#16 まっ白な灰
【前回の内容】↓
心臓がバクバクした。
ボナムを抱きしめ、また泣いた。
ごめんね、ごめんね、
沢山しつけの本は読んだ
色々なことを調べた
だけど何が正解だか分からない
なにが「ごめんね」なんだか
なにに対しての「ごめんね」なんだか
悪いことをしてるつもりはないのに
この子にとって最善の努力をしているつもりなのに
なぜ次に出てくる言葉は「ごめんね」なのか
なにもかもが分からない…
完全ノックアウトKO負け
ソファに座りこんだ私は矢吹丈
「立つんだジョー」と叫ぶ
丹下のおっちゃんはこの家には居ない
居るのは先に燃え尽きた旦那と
もうちょっと後に燃え尽きた私
そして吐いたボナム
明日なんてあるんだろうか
笑える日なんて来るのだろうか
後々調べると犬って吐きやすい動物らしい
吐くからといって特別悪い状態であるとも限らないのだが
無知な私は、とりあえずなにかあったら病院!
という思考しかなかったので
すぐに病院へボナムを連れて行った
■犬の嘔吐について
今度はあの高価なMacで何を見せてくれるのだろう…
そんなことをぼんやりと考えながら
病院へ向かう準備をする
今はただ、散った自分の灰を自分でかけ集め
固めて、奮い立たせ、前に進むしかない
この子の命は私達にかかってるんだから
それが命を育てるということなんだから
立つんだ、立つんだ私…
丹下のおっちゃんが居る場所は
実は、自分の心の中だけなのかもしれないーー。
サポートしていただきありがとうございます!サポートは全てボナム(愛犬)に還元しようと思います^^