流太

東京藝術大学デザイン科在学中 制作と生活について。

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東京藝術大学デザイン科在学中 制作と生活について。

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そうして僕は大学を辞め、東京藝術大学を目指した。

僕の人生の話をします。 今年の春で受験が一区切りついたので、そこに至るまでの経緯や諸々を、こうして文章にまとめることにしました。 そう思ってから半年ほど経ちました。書いてる途中で当時のことを思い出して苦しくなって、書けなくなって、を繰り返していました。 三月に美術予備校からサイトに載せるための受験体験記の執筆を依頼され、頑張って書いたわけですが、「暗すぎて載せられない」という理由でボツにされました。マジでそういうとこだぞ、本当に。 ありのまま書いただけなんだけどな。あ

    • 「どうしても僕は東京藝大に入りたかった」という本を出版しました。

      本を出したよーーーーー。 というわけで、こういう本が先日、2024年10月02日にホビージャパン社より発売されました。 「どうしても僕は東京藝大に入りたかった 3度目の挑戦でつかんだ合格までの記録」という題名です。 我ながら長いタイトルだなって思います。おれの浪人期間くらい長い。そんで情けないタイトル。 はじめまして。僕は現在、東京藝術大学の美術学部デザイン科の4年生に所属している学生です。 島根県の高校を卒業後、静岡大学の教育学部に入学したものの、半年で休学し、そ

      • 美術予備校の講師バイトを辞めました。

        つい先日、講師バイトとして約3年半勤めた美術予備校を退職しました。 受験生の時に1年間生徒として通っていたので、約4年半の付き合いになりますね。大学生活より長いじゃねえか。 せっかくなんで思い出を振り返ったり、内情を暴露したりしていこうかなと思います。美術予備校の講師っつーのはこんな感じですよ。 上司から連絡が来るメッセージアプリはさっきアンストしといたし、そもそももう辞めてるから怖いモンないね。 どんなところに勤めてた? 都内の大手美術予備校でした。全体的に実績が

        • 髪を染めない方がいい社会で、どうして髪を染めるの?

          最近久しぶりに、黒髪を金髪にしました。 こんな感じ。 しかしつくづく思うんですが、髪を染めても良いことってないですよね。 お金がかかるし、髪の毛も傷む。そして何より、周りからの印象が良くない。「チャラい」「怖い」「イタい」。 日本の生活においては基本的に、髪は染めない方がいい。 じゃあなんで僕たちは染めるんだろう。あらためて考えてみると、自分でもよく分からない。 ところで髪を染めたことってありますか? ある調査では、染めたことがない人が全体のうち41.5%、男性

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        そうして僕は大学を辞め、東京藝術大学を目指した。

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          あまり語られない、美大受験の格差の話。

          あんまり表立って語られること少ないけど、美大受験にはめっちゃ格差があるよね、というお話です。 もちろん、美大ではない一般的な大学受験においても格差は大いにあるでしょう。ただ美大受験の場合、それがさらに顕著だったりするし、「美術」という特殊性に隠れてあまり問題が見えていなかったりします。 その辺を今回は書いてます。ゆるっといこう。 島根県出身で、勉強での受験を経て静岡大学に進学したものの、半年後に休学し、そこから2年半東京で浪人をして、現在 東京藝術大学に在学しているのが

          あまり語られない、美大受験の格差の話。

          「私は他人にどう思われているか」について、エッセイを書く課題。

          僕は一般大を辞めて三浪したのち今の美大に通っているのですが、美大といっても絵を描いたりなどしているばかりではなく、外国語の授業もあれば体育もありますし、普通に課題のレポートを出したりもしているわけです。3年生になったら就活なんかもするわけです。しんどいですね。 で、そんな美大での課題の話です。この課題は、絵でも彫刻でもなく、文章を書く課題でした。それもレポートではなくエッセイです。 エッセイのテーマは「私は他人にどう思われているか」 字数は約5000字。条件は、そのこと

          「私は他人にどう思われているか」について、エッセイを書く課題。

          「BUMP OF CHICKEN 18祭」を、ボランティアとして見た景色。

          BUMP OF CHICKEN 18祭、すごく良かった。 観た人もいれば観てない人もいるでしょう。そりゃそう。どちらでもいいんだ。どちらに向けても書いていくよーー。 今回、このBUMP 18祭にOB裏ボランティアスタッフとして少しだけ携わっていました。 いや、本当に大したことは何もしていないんですけどね。普段の予備校のバイトくらい何もしてないです。 それでも、間近で1000人の18歳世代を観て、とても心を揺さぶられました。振り返っていこう。 そもそも18祭とは、10

          「BUMP OF CHICKEN 18祭」を、ボランティアとして見た景色。

          辞めた大学の卒業式に行ってきた話。

          卒業の春です。 23歳にもなって余裕で大学2年生をしている僕は、同い年や年下がインスタに大学の卒業写真を載せているのを見て、焦ったり怯んだりしながら過ごしています。 どうしてそんなに出遅れているかというと、僕は一度大学に入学したのち、そこを4ヶ月で休学し、2年半の再受験の期間を経て今の大学に入学した、という経緯があるからです。 その最初に入学した大学が、静岡県の中央あたりに位置する国立大学、略して静岡大学です。 もう1年も前になりますが、去年の3月に静岡大学の卒業式に行

          辞めた大学の卒業式に行ってきた話。

          現実の土地に、架空の公園をつくってみた話。

          架空の公園ってなんだよという話ですが、大学の課題ですね。 「世田谷区にある公園の敷地に、子供たちの『プレイグラウンド』をデザインする。滑り台やブランコといった遊具を置くのではなく、空間自体が遊具になるようなものを考える。3人での共同制作とする」 という内容でした。ふーん、おもしれー課題。 しかし当然、実際に作るというわけにもいかないので、今回は100分の1スケールの模型を作るというわけです。ジオラマを作る感覚に近いかもですね。 とはいえ、100分の1スケールと言えど結

          現実の土地に、架空の公園をつくってみた話。

          不合格だった人へ。

          こんばんは、おつかれさまでした。 とりあえず時間をかけて、たっぷり休むといいと思います。好きなもの食べましょう。行きたいところへ行きましょう。 さんざん遊んで眠くなったら、アラームかけずに寝ましょう。眠れなかったらそれはそれで大丈夫、好きな映画でも見ましょう。 あとは、友人と遊ぶのが一番いいかなと思います。カラオケで叫びまくったり、二十歳以上なら酒を浴びるほど飲んだり。とにかく、あんまり独りで抱え込みすぎないようにしたいですね。 夜の一番暗いところにいるあなたが、果た

          不合格だった人へ。

          東京藝大に受からなかった私について。

          まずはじめに、今回のメインの筆者は僕ではありません。 先日、予備校で共に藝大を目指していたときの友人から「受験体験記を書いたから読んでほしい」というメッセージが届きました。 その内容があまりに鮮烈で、鋭くて、素晴らしかったので、ぜひ公開しなよと伝えたところ、僕のnoteのページで公開していただけないかと提案を受けました。二つ返事で了承しました。 その彼女は、以前書いた僕の記録にも少しだけ登場しています。僕は彼女に誰より憧れており、誰より敵視していました。 合格者がいれ

          東京藝大に受からなかった私について。

          裸足で街を歩き回ってみた話。

          去年の夏休みの深夜二時ごろ、展示の準備に追われて頭がおかしくなっていた僕は、休憩がてら散歩にでも行くことにしました。 深夜でもかなり暑かったので、これはもう靴なんて履かなくていいのでは?と真面目に考えました。そうして裸足で上野公園に繰り出してみたら、これが案外楽しい! これは、もっといろんな場所を歩いてみたら、面白い発見があるんじゃないか? そういうことで、裸足で街を歩き回ってみることにしました。 その結果、道の感触にはたくさんの情報があることを知りました。以下はその

          裸足で街を歩き回ってみた話。

          造花1000本を使って鹿を作った話。

          そもそも美大生は大学でどんなことをしているのかという話なんですが、基本的には、何らかの作品をつくったりしてます。 東京藝大デザイン科では、1ヶ月に1個くらい大きな課題が出され、作品を提出し、講評されて単位が貰えるという仕組みになってます。 それと並行して他の授業の制作をしたり自主制作したり、座学の授業を受けたりします。外国語や体育もあったりしますね。 実技の単位はみんなちゃんと取ります。座学はまあまあ落単します。 で、やっぱりその月1のメインの課題がハードなんですよ。

          造花1000本を使って鹿を作った話。

          僕の最悪の大学生活初日について。

          大学の寮に入ったら入寮初日に先輩たちから悪質なドッキリを受け、数十人の前で号泣してしまった、という話です。 僕の人生の中でも有数のトラウマです。あまり思い出したくないですが書きます。春なのでね。 そもそも僕は一度静岡大学に入学し、そこを辞めたのちに東京藝術大学に入学しているのですが、今回は一度目の大学生活、静岡大学での話です。 島根県出身の僕は大学進学を期に、単身静岡に引っ越すことになりました。 当時は18歳、高校を卒業したばかりで、まだCOVID-19パンデミックが始

          僕の最悪の大学生活初日について。

          不合格だった人へ向けて。

          何より、お疲れさまでした。 疲れていることと思います。とにかくこういう時は、美味しいものを食べましょう。できれば温かいものがいいですね。 睡眠時間が足りてない人は沢山寝ましょう。寝たくても寝れそうになければ、それはそれで大丈夫。外を歩いたり音楽を聴いたり、映画を見たり、自分が好きなことをするといいです。今良くないのは、独りで体力や精神力を磨耗させてしまうことだと思うので。 これを読んでいるあなたが今どんな顔をしていたり、どんな感情の中で息をしているのか、僕には計り知れま

          不合格だった人へ向けて。

          「100枚ドローイング」という、3週間で100枚絵を描く課題。

          3週間で100枚となると、つまり1日5枚描くわけです。 1枚にどれだけ時間をかけるかは人によるけど、1枚1時間なら1日5時間、1枚2時間なら1日10時間。それを3週間。しんどい。やっぱブラックじゃんかデザイン科。 大学に入って一番最初の課題で、「100枚ドローイング」という課題がありました。各々が自由にテーマを決めて100枚絵を描くという脳筋課題です。美大生活始まってんなおい。 とりあえず1枚描いてみました。 テーマは「花の色」にしました。花の色って綺麗じゃないですか

          「100枚ドローイング」という、3週間で100枚絵を描く課題。