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Podcast配信日記|#32 やさしくない世界の一員?


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Podcastを始めてから、週に1度、部屋の中で1人で話している。世界にたった1人しかいないみたいに、夜の片隅で内緒話をする。そんな夜を続けてしばらく経った。
これは、何の変哲もない1日に、Podcast番組【Corner of the night】を収録するちいさな日記です。

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2024 10.4

最近映画をよく見ている。いつも何かを探すように芸術の海を泳いで、初めて波が足に触れた時からもう長い長い時が過ぎて、今の私がここに座っている。帰り道、郵便局の窓に映る自分を見ながら歩いて、今までずっと、私が存在していたことが不思議に思えた。子供の頃の私は、中学生の私は、高校生の私は、何を考えて何に悩んでいたのだろう。自分のことなのにとても遠い。今の私はつい最近この世界に生まれ落ちたような気がずっとしている。

手繰り寄せるようにキーワードを繋いで、映画を見続ける。同じ監督、出ていた俳優、名前、名前、名前を繋いでいく。潜っていく。吉田恵輔監督のインタビューをYouTubeで見つける。「やばい奴だなって思った行動を自分がしてしまうこともある。」

こういう人だって括ることは、安心できることでもあるのかもしれない。ラベルのついたファイルに入れて、理解できたような気持ちにもなる。自分のことも、他人のことも。ずっとわからないから、性格診断や占いで、名付けられて安心したい。こういう性質があるんです、だから理解して欲しい。わかりやすく見えるようにしたいという欲求が心のどこかに居座っている。

でも、ラベルを付けて、ファイリングして、そこで終わりなんだろうか。次の瞬間にはもう違うラベルを作り直さないといけないかもしれない。そのくらい本当は自分のことも他人のことも、何一つわからないんじゃないだろうか。わからなさ、は不安だ。「空白」という映画の中で、怒鳴られ続けていた人が、全然関係ない他人に怒鳴りつける。受け取った暴力は自分の中に芽を出して、それを他人にぶつけてしまう。

わからないことだらけの世界に存在している。私はここで何ができるだろう?どんな風に他者と関わって、何をもたらせるだろう?わからなさを抱えたまま、その曖昧な場所をずっと見つめていたいと思う。


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夜の片隅でお喋りするPodcast
  🕯Corner of the night 🕯

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            毎週木曜日配信中🪐

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