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読書感想文【ギリシア人の物語】

長い物語を読む場合、巻こそ順番に読むけれど、中の章は面白そうな題名からランダムに読んでいく、という方法によって私の『ギリシア人の物語』はアレクサンドロスの戦場での愛馬、ブケファロスと共に突然に終わった。その終わり方が劇的で久々に長編を読んだと実感した。さて、正直なところ、すでに初めの方の仔細な記憶はない。…。けれど、これまで頭の中では2Dでしかなかったアテネやスパルタ、ソクラテスやアリストテレスなどが3Dとなり動いている様を想う日々は実に楽しかった。特に『ローマ人の物語』の中でも度々名前が登場し、その度に、本当にそんな人がいたのか、と少々怪しんでいたほどのアレクサンドロス。最終巻のほぼ半分は彼の一生である。後が続かなかったからこそ彼以後のギリシャ世界はローマ世界に移っていくのだろうけれど、アレクサンドロスが思い描き行動したドラマは、当時も今も多くの人々の想像を上回る。だからこそ、2300年以上も語り継がれた彼の名はその生涯を知れば私もまた、「アレクサンドロスはさぁ、」と誰かに話したくなるのだった。

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Atsuko
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