Podcast配信日記|#29 真夜中の船底で宴
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冬にPodcastを始めてから、週に1度、部屋の中で1人で話している。世界にたった1人しかいないみたいに、夜の片隅で内緒話をする。そんな夜を続けてもうすぐ半年になる。
これは、何の変哲もない1日に、Podcast番組【Corner of the night】を収録するちいさな日記です。
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2024 9.11~9.13
ただ早く季節が変わって欲しくて、あんなに怖がった冬の到来も、あの枯れ木に降り注ぐやさしい陽射しの色を思い出して、待ち焦がれている。そのくらいに今の生活には自分がいなくなり、めぐりめぐる毎日に追いつかず、常に憂鬱がそばにいる。
あとどれだけ頑張ったら、とカレンダーの青色を数えて、電車の窓の外の景色に、冬の陽射しの色を目を凝らして探す。それなのに、まだ、まだ、まだ、暑い日は去らない。最後の力を振り絞るようにじめっとした暑さが続いて、あんなに好きだった夏が鬱陶しく感じるようになった。
結局私は季節そのものが好きなのではなく、新しい季節の到来が、その瞬間だけが、目新しくて好きなのかもしれない。そんなふうに、自分の好き、まで疑い始めて、ひどく哀しい気分になり、顔を上げると最寄りの駅に着いていた。
あの日、重力に身をまかせて耳を澄ませた時間のあと、少し早い速度のエスカレーターは、はやすぎるように感じて、周りと速度を合わせて歩いていることが奇妙に思えてたまらなくなった。
選んだ時間、声を聞きたい人達、自分のいる場所だけ幸せだったらそれでいいなんて到底思えず、分かりたい、と思う。身体に巡る血のように、その考えがどくどくと流れ続けて、日常の中で誰かが放った一言がどうしても許せなかったりする。どうしても許せない、もう聞きたくない、でも、その姿勢こそ、私が許せない排除の姿勢なんじゃないか?そんなことを延々と人と話して午前3時。見上げると一つだけ星。
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夜の片隅でお喋りするPodcast
🕯Corner of the night 🕯
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