どうコンテンツを管理する?子どもとマンガアプリ
きっかけ
先月、電子書籍アプリで子どもに本を読ませていると、子どもに見せたくない広告コンテンツが表示されることがあって困るとの問題提起がTL上でありました。
そこから続いたやり取りの中で、電子書籍アプリ自体に年齢制限がされているので、年齢不相応なアプリは親が使用させないことで管理できるのでは?との意見が出ました。
で、調べてみたところ、Google Playではその電子書籍アプリの年齢制限は「12歳以上」となっていました。
12歳から電子書籍やマンガアプリを解禁できるのか?
私が住む品川区では、小学生に防犯用のキッズスマホが支給されていて、子ども達との連絡にも使うことができます。
ですが、キッズスマホは小学校の卒業とともに返却となるので、中学生になると連絡用の手段として自分のスマホを持たせることになります。
ただ、思春期を迎える中学生にいきなりスマホを与えるのもどうかと思うので、うちでは、先を見越して上の息子くんに自分のスマホをすでに買い与えて、少しづつスマホとの付き合い方を一緒に学んでいます。(※)
※今はSIMを差しておらず家の中だけで使っており、親がロック解除を管理し、Googleファミリーリンクで使用時間の制限、アプリやコンテンツの年齢制限による管理をしています。
その息子くんも来年には12歳になり、中学生となるので、年齢相応にアプリの年齢制限も「12歳以上」にすることを検討していました。
また、うちは、両親ともどもオタクでマンガは沢山持っているので、息子くんはマンガを読みますし、良い作品にはどんどん触れてもらいたいとも思っています。
なので、電子書籍やマンガを読みたいとの希望にはできるだけこたえてあげたいと考えています。
そのように考えている中での問題提起でしたので、「12歳から電子書籍やマンガアプリを解禁できるのか?」ということについて、より詳しく調べてみました。
電子書籍とマンガアプリは管理しないとダメ
調べた方法は、以下の通り。
Google Play Storeで電子書籍とマンガアプリの年齢制限を確認する
「12歳以上」に制限されているアプリを実際に入れてみて使ってみる
「12歳以上」に制限されている電子書籍とマンガアプリは24個
2023年1月20日時点で、Google Play Storeを調べたところ、電子書籍とマンガアプリは全部で59個ありました。年齢制限の内訳は以下の通り。
12歳以上: 24個
16歳以上: 24個
18歳以上: 11個
ひとまず中学生になった場合を想定しているので、このうち「12歳以上」に設定されているアプリ24個を全部入れて調査しました。
これだけインストールするとなかなか壮観です。
「12歳以上」のアプリでも性交描写のあるコンテンツにアクセスできる
権利関係があるので調査中の画面は載せませんが、調査したポイントは次の通りです。
コンテンツの購入方法は?無料で読めるコンテンツがあるか?
コンテンツはアプリでのみ読めるのか?Webブラウザでも読めるのか?
コンテンツにはどんなジャンルが設定されているか?
性交描写のあるコンテンツにアクセスできるか?(※)
※すべてのコンテンツを調べられないので、無料で読めるもの、立ち読みできるコンテンツの範囲内で、ひとつでも性交描写があるコンテンツが表示されたら「描写あり」としています。
調べてみた結果、「12歳以上」でインストールできる電子書籍アプリ、マンガアプリ24個のうち、16個のアプリで性交描写のあるコンテンツにアクセスできる状態にあることが分かりました。
調査結果の詳細については、以下にまとめてあります。(※)
※2023年2月5日時点で、「12歳以上」のアプリしか調査できていませんが、16歳以上についても順次調査して情報を更新していきます。
多くの電子書籍はアプリではなくWebブラウザで読めてしまう
Googleは、2022年6月1日からすべてのGoogle Playストア登録アプリに対して、デジタルコンテンツの購入に手数料を義務付ける規約変更を行いました。(※)
※AppStoreでは、2011年から同様の状態にあります。
それにより、Kindleを含む多くの電子書籍アプリはアプリ内でのコンテンツ購入機能を停止し、自分たちのサイトでコンテンツを購入する方式や仮装通貨(コイン方式)で購入する方法に変更しています。
また、同時に電子書籍リーダーをアプリからWebブラウザで閲覧する方式へと移行を進めています。
その結果、アプリの年齢制限は意味がなくなりつつあるということが分かりました。
子どもにスマホを渡す前にアクセスフィルターを設定しよう
今回調査した結果、現在は多くのコンテンツがWebブラウザで読めてしまうため、コンテンツの管理方法としてアプリの年齢制限はあまり意味がないことが分かりました。子どもが触れるコンテンツを制限するのであればアプリの年齢制限だけでは不十分です。
子どもが閲覧するのに不適切なコンテンツを野放しにしている電子書籍サイトは、ブラウザのアクセスフィルタリングなどでブロックする方法が必要と考えます。
上で公開している調査結果には電子書籍サイトのアドレスも掲載していますので、フィルタリングにご活用いただければ幸いです。
Googleファミリーリンクを用いたフィルタリングについては、この記事の最後に記載していますので、ご参考ください。
コンテンツに触れる前にちゃんと教育しよう
子ども達は、成長と共に親が見守っていられる範囲からどんどん外に飛び出していきます。目の届かないところで、先輩や友達を経由して親としてはまだ触れてほしくないコンテンツに触れることもあると思います。
そうしたコンテンツに触れる前に、性教育や人権教育をしておくのが大人の責任であり、子ども自身を加害や被害から守ることに繋がると考えます。
その話については、とても大事なので、また別途投稿したいと思います。
今回はここまで。最後までお読みいただきありがとうございました。
参考)Googleファミリーリンクでの設定
1)Googleファミリーリンクの導入
通信キャリアの各社から分かりやすい導入ガイドが公開されていますのでご参考ください。
Google検索:「google ファミリーリンク 設定ガイド」
2)Googleファミリーリンクの設定画面を開く
Googleファミリーリンクにアクセスします。
3)ファミリーリンクの設定画面で「コンテンツの制限 >」をクリックします
4)コンテンツの制限画面で「Google Chrome」をクリックします
5)Google Chromeの管理画面で「サイトの管理」-「ブロック中のサイト~件」をクリックします
6)「ファミリーリンクの管理対象」-「(なまえ)」-「ブロック中のサイト」画面で「ウェブサイトを追加」をクリックします
7)サイトのブロック画面で「ウェブサイト」にブロックしたいサイトのアドレス(https://~(スラッシュの前まで))を入力して「ブロック」のリンクをクリックします
数が多くてちょっと大変ですが、安心してスマホを渡すために親として頑張るところかなと思います。