楽曲紹介:SUKISHA/ Baby Baby Baby
夏っすね。
日々クソ暑い中、8月頭にこんな素敵なアルバムがリリースされました。
孤高のサウンドクリエイターSUKISHAから、「Hot Sauce on Ice Cream」
1曲目が「あついのはもういやだ」なので、何となく冷房の効いたリビングとかで聞きたくなるような、異常気象という問題を捉えた素敵なアルバムです。
SUKISHAは2020年にコロナ禍の世相を捉えた「Just Chilling at Home」というアルバムもリリースしているので、リアルタイムで追い続けたいクリエイターですね。同じ世代にこういう天才がいると本当ラッキーだなあと思います。
話を戻して。今回はその「Hot Sauce on Ice Cream」から最後の曲である「Baby Baby
Baby」に注目して楽曲紹介していこうと思います。
曲はこちら。
とっても軽快で聞きやすい…ネオソウルって感じのジャンルでいんすかね?
ジャンルの区分はよくわからんのですがこの辺りに位置します。シティポップって言っちゃっても全然いいと思います。
歌詞もとっても素敵です。全量ベタばりするのも気が引けるので、簡単に概要だけ説明しますと、生真面目陰キャのぼくが気になる子に会うために背伸びしてクラブ行って、陽キャの雰囲気に馴染めないながらもどうにか仲良くなろうとする感じです。
一応、以下にリンクも貼っておきます。(結局)
私がこの曲の最も好きな部分ですが、1分35秒あたりの
ここですね。この歌詞の手前でTuxedoのDo itがサンプリングされてるんですよ。
そういやこの曲の進行どこかで聞いたことがあるような?という悩みから一気に解放されるんですよね。
そんでその後に上記の歌詞ですから、「分かる~!」のカタルシスが押し寄せてきます。
これがTuxedoのDo itです。あえてPVにしてます。歌詞は新しいジョイント最高やから休みにこれ吸ってハイになろう踊ろうみたいな感じですが、PVは歌詞と毛色が変わってます。
それこそコミュ障デブのサクセスストーリー(しかもダンスホール)みたいになってて、Baby Baby Babyの歌詞と結構リンクするんですよね。
このDo itという曲は2013年に公開された曲で、今では一大ムーブメントになっている80sファンクリバイバルの先駆け的な存在なんですね。
元ネタもしっかりあって、王道ファンクの焼き直しという形でDo itはリリースされました。
私は音楽においてOASIS丸パクリの某邦ロックバンドのようなプライドのないサウンドクリエイトは全くもって好きでは無いのですが、Tuxedoのようなキチンとした再解釈に基づくものは大好物です。
……ちなみにTuxedoのDo it以降は日本でもTuxedo丸パクリは横行しました。ドリカムのアースパクリより可愛げ無いレベルのやつ。
有名どこで言うと演劇も歌もできる某ラジオパーソナリティとかが進行をまるっと。
私はそういうのを見る度にSIRUPみたいにルーツになった曲を晒すスタイルがもっと流行ればいいのにと思います。
出典を書くのは論文の基本だよな?
(それはそうとSIRUPのアニバーサリーサイトかっこよすぎてびっくりしました。)
まあそれくらい凄い曲ってことなんです、Do it。
ボブヘアーをモードに持ち込んで流行らせたアナ・ウィンターくらい凄いです。知らんけど。
脱線がすぎますね。
それで、SUKISHAのサウンドクリエイトにおいてもTuxedoのDo itをしっかりと前面に押し出し、進行もまんまそれ。ただし現代日本でウケるようにしっかり作りこんでいます。芯をしっかり持ってルーツを取り入れている。
「Do it Roger」→「Do it」→「Baby Baby Baby」とファンクの血脈が進化しながら正当に受け継がれているのです。
そこも含めて本当に素敵な曲ですので、本当におすすめです。是非聞いてください。
最後に私の感覚の話を少し。(異論は多々あると思います。)
80sファンクに限らず、ことファンクの世界では黒人がしばしばクローズアップされます。
奴隷として虐げられた、おぞましいバックグラウンドを持つ彼らがファンクでは実に軽快で心地良いリズムでもって明るく歌い上げます。
私はここがファンクの良さでもあると考えています。音楽の前ではみなみな平等で、楽しんだもん勝ちなんだから、笑って踊ろう!みたいな。とても元気と活力を貰えます。
そんな素敵なジャンルであるファンクがもっと流行ればいいなあと思っている中、SUKISHAのような素晴らしいクリエイターがまたその熱を加速させてくれます。
このような楽曲が日本でもっともっと増えるといいなあと思ったので、こんな記事を書かせて頂きました。
脱線が非常に多い記事でしたが、1人でも紹介した曲を再生してくれたら嬉しいです。