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体験談の価値とそれを伝える難しさ

こんにちは、"_dawn_"です。
今回も、コーチングの勉強を続ける中で感じたことを投稿します。最近印象に残ったことは「自分の体験談を取り扱う」ことの価値と難しさです。


体験談とはその人の感性そのもの

言葉にしなければわかり得ないもの

体験談とは、その人が言葉にしなければ聞くことのできない、その人の感性そのものである。

例えば、同じ景色や場面を見たときを想像する。そのことを「楽しかった」「怖かった」と一言で表現して終わらせてしまえばそれまで。「出来事+それがどんなものか」という単なる情報のカタマリでしかない。

でも、自分の身体感覚にアクセスして、それが具体的に何に対して起きているものかまで取り扱う。感情感覚をスルーせずに言葉にしてみる。

・顧客の〜という言葉に、思わず飛び上がりたくなった
・上司の励ましの一言で涙が出そうになって目がジワリとした
・営業成績表を見るたびに目標未達の焦りにお腹が痛い
・プレゼン前の不安の余りに手先が冷たくなった
・パートナーに大事な話を切り出す前に緊張で貧乏ゆすりしてしまう

このような表現を繰り返して初めて、「その人独特の感じ方」に洗練されてくる。そこに臨場感が表れて、力強い言葉になったり、聞いてて面白いものになって、体験談の持つ力になるんだと思う。そこには人と違うその人だけの感性が宿る。

体験談を追求すると他者への純粋な興味関心につながる

そして、自分が他者と違うということは、他者もまた自分と違うということがわかる。その違いがあることに意識を向けたときに、「あなたはどう思う?どこからそう思う?」という興味関心が湧く。

そのため、コーチングでは、体験を丁寧に取り扱う。体験したことを使い慣れた形容詞で表現して終わりにせず、身体がどのような反応を示したのか、感情がどのように反応したのか、これらの詳細を扱う。

そのことによって、形容詞を使って一言で判断&認定(=ラベリング)していたものを、より具体に詳細に、ありのままの体験として解釈する。それによって、他者と異なる部分が見えて、そこに興味関心が湧く。興味関心が湧くからこそ、問いによって探求するという営みを洗練させられるのだと思う。

フィードバックに体験談を交える価値と難しさ

フィードバックに唯一無二の言葉を入れる

体験談はその人だけの感性が含まれる。だから、それを他者へのフィードバックに含めるというのは、他者に対する唯一無二のメッセージである。そこに良い悪いや正解不正解といった判断はない。

特に、その人に対してポジティブな感情が動いた体験談は最高のギフトになる。うまい褒め言葉を探すよりも、ずっとエネルギーに溢れたメッセージを伝えられる。何に感情が動いて、そのことでどんな感覚が起きたのかを、具体的に伝えることだ。褒めるではなく感嘆する、それを体験談として伝える。身近な人にこういうギフトを届けられる人になりたいなと思う。

人間関係があるほどフィードバックは難しい

しかしながら、実はこれ、身近でその人との接点があるほど、難し苦なるんじゃないかとも思う。人間関係がある程度できてくると、かえって純粋な気持ちでその人のことが見られなくなることがある。

その人によく思われたい、良好な人間関係を築きたい、維持したいという欲求が生まれる。そのせいで、「この人を見てどう感じるか」という相手ではなく、「この人から自分はどう見えるのか」という自意識に集中してしまう。

その状態で言葉を作っても、自分の感覚ではなくその人との関係性に意識が向いているので、感性を表す言葉が出てこない。どうしても、どう表現するかという思考になってありていの形容詞しか出てこなくなる。そうなると、パワフルな言葉が出てこなくなる。

本当はその人にギフトを贈りたいと思っているはずなのに、とてももったいない。案外、普段はあんまり直接の接点が薄いけど、よく見かけるくらいの距離感の方が、そういうフィードバックができたりするのかもと思う。

あとは、日常の人との関わりの中で、いきなり一生懸命に体験談をフィードバックするとちょっと浮世離れした人に感じるかもと思ったりもする。「芸術家肌を気取ってるのかな?」みたいな。そんなこともないかな。使い慣れていない表現だからそう聞こえやすいのか。

いずれにしても、身近な人にこそ自意識に惑わされず、その人と接する中でどんな感覚を得ているのかに意識を向ける。そして、自分の感性を表現する練習をしようと思う。

そのことで自分の人生を十二分に味わえるし、身の回りの大切な人にもポジティブな影響を与えていきたい。

以上、体験談を取り扱うという話でした。ではまた!

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