この春、縮毛矯正を卒業します
私の髪は、天然パーマで生まれつきぐるぐるだ。
姉妹の中で、なぜか私だけが天然パーマで他2人はストレートヘア。
長年この髪がコンプレックスで、
中学生の時には毎朝1時間かけてヘアアイロンで髪を真っ直ぐに伸ばしていた。
一生懸命伸ばしても、髪は湿気で簡単にうねる。
うねるたびにショックで泣いた。
高校生になる春、ダメ元で母に「ストパーかけてもいい?」ときくと、
即答でオッケーと言われた。つまり、お金を出してくれるということだ。
え、いいの?そんなにすんなり?と、かなり拍子抜けしたのを覚えている。
私の気持ちを汲んでくれたのだろうか、許可してくれた理由はいまだに知らないが
あの日の私は飛び跳ねるほど喜んだ。
それから多い時には3ヶ月に一度、
間が開くときは6ヶ月に一度、縮毛矯正をし続けた。
期間にして約15年。
その間ずっと、私には縮毛矯正が手放せなかった。
仲の良い美容師さんいわく、私の髪は難易度が高めらしい。
縮毛矯正はかかりにくいし、カラーも色が入りにくい。
だから縮毛矯正に行くと、全部が終わるまでにだいたい4時間はかかった。
縮毛矯正とカットとトリートメント。
いつものコースはざっと2万円した。
でも、正直に言うと何度通っても私は美容院に慣れなくて。
あのおしゃれな空間に、不釣り合いな自分がいることがどうも不自然で。
できれば1分でもはやく帰りたい、といつも心の中で思っていた。
転機になったのは、コロナウイルスの蔓延とパニック障害の発症。
おのずと美容院には行かなくなった。
気がついた時には、最後に美容院に行った日から1年半が経っていた。
そしてこの春、私の髪はこうなった。
(自撮りをするのは不慣れで、恥ずかしさから鼻の穴が膨らんでいる)
毛先がペラペラで、結んでも違和感があるくらいおかしな髪型だったので
毎日おだんごヘアにして、さらに毛先はおだんごの周りに巻き付けピンで留めていた。
いよいよやばいな、と感じて1年半ぶりに美容院を予約した。
もう縮毛矯正はしない。
この歳になったからこそ決心できたのかもしれない。
縮毛矯正は時間もお金もかかるし、今の私には身体にかかる負担も大きい。
コロナ感染者が増えているし、できることなら美容院にも行かないほうがいいだろう。
「ありのままの髪質を活かしてみたい」
そんな風に美容師さんに伝えた。
縮毛矯正をしない代わりに、カラーをおまかせでお願いした。
8年通い、指名し続けた信頼できる美容師さん。
私のことをちゃん付けで呼んでくれるほどの仲だ。
きっといい感じにしてくれる!
そう信じて仕上がりを待った。
そして、この春私の髪はこうなった。
自分で言うのもなんだが、めっちゃいい感じになった。
あんなに嫌だった天然パーマ。
前髪は軽くアイロンしてもらったが、
クリーム状のワックスを使って全体のボリュームをおさえて、
天然パーマのウェーブもいい感じに出ている。
髪色は流行りのツートンカラーにしてくれた。
ちなみに、人生で初めてブリーチをした。
おまかせにしただけに、ブリーチをするなんて一言も聞いていなかったから
経過をみたとき背筋が凍りそうになったが、
仕上がりをみて、心がウキウキした。
初めて美容院を楽しい場所だと感じたかもしれない。
この春、私は縮毛矯正を卒業した。
きっともう二度と、縮毛矯正をすることはないと思う。
そう思えるくらい、今は天然パーマを楽しんでいる。
美容師のhさん、本当にありがとう!
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