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プラトンの「饗宴」に出てくる「男女の始まり」
占星術はほぼ関係ない話ですが、面白かったので授業のアウトプットです。
プラトン(紀元前427年〜347年)は、古代ギリシャの哲学者です。
ソクラテスを師とし、のちにアリストテレスを弟子に持った人物です。
ソクラテスというのは「自分で考えなさい」と問いかけ続けた哲学の先生です。
弟子がプラトン、そのまた弟子がアリストテレス。
ソクラテスの有名な言葉のひとつは「無知の知」でしょうか。
自分が知識を持っていないことを認める謙虚さを重視し「知った気になるより、自分の無知を認めることで学びが始まる」という考えを表しています。
プラトンは「私たちが見ているものは真実の影に過ぎない」という「イデア論」
アリストテレスは「極端すぎる行動ではなく、ちょうどいいバランスをとることがいい生き方だ」とした「中庸」が有名どころですかね。
まぁともかくとてつもなく賢い3人です。(雑なまとめ方をする)
そのプラトンが愛(エロス)について語る作品が「饗宴」です。
登場人物同士があるテーマについてスピーチをする形で書かれており、哲学的な内容をわかりやすく伝えるためのスタイルです。
登場人物にアリストパネスという喜劇作家がいます。実在の人物をベースとしたフィクション的な登場人物だそうです。
アリストパネスの語る神話的なエピソードの一つとして「男女の始まり」という物語があります。
物語の内容
昔、地球上には今とは違う形をした人間がいたとされます。
その人間は丸い形をしており、顔が二つ、手が四本、足が四本ありました。
性別は三種類。男性、女性、両性具有だったそうです。
彼らは今の人間よりも力強く、独立していました。
しかし、その力があまりにも強く、神々に挑むようになったのです。
神々の王ゼウスは、人間の力を弱めるために、二つに切り分けました。
この切断の結果、人間は今のような形、一つの顔、二本の手と足になりました。
切断した結果体には大きな切り口ができてしまいます。傷口を塞ぐために皮膚を引っ張り、結び合わせた結び目が、「臍」として残されました。
分断された人間は、自分の半分を失ったことで不完全になり、その半分を探し求めるようになりました。
この探し求める衝動こそが、愛の起源であり本質であるとされています。
男子同士が元の一つだった場合は、男性同士を愛する男性が
女性同士が元の一つだった場合は、女性同士を愛する女性が
両性具有が元の一つだった場合は、男性と女性の異性愛が生まれます。
この神話では、愛を「失われた完全性を取り戻すための行為」として捉えています。
人間は本質的に不完全であり、その不完全性を補い、理想の完全性に近づこうとする欲求が愛の源泉です。
この物語を通じて、人間の存在が欠如を伴うものであること、そしてその欠如を埋めるための努力が愛であることを描いています。
また、この神話には「人間が愛を求めるのは本能的な衝動ではなく、存在の根源に欠如感から生まれる」という洞察が含まれており、プラトン哲学における「イデア」を追求する姿勢と通じています。
どうでしょうか、面白くないですか。
哲学書を読むにはお粗末な脳みそでして、なかなか読めないのですが、ちょっと頑張ってトライしてみようかな、、、(岩波文庫挫折しまくってる)
ゼウスが人間を切り裂いた理由は、単なる罰ではなく、力を持ち過ぎたことへの調整とも解釈できます。ここには「バランスを保つ」=「中庸」=アリストテレスの哲学ともリンクしていきます。
ゼウスが人間を切り裂いた理由、他にも考えられそうです。
長くなるのでまた次回にします。