状態」と、セリフ以外のナレーションも入っていました。
直接的な表現はなかったものの、戦争とは悪であるという役者さんや監督さん、物語の意思は伝わってきました。本作は戦時中に作られたので、そういった表現は難しかったのでしょうね。
全体的にはポップなオルガンの音が使われ(もちろんシーンによって区別されます)、ストーリーとしてはラブロマンスとしてまとめられているので鑑賞しやすかったです。
鑑賞されてない方もいらっしゃるかと思いますし、すべてのあらすじは検索することも出来るので、内容については敢えて触れないでおきます。(こちらを読んでいる方がいるか謎ですが)
明日も続けるぞ!