無印は好きだが少し物申したいことがある
インスタでこんな広告が流れてきた。
無印らしからぬ外国人モデルである。
少しだけ目を疑った。これまでの無印はもっとフツーのモデルを起用していたからだ。フツーというのは、特別スタイルがいいわけでもなく、ものすごく顔が美形なわけでもない、一般的で平均的な(特に日本人にとって)、という意味である。
そこには「どんな体型・年齢の人が着ても馴染む」という無印の見せ方(売り方)が反映されており、民藝をルーツにする無印にとって筋の通る発想だった。しかし今回はどうだろうか?
たとえばユニクロは常に外国人モデルを起用している(媒体によって使い分けている)が、それは詰まるところ身体的スタイルの良さが最も重要であることを暗に突きつけている。モデルが着てるのはおしゃれに見えたのに、自分が着てみるとあれ?となったりするのはそのせいだ。
今回の広告はユニクロのそれとどう違うのだろう。もしかしたら、「MUJI Labo」であることを普通の無印とは差別化したいのかもしれない。また、無印も世界展開をしているので、海外用にスタイルのいいモデルを使いたいのかもしれない…。
そんなことを考えていたら、さらにこんな商品が発売されたことを知った。
これに関しては少しどころか激しく目を疑った。時代の流れにあわせて、無印ではこれまでに様々なスマホ関連商品を発売してきたが、スマホケースに関してはその期待の声があるにもかかわらず出してこなかった。それは無印が商品の「普遍」性を大切にしてきたからで、自分はその一貫したスタンスに「さすが無印だな」と信頼を置いてきた。
しかしこのところその信頼が揺らぎつつある。
皆さんは「無印良品はブランドではありません。」という一節からはじまる名文を読んだことがあるだろうか。ホームページのかなり見つけづらいところに載っているため、無印ファンでも知らない人が多いかもしれない。自分はこの文章が大好きなので改めてここに添付する。
今回の商品は、「スマートフォンケース」としながらどう見てもiPhoneケースだし、機種によって規格が変わる以上、「これでなくてはいけない」を作り(買い)続けなければいけない。しかも、iPhoneというのはご存知Apple社の製品である。一企業の特定の製品に迎合するような商品を作ることが、果たして『生活の「基本」と「普遍」を示』すことなのだろうか。
企業が成長していくためには様々な展開が求められるのかもしれないが、無印の真のファンであるが故あえて物申させていただいた。無印には改めて自社のコンセプトを読んでもらい、企業として初心に立ち返ってほしいと願う。