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フランス

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私のフランスの記憶たち
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マダムたちよ、永遠なれ

Liberté, Égalité, Fraternité (自由、平等、博愛) フランス革命時に作られ、今もフランスの背骨となっている標語。けれど、私はここにもう一つ加えたい。Liberté, Égalité, Fraternité,  Madame、と。そう、マダムたちを付け加えたいのだ。だって彼女たちは本当にイケてるから。 以前、マーマレードを渡してくれたマダム(正統派マダムの場合参照)の話はしてしまったけど、他にも私が出会ったマダムたちの話をしたい。 マダムとの出会

マダムとマーマレード

冷蔵庫を整理していて、奥の方にマーマレードがあったことに気づく。 陽の光を凝縮したような色と味が好きで、特に夏場はついつい買ってしまうマーマレード。それを見つめながら数年前に出会ったマダムを思い出す。 パリのairbnbでホストしてくれたマダム。 人に読ませる程のものでもないけど、私にとって忘れたくない話。 § 家は高級住宅街と言われるパリ16区。空港からのタクシーを降りると、すぐそこにエッフェル塔が見える。フランスと言ったら思い浮かぶような、真っ白な壁に青の屋根がずら

気持ちには旬がある

”したい”という気持ちには旬があると思っている。待ち焦がれることも素敵だけど、でも私はできるだけやりたいとか、行きたいとか、ほしいとか思った時に手を伸ばすようにしている。 そのうちいつかと思っていると、その旬は過ぎ去り、熟し過ぎてしまって、それが本当に”したいこと”のか、それとも”しなきゃいけないこと”になってるのか分からなくなってしまうから。 機会を奪われた昨今、なおさらそう思う。 それで思い出すのは、3年前に決行したフランスはニースの旅。友人とニースで待ち合わせするも

夜中のカフェと透明な私

パリで1,2を争う有名カフェはデュマゴかカフェドフロールだろう。どちらも高級住宅街のサンジェルマンデプレ地区にあり、この街が知的/文化的活動の中心地であったためにサルトルやボーヴォワール、ヘミングウェイにカポーティまでもが通ったと言われる由緒正しいカフェ。 そんな有名なカフェドフロールに行った時の話。 あまりに観光地すぎ(ゆえに私の無駄なプライドが邪魔をして)写真を撮り損ねたのでカフェの美しさについては公式インスタグラムを。 統一された色合い、ラタンの椅子、テラス席、店の