第16回 転勤族の屋台紹介~香川編~【朽羊歯ゾーンのWoundTube】
《前回のあらすじ》
このnoteを書いている朽羊歯ゾーンは、実家を出る前だけで、2回の引っ越しを経験している。住んだのは千葉・宮城・香川。
↑あらまし
タイトルの「根無し草」が物寂しいので、宮城編では「デラシネちゃん」に変更したが、明らかにアクセスが少ないので「転勤族」にしようと思う。どうせなら3回とも違う方が面白いし。統一感はサムネで出すし。転勤していたのは親だが、「族」だから家族も含めていいだろう。
しかし、第13回で取り上げた「意味不明な言葉がタイトルに入っているとスルーされる」という話は本当だった。
この記事も、3日間のページビューが12回。ただしこれに関しては後悔していない(いつかつけたいと思っていたタイトルだったので)。
話を戻そう。これは、千葉・宮城・香川に住んでいた頃の記憶をもとに、特徴的な屋台を紹介する記事シリーズだ。千葉編・宮城編はもう書いた。今回は香川編だ。
記憶違い・私が住んでいた狭い範囲だけの話だった・時代による違いだった、などという内容があったらすみません。
1.ハンバーグくじ
香川では屋台でハンバーグが売られている。その上、くじだ。くじなのだ。
屋台名も「ハンバーグくじ」。200円払って、割りばしか何かで作られたくじを引く。先が赤く塗られていたら2つ、黒く塗られていたら3つ、塗られていなかったら1つ、棒付きのハンバーグがもらえる。店によってバリエーションはあるだろうが、大体こんな感じだ。
玉ねぎ多め、厚み少なめ、ソースはなし。実家でよく食べていた、イシイのチキンハンバーグに棒を刺したような見た目だ。
屋台の食べ物が200円で買えるのは安い(おまけに運が良ければ2倍・3倍の量がもらえる)ので、まあまあな頻度で利用していたと思う。玉ねぎと薄味が好きなので、下手なファミレスのハンバーグより好きだったりもするのだ。
デイリーポータルZ(好きな読み物サイト)で香川の祭りの話をしていたとき、ハンバーグくじが一瞬出てきて、「肉のくじだ!」と言われていた。そう言われてみると、肉をくじにするのはなかなかすごいことだな。
今読み返したが、この記事の写真のハンバーグがかなり小さくて衝撃を受けた。店によるのか、私の記憶違いか。「これ何枚も食うのか」と書かれているが、全然足りないと思う。
記事中の写真では、ソースまで塗っている。これは確かにそういう店を見た記憶もある。置いてある店の方が多い可能性すらある。薄味が好きだと言った割に、自分も塗っていたかもしれない。
しかも150円だ。言われてみればそうだった気もするな……
2.金平糖量り売り
大型の商業施設で、お菓子の量り売りをたまに見かける。カラフルなグミやチョコレートなど、海外製と思しきものを袋に詰めて、秤に乗せつつ調整するやつだ。あれがある。
といっても、売られているのは金平糖。3色くらいずつのミックスが仕切りで分けられていて、「紫陽花」「たんぽぽ」などとタイトルがついている。金魚すくいで使われるような持ち帰り袋に、せっかく別々にされている金平糖をまぜこぜに詰めていき、量ってお会計だ。端数をどうしていたかは忘れた。
金平糖以外のお菓子もあったような気がするが、チョコレートなどがあったようには思えない。せいぜいミンツだ。いや、石チョコレートぐらいはあったか? とにかく、金平糖以上の派手さを誇るものはなかったように思う。
これは「香川でだけ見た」というより、「近所の神社のお祭りでだけ毎年見た」というものなので、近所の金平糖屋がやっていたという可能性は大いにある。
これも安いし、部屋に保管して何日間かに分けて食べられるので、けっこう好きだった(という記憶もあるが、1回しか買ったことがないという記憶もある。どちらが正しいかわからない)。
3.玉子焼き
香川で「玉子焼き」と書かれた屋台を見つけたら、だし巻き卵のようなものを想像してはいけない。そこで売られているのは、十中八九、ベビーカステラだ。
香川県では、ベビーカステラのことを玉子焼きと呼ぶ。それ以外は特筆すべきことはないが、初めて見た人は戸惑うだろう。
ちなみに、香川では焼きうどんのことも「うどん焼き」と呼ぶ。
番外編
サメ釣り
弟がかなりハマっていた屋台だ。
香川ではなく宮城だったかもしれない、地域ではなく時代の差かもしれない、ということで番外編に入れてみた。
くじ引きなのだが、くじはビニール製のサメのフィギュアの中に入っている。囲いの中に大量に入っているサメのフィギュアから、釣り竿で釣り上げるという一手間があるのだ。
そりゃ男子はハマる。普通のくじ引きより、獲物を手に入れたという感じがするだろう。くじがハズレでも、少なくともサメは捕まえたという達成感があるから、嫌な気持ちにもなりづらいはずだ。ただ引くだけだと、一瞬で終わるだろうし。
ハズレでもらえる、棒に紙が巻いてあって振ると伸びるおもちゃ(シュート棒といったか)も、サメ釣りかくじ引きで弟が持ち帰ってきて知った。私がくじ引きをしないからなのか、香川特有のものだったからなのかはよくわからない。
もちまき
屋台ではないが、実在したんだ! と思った行事。神社の人が、一口大の丸餅(ちゃんとパッケージに入ったもの)を次々投げる。それを押し合いへし合いしながらキャッチするのだ。餅は紅白の2種類がある。前に集まる子供向けに、お菓子の詰め合わせも投げていたかもしれない。
私は押し合いが苦手な上に小柄なので、落ちたものを拾うスカベンジャーと化していた。好きな言葉はブルーオーシャン、生まれてこのかた後ずさり。それはそれとして熱気は好きだった。どちらかというと、こういうイベントの方が射幸心が煽られる。運がいいとダイレクトキャッチもできるし、2つくらいは取れる。
服の福袋
もう香川一般の話でも何でもないのだが、「冬のまつり」というイベントでは、ワコールかどこかが余った商品を福袋にして無料配布していた。太っ腹! と思ったのを覚えている。
「冬のまつり」は、香川県の県庁所在地・高松市の、さらに中心部(つまり香川県で一番都会のエリア)にある中央公園で毎年行われる恒例のイベントだ。とはいえ、近年やらなくなったという話も聞いた気がする。
恒例イベントといえば、香川には「一合まいた」という民謡があり、夏祭りで踊られていた。やぐらをかこんでは踊らず、阿波踊りやよさこいのように、道を進みながら踊るタイプだったように記憶している。母がどこからかCDをもらってきて練習していた。
盆踊りのやぐらは、香川では見かけたことがない。
金魚釣り
金魚すくいのことを「金魚釣り」と言う子供は多いと思うが、本当に金魚を釣り針で釣る屋台を見かけたことが一度だけある。あれは何だったんだろう。
金魚すくいとのギャップで、針が刺さっているイラストが残酷に見え、やらずに通り過ぎた。
みかんを焼く
お札だか正月飾りだかを焼くイベントが1月にある、と前の記事(どちらかは忘れた)で書いたが、そのとき近所の神社ではミカンも焼いていた。串に刺したものを焼いて食べるのである。持って帰ることもできたはずだ。けっこうおいしかった。
水笛(香川でだけ見ていない)
今までとは反対に、3県のうち香川でだけ見たことがないのが、水笛だ。
透明なプラスチックのアヒルの形をした笛で、中に砂糖水のようなものが入っている。吹けば鳴るし、吸えば甘い、というものだった気がする。一度しか買ってもらったことがなく、記憶があいまいだ。
以上!
3県紹介したが、屋台紹介はもう少しだけ続く予定だ。特定の場所でしか見なかったが、時代の変化によるものかもしれない、などというものを紹介させてほしい。
こんなに書くことがあるとは思わず、気軽に書き始めたのをやや後悔している。いつかまとめたいとは思っていたので、いい機会だったかもしれないが。
よければお付き合いよろしくお願いいたします。
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