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優先座席を勧められた女性(49歳)が考えたこと

通勤電車に乗りこんだ朝のこと。

優先座席の前で本を読んでいると、強い目線を感じます。

ん?
……もしかして、見られているのは、私?

スマートフォンは触っていないし、ワイヤレス・イヤホンは外している。
他に何か問題があったかしら?

視線のほうへ顔を向けてみると
「あの、よかったら」
と座っている男性から声をかけられました。

「あ、いえ、大丈夫です」
反射的に答えてから、しばし混乱。

私よりも明らかに年上の彼は、なぜゆえ、私に席を譲ろうとしてくださったのでしょう?

……あ!
もしかすると、このモコモコのコートのせいで、妊婦さんに見えた?
いや、さすがにそれは……
反り腰とはいえ、それほどおなかを突き出してはいない、はず。

「???」が浮かんで、ちっとも読書が進みません。

あ!
もしかして、私がしんどそうに見えた、とか?

でも、私は貧血を起こしていないし、目をつぶっていたわけでもない。

むむー。

あ!もしかして!


ここで、質問です!

もしも目の前にこんな本を読んでいる女性が立っていたら、あなたは席を譲りますか?

優先座席を勧められるなんて、生まれて初めて。

あまりに思いも寄らないことだったので、お気遣いに対する
「ありがとうございます」
の第一声がとんでしまいました。

なぜ席を譲ろうとしてくださったのでしょうか?

私がおなかにギュッと力を入れるよう、意識を変えようとしてくださった?

……なんてね。

福岡伸一先生の『できそこないの男たち

とても興味深い本です。

<生命の基本仕様>
ーーそれは女である。本来、すべての生物はまずメスとして発生する。
メスは太くて強い縦糸であり、オスは、そのメスの系譜を時々橋渡しし、細い横糸の役割を果たす "使い走り” の過ぎない ーー。
分子生物学が明らかにした、「男を男たらしめる「秘密の鍵」。

『できそこないの男たち』そでに書かれた文章

「私は来る日も来る日も実験動物をあやめていた」
そう表現される福岡先生の生命に対するリスペクトは、どの本からもあふれています。

福岡先生の『動的平衡』をドリームサポーターズサミットでご紹介するために、何冊もの著書を拝読し、すっかりファンになりました。

文系出身でも、理系の学問に興味が湧いてくる、素晴らしい本です♪


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御影石 千夏


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