一緒に居させて。
夢と現実の境が、よく曖昧になる。
夢なのに妙にリアルで、本当にその出来事が目の前で起きているような感覚。
私たちは、一緒に手を繋いで、笑い合ってる。
腕を組んだり、肩を組んだり。
妙にリアルな体温と、妙にリアルな手を握る感覚。
私だけがこの夢を見ているのではなく、あなたと夢を共有しているような感覚。
夢と現実の曖昧なこの場所は、刹那的なもので、永遠など存在しない。
東から、あたたかい日の光が昇るまでの間。
「明日もこの場所で会おう。」
あなたが言う。
私は、「うん!」と答える。
果たして、明日もこの場所で、全く同じ時間に、あなたに会えるのかと一瞬考える。
会えるに決まってる。
だって、『明日』は必ず来る。
その日の光が、昇るまでは。
この場所で、あなたが待ってる。
私は、時々、あなたの約束を破って、違う世界へ冒険する。
例えば、いきなり友達が風船のように膨れて、心配をしたら、
「いつものことじゃん、何を今更聞くの?」と言われる世界。
あるいは、アルバイトに遅刻しそうになって、連絡をしたら、
アルバイト先がいつの間にか、閉店していた世界。
あなたの待つあの場所に帰りたいのに、上手く帰れない。
帰る方法もわからない。
途方に暮れて、あなたを恋しく思うと、
あの場所へと辿り着く。
今日も約束をしよう、私がちゃんと辿り着けるように。
真夜中に会おう。あの場所で。