読書中感想文:『皇帝フリードリッヒ二世の生涯』塩野七生
ヨーロッパの幾都市かを周って感じたことは歴史を知ることの必要性でした。古代ローマは好きだったけれど、その後のヨーロッパ、中世や近代の歴史はよくわからない。きっとそれを知るともっとワクワクできたんだろうなぁと思う絵画や教会がたくさんありました。
日本に帰ってきてまずしたことのひとつは本屋さんに行って私の知らない年代を勉強できる本を買うことでした。たくさん並ぶ歴史小説の棚前で途方にくれかけたとき、やはり目に入るのは大好きな塩野七生さんの本でした。
けれど、イタリアの中のことよりももう少し違う国も含めたヨーロッパのことが書かれた本はないだろうか。と思って行き着いたのが、今回の『皇帝フリードリッヒ二世の生涯』でした。
内容を見るために少し読んだまえがだけでも伝わってくる、作者のフリードリッヒ二世への熱。あぁ、塩野さんが惚れてはるんやろなぁ。と思うと、これは面白いにいちがいない。と期待が膨らみました。
北は現在のドイツ辺りを含む神聖ローマ帝国から南はシチリア島を含むシチリア王国までを駆け巡るフリードリッヒ二世。次々と自分の考えを実現していく賢さと行動力、フルパワーで働きながらも自ら鷹狩りの書を執筆する公私のバランス力。3度破門されても動じず冷静に現実をみて対処し、部下たちが離れない求心力。異教徒も自軍として活用し、敵方とも文通で日頃からの対話を大切にするコミュニケーションスキル。
それはそれは、かっこよかっただろうなぁ。と思うフリードリッヒ二世です。下巻に差し掛かったところですが、フリードリッヒ二世がどのような最後を遂げるのか楽しみです。
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