
読書って実はコスパいいよ
私らオッサン世代から見ていると、最近の大学生はずいぶんおとなしい感じがしますが、野望を持っている学生も多いんですよ。
大学で20年近くキャリアカウンセラーをしてきて、「起業したい」とか「世界の国々を回る旅をしたい」とか「夢を実現したい」と野望を持った学生からの相談は今も昔もあります、、、というより最近の方が、この手の相談数は増えているような気がします。
(SNS上に情報が溢れているから若者の妄想は限りなく膨れる)
実際にYoutuber、Instagrammer、TickTokerとしてたくさんの登録者を獲得している学生がいて、そういう同年代がいることがSNSで拡散されるので、「自分もできるかも」「自分も起業してみたい」と心理的ハードルは低くなっているようです。
(こうやって小金を稼ぐことを「起業」と呼ぶあたりが生温いのですが…)
ネット上で見た情報でとりあえずできそうなことを探してネット上に溢れているハウツーを手に入れて、さぁ、これで儲かるぞ!っと。
ところが、時間を掛けている割りに経済的な成果は上がらず、やがてコスパとかタイパとかを悶々と考えているうちにヤル気も失せて、結局はアルバイトに勤しむ学生生活。
(切り替えの速さは若さの特権、それも学生時代の貴重な体験ですよ)
半年~1年後、野望に熱く燃えていたあの学生に学内でバッタリと会うと、「今、居酒屋でアルバイトリーダーとして頑張っています!」・・・
(とりあえずアルバイトして世間を知る方がコスパがいいと判断した?)
ん~、あの野望や情熱はどこへ?
少年老いやすく起業なりがたしですのぉ。
使い勝手の良い情報や直近の情報から浅はかにものごとを判断することを「利用可能生ヒューリスティクス」といいますのよ。また、自分の信念を強化するために、自分に都合の良い情報だけを集めることを「確証バイアス」といいますのよ。ネット時代、この2つの偏見には気をつけましょうね。
今、君の野望が沸々と沸き上がってきているなら、ひとつだけアドバイスをしておきます。
ビル・ゲイツも、マーク・ザッカーバーグも、ジェフ・ベゾスも、イーロン・マスクも、孫正義も、柳井正も、みんなみんな若い頃からものすごい読書家でした。そして、彼らはネット上にあるハウツーを使ったのではなく、脳内に蓄積した知識をじっくりと発酵させて、自分自身の脳内で新結合させて新しい価値を次から次へと生み出しているのです。
君たちはどう生きるの?
もし、野望があるならとりあえず読書しときましょうか。
読書って実はコスパいいよ。
