親が願うようには子どもは動かない
「私には、表彰されるものが何もない。でも、皆勤賞だけは競争じゃない。だから、絶対にとりたい」
という理由で、バレエ合宿に行くのを泣いて嫌がった娘。
今回は、「学校を休んで旅に出よう~他人軸からの卒業」のおまけ編です。
自分で選択するために
娘には、自分で答えを出してほしいと思った私は、いろいろと材料をそろえました。
◎事実確認
学校に問い合わせてみると、
「夏休みの登校日に休むと皆勤賞にはなりません」
……残念。
◎合宿に参加するメリットの確認
・パリ・オペラ座バレエ団出身の先生たちから学べる
・通っている教室では叶わない男性とのパ・ド・ドゥ のレッスンを受けられる
(通っている教室に男性の生徒さんは皆無。ゲストダンサーさんが参加する発表会での初パ・ド・ドゥに活かせる貴重な体験)
・一緒にいくお友達2人と楽しく過ごせる
・昨年合宿で出会ったお友達にも再会できる
◎返金不可となる金額の確認
支払い済みの合宿代・飛行機代・ホテル代の合計金額と、参考資料として私の手取り収入額を提示。
「お金のことも知っておいてほしいから」
と、欠席してもお金は戻ってこないことを説明した上で、
「行かないと決めてもいいよ。お金はまた私が稼げばいいからね」
と伝える。
◎確率の確認
中学2年生の夏休み明けの時点で無遅刻無欠席だとしても、残りの中学校生活を皆勤で過ごせる可能性は100%ではないことを確認。
◎〈第3の案〉の提示
バレエの最終レッスン日を休んで戻ってくれば、登校日に間に合う。
ただし、両親ともに仕事を休んで迎えには行けないため、娘が1人で帰ってくる必要がある。
(合宿参加は2回目。ホテルから空港まで直行バスあり。元々、子どもたち3人で帰ってくる計画でした)
娘が選んだ結論は?
娘の第一声は、
「飛行機は落ちるのが怖いから、一人で乗るなんて無理!」
でした。
〈合宿に80%参加できて、学校にも行ける〉
私からすればwin-winに思える〈第3の案〉は却下されました。
「じゃあ、皆勤賞の可能性にかけて、合宿には行かない? それとも、皆勤賞を諦めて、お友達と一緒に合宿に行く?どちらにするか、娘ちゃんが選んでね」
娘はなかなか返事をしません。私自身、難しい選択を迫っていることは承知していたので、娘が口を開くのを待ちました。
互いに無言のまま、どのくらい経ったでしょうか。
娘がポツリと言ったのです。
「お寿司、食べたい……」
「え?!お寿司?……どういう意味?」
と尋ねましたが、またも、無言。
時間をかけた末に判明したのは、
「お友達と合宿最終日に行くと約束をしているお寿司屋さんに行きたい」
という娘の願いでした。
子どもと親は大切にしていることが違う
正直、私が合宿に行かせたがっているのを承知した上での、選択だったと思います。
ですが、娘は
「ママは私に行ってほしいんでしょ」
とも
「ママが行けと言ったから行く」
とも、言わなかったんです。
「あの美味しいお寿司をお友達と一緒に食べたいから、行く」
と決めたのです。
まさか、前年に食べたお寿司が、それほどまでに魅力的だったとは……
あっけにとられると同時に、娘が自分で決めたことに感動しました。
そして、子どもが大切に思っていることが親とはまったく違うことを痛感しました。
子どもはどんどん成長する
(実は合宿直前、また別のことで娘に泣かれる事件があったのですが……)
初日のレッスンを終えてからは、
「パ・ド・ドゥ、楽しい!」
と笑顔満開の写真が送られてきました。
年末の発表会で見事なパ・ド・ドゥを見せてくれた娘は、
「すごい!抜群の安定感!」
とゲスト・ダンサーさんの技に感動していました。
(合宿での練習相手は中学生だったので、サポートがグラグラ揺れていたんだそう)
葛藤の乗り越えた娘は、翌年(中学3年生)には、1人で夜行バスでライブに行けるほど、たくましく成長しました。
「好き!」のエネルギーがあると、成長が加速しますね。
人生を楽しんでいる娘の輝く笑顔は、私の宝物です♪
*最後まで読んでくださって、ありがとうございます*
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御影石 千夏
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