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下劣メールの奇説
2023年7月14日 23:37
15歳とはいっても、もう、高校生であった。高校1年生だった。高校1年生といっても、まだ、15歳だった。あの夏に私は、何か途方もなく大きな何かを見ていた気がする。軽やかな朝と、やわらかい風の音、まろやかな日照り、あかるい町を思い出す。目が覚めて、ゆれる白い天井をしばらく見ていた。息を吸おうとしたけど、体の裏側には、黒色が代わりにどよめいているだけだった。頭では何も考えていないの