ma_kaiko

誰かにめちゃくちゃ話したいわけでもない、頭の中にずっと溜まっていて行き場のなくなった言葉たちを落とす、場所。

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誰かにめちゃくちゃ話したいわけでもない、頭の中にずっと溜まっていて行き場のなくなった言葉たちを落とす、場所。

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お気に入りの文庫本みたいな人

「どんな人?」と聞かれると、思わず深呼吸をしてしまう。その人の素敵なところをどう切り取るかが、私の語彙力にかかっている気がして。とても責任重大だ。使い古された言葉はあまり使いたくないという変な意地が顔を出すこともあって、うまく言葉に表せたときは嬉しいし、その人のことを浮かべて頭の中の辞書を全力でめくる。 --*-- 先日、母と会話していたとき、身近な人たちをどう形容するかという話になった。私が母のことを「月のような人だと思う」というと、母は一瞬黙り(不満かと思って焦ったが

    • 深呼吸したくなる曲 5選

      急に思い立ってまとめてみた。暑かったり天気が荒れたりすると、忙しない気持ちになるけど、自分のペースを忘れずにいたい。 𖤣𖥧𖥣。𖤣𖥧𖥣。𖠿𖥧𖥣。𖤣𖥧𖥣。𖤣𖥧𖥣。𖠿𖥧𖥣。 1 カテリーナの讃美歌  baobab + haruka nakamura 𖤣𖥧𖥣。𖤣𖥧𖥣。𖠿𖥧𖥣。𖤣𖥧𖥣。𖤣𖥧𖥣。𖠿𖥧𖥣。 平日、駆け込むように行ったライブで聴いた曲。教会で祈りを捧げるように歌い、演奏する音に包まれて幸福感がすごかった。疲れたなぁと思ったとき、ピンポイントでこれ聴こうってなる。 𖤣𖥧𖥣

      • 「とっておき」と「いつもの」なら

        最近、深くに浸透したものではなく、思考の表面をすくったような言葉ばかりをつかっている気がする。日々、多くの人と会話する生き方をしているのに、自分の核から発され、ずしんとした質量を持つ言葉をつかえていないなんて、なんだかもどかしい。そういえばnoteを書くことからも遠ざかっていた。それもきっとそのせいだろう。 𖤣𖥧𖥣。𖤣𖥧𖥣。𖠿𖥧𖥣。𖤣𖥧𖥣。𖤣𖥧𖥣。 次第に暗くなる空を眺めながら、エンジンを切った車でぼんやり考えていたが、おそらく原因は3つのうちのどれかだと無事?着地した。

        • 湯船に浸かって、朝。

          朝4時半、やわらかな明かりを灯し、湯船につかっている。BGMはつきのみ「舟月」。 変な朝型になりつつある。仕事を終えてすぐさま帰宅し、布団に横になる。そして、日付が変わったころ、スッと目を覚ます。このところ、頭に靄がかかったような眠気が日中もずっと漂っているのだけれど、不思議と気持ちは穏やかだ。今朝は(という表現が正しいのか分からない時間帯だが。もう昨日の朝になるのか)もうこのまま起きていようと心に決め、久しぶりに朝マックをするために家を早く出た。朝しか食べられないあのコン

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        お気に入りの文庫本みたいな人

          わたしの、すきな場所 (1)

          日常、何気なく通り過ぎる場所にある、心ときめく景色たち。 たぶん雨の日と夕陽、海の近くの街、花が好き。 今日はでも、もう少し具体的にピックアップして記録したいなと思っている。順番は気にしない。急に大きな括りになったり、店になったりすると思う。 ▶︎ 九份(台湾) いきなりの海外。行きたい欲が増しているから、つい、ね。 そりゃ無邪気にはしゃいじゃう。昼間は行ったことがないけれど、きっと夕方から夜にかけてのこの街が好きだろうから、行く時間あってた。きっと世の中が落ち

          わたしの、すきな場所 (1)

          冬の日のエピローグ

          ようやくやっと、スンと落ちた。落ちたくなかったのかもしれないし、落ちたかったのかもしれない。今となってはもうどちらだったのかさえ分からない。ぬくぬくした布団に身を委ね、じんわり広がっていく眠気にも似た安堵に、「せっかく休みの前日の晩なのに」と思うときのような惜しさが少しばかり交じっているのを感じながらゆっくり目を閉じる。そういえば「認める」という感覚はこんな輪郭だったっけ。久しぶりに目の前にあらわれたそれは意外と穏やかな形をしていた。何だか複雑だけど。ぼんやりと、やはり安堵が

          冬の日のエピローグ

          前世シェイクスピアらしいんだけどさ

          彼はこんなぼやき、言語化しないよなと思う。ごめんよ、シェイ。(※前世診断より) ---- 今年から来年へ繋がる門を閉じようとしている。 この時期になると、今年、大事にしてきたものは何か、今後もそれは大事か、自分の身の回りのものを無意識のうちに天秤にかけているような気がする。きっとそれは私に限らず多くの人がそうで、だから断捨離する人も増えるのだろう。でも正直、私はモノは今でなくてもよいと思っている。大体はその時の私が心惹かれて手に取ったものばかりだけれど、気持ちに沿わなく

          前世シェイクスピアらしいんだけどさ

          詩:yuragi

          ゆっくりと更ける夜を 冷めていく部屋の温度で感じながら 別に何もないけど、から生まれた 豊かで切なく、温かいが脆い なにかを そっと近くに寄せる これが見えたなら ブラインドから見える外の光が 尊く床を照らす 夜と朝のちょうど真ん中 朝になれば きっと みんな知らん顔で 日常が 頭や 心を 覆う だから あのとき そこにあったと 微かな記憶だけを頼りにして またきっと夜更かしを繰り返す 手先が冷たい 分からなくなって きっと問う 待ち受けるのは 冷

          詩:yuragi

          私にもそういう夜がある

          We don't realize the value of health until we lose it. 学生の頃、英文600選でひたすら暗唱したあの一文が懐かしい。歳を重ねてくると悲しいかな、何もかもが絶好調という日はあまりない。肩が凝りに凝っていたり、そのせいで頭痛が酷かったり、なかなか疲労が回復せず、昨日を引きずりながら目覚める日も少なくない。そんな時は好調な日のことを思い、いつもああならとため息をつく。でも何も問題のないときは、心に抱えたわずかなひっかかりや違和感

          私にもそういう夜がある

          1番近くて 1番遠い

          好きなものと嫌いなものどちらから食べる派?と聞かれて、嫌いなものからだよと即答したけれど、違ったかもしれない。確かに食べ切るのは嫌いなものが先だけど、ちょっと最初、好きなもの食べちゃうや。そして最後に、もう少し残しておけばよかったなぁと思う派だった。だって空腹の時、好きなものってよりいっそう美味しいじゃない。でもそんな答えなんて用意されてなかったから…と言い訳のようなことをぼんやり考えながら、待って、でもそれって結局好きなものから派じゃん、とため息をつく。ややこしい。 --

          1番近くて 1番遠い

          深夜 23時

          水族館とは違う、もしかしたらサメやシャチなどを研究している…薄暗い施設のようなところの水槽の縁に立っていた。右も左も水槽が続き、15cmばかりの足元は不安定だ。近くをシャチがウロウロするせいで縁には絶えず波が押し寄せ、それに流されまいとバランスを保っている。遠くでは誰かが叫んでいるのが見えるけれど、残念ながら聞こえない、無音の世界。 ふと下を見ると、さっきまでいなかったエイやサメが近づいてきている。様子を伺うようにぐるぐる回るその姿に、獲物として見なされている気配がして背筋

          深夜 23時

          七つ下りの雨

          夜。携帯の光が車の窓に映ってオーロラのように光っている。久石譲の「6番目の駅」が流れていたからなんだか美しく見えて、男はそれをぼんやりと眺めている。夏が近づいたことを感じさせる、雨の日の、湿度の高い夜。 そろそろ22時か…本当の時間とは少しずれた車の時計を見て、頭の中で計算する。男はどうすれば正しく設定できるのか知らなかったし、買ったときから仕舞いっぱなしにしている説明書を取り出してまで合わせようという気は全くなかった。のろのろとエンジンをかけ、もと来た道へとUターンしなが

          七つ下りの雨

          アメノヒの懐古

          何が引き金になったのだろう。ふかふかの布団に寝っ転がってお気に入りのランプを眺めていたら奥の奥にしまっていたはずの感情の蓋が開いた。止めどなく溢れてくる、どこか懐かしさもあるその感情に少し距離をとって「何故?」と考えていたけれど分からなかった。近づいてみたら見事に巻き込まれて、でも珍しくまぁいっかと思う。 振り返れば、今日はスタートから何だかおかしかった。鬱々した気持ちを引きずりながら迎えた月曜の朝、体にまとわりつくような重い雨で足元を濡らしながら今日の雨は好きじゃないとぼ

          アメノヒの懐古

          MOROHAと春、3月

          「3月」と名付けられたプレイリストを開き、違う、きみも違うとスクロールする。今月、きっとヘビロテするだろうとそこへ放り込んだ過去の私に、違うっぽいよと心の中で呟きながら上へ上へと流れていく文字を眺める。今日の私にはどれも違ったらしい。 昔から春が苦手だ。曖昧で中途半端で、毎度心がざわざわする。綺麗な色や甘い香りに気を取られているうちに、ぬるっとさも、もう決められていてそうするしか術がないかのように現実を突きつけてくる感じもあざとくて好きになれない。寒さに震えていた日々とはも

          MOROHAと春、3月

          「猫ふんじゃった」の呪縛

          小学校低学年くらいの頃だっただろうか。昼休み、友人たちが教室のオルガンで「猫ふんじゃった」を弾いていた。次から次に「僕はもっとはやく弾けるよ」と言って1つのオルガンを奪い合いしているのを、私はぼんやりと眺めていたのだが、輪の中にいつつも積極的に加わっていなかったのがかえって目立ったのだろう。次は「あなたの番だ」と言って譲られたオルガンを目の前にして、私は立ち尽くした。弾けなかった。ピアノを習ってはいたが、猫ふんじゃったは弾いたことがなかったのだ。 *  *  * うちの家

          「猫ふんじゃった」の呪縛

          三角チョコパイと曖昧な約束

          いつも突然だった。思い付きをきっとすぐ行動に移したい人で、フットワークの軽さとその思い付きを必ず形にしてしまう能力の高さにその当時、猛烈に憧れていた。 ♢ ♢ ♢ 「何かさ、頭ん中まとまんなくてさ、全然駄目なんだよね、アウトプット付き合ってくんない?寒いけど。」寒いけど。ストイックだからてっきり寒いところで作業しているのかと一瞬思ったが「〜丁目のマック」と続け様に送られてきて、あぁ一応気遣いかと思う。それにしてもYESという答えしか用意されていないような勢いが相変わらずで

          三角チョコパイと曖昧な約束