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『花束みたいな恋をした』を観た。

※ネタバレ含みます!!!!!(そもそも見てる人少ないから大丈夫かぁ!!!)

『花束みたいな恋をした』
2021年1月29日全国ロードショー
1994年生まれ、私と同い年のふたりの明大前から始まる物語。きっかけは、押井守。

あらすじ:

東京・京王線の明大前駅で終電を逃したことから偶然に出会った 山音 やまね 麦 むぎ (菅田将暉)と 八谷 はちや 絹 きぬ (有村架純)。好きな音楽や映画が嘘みたいに一緒で、あっという間に恋に落ちた麦と絹は、大学を卒業してフリーターをしながら同棲を始める。近所にお気に入りのパン屋を見つけて、拾った猫に二人で名前をつけて、渋谷パルコが閉店しても、スマスマが最終回を迎えても、日々の現状維持を目標に二人は就職活動を続けるが…。まばゆいほどの煌めきと、胸を締め付ける切なさに包まれた〈恋する月日のすべて〉を、唯一無二の言葉で紡ぐ忘れられない5年間。最高峰のスタッフとキャストが贈る、不滅のラブストーリー誕生!
──これはきっと、私たちの物語。(公式ホームページより)

ものすごく話題になっているし、公開前からずっと楽しみにしていた映画。本当は何の先入観もなく観たかったけど、ふと見たストーリーズで「カップル向けではない!」「カップルでは見ない方が良い!」なんて書いてあって…そうなのかな?何でかな?と思いながら観てしまった。それだけ後悔してる。でも、そんなの関係ないくらいに好きな映画だった。

『明け方の若者たち』と同じくらいに、好きな台詞がたくさんある。好きな表現の仕方がたくさんあった。

まずはプロローグ部分での映像上では言葉になっていない描写、ノベライズ本の中にある言葉。

麦と絹は別々のテーブルにいて、別の相手に、同じ話をしていた。まるでイヤホンのLとRに分かれたサウンドが一つの曲を奏でるように。

この言葉がしっくり来すぎる。ものすごく好き。

絹と麦が居酒屋さんにいるときのシーン。
これは『カルテット』のセリフを思い出した。
「…レモン、ありますね」「…レモン、ありますよ」
この唐揚げレモン論争のくだりが好きで、流石だなと。この監督・脚本タッグ最高だなと。

日帰り旅行で撮った写ルンです。
麦が写真に写る花の名前を聞いた時の絹の言葉。

「女の子に花の名前を教わると、男の子はその花を見るたびに一生その子のこと思い出しちゃうんだって」(めいさんがそう言ってた)

絹は付き合いながらも心のどこかでずっと恋はいつか終わるものだと思っていて、いつか終わることを覚悟していたから花の名前を教えなかったのでしょうか。絹の優しさなのかな。麦はあの後、あの花の名前を知ることが出来たのかなぁ。

この映画に出てくる読み物たち、全部読みたくなる。同い年だけども読んで来たもの、触れてきた作品が私とは違っていて、人って面白いなと。

カップル向けではないって言われていたけど、それは5年間の生活とエンディングが現実的過ぎるからなのかな。スマホをめちゃくちゃ使う若者感とか先輩が亡くなってしまったシーンの男女間での想いの違いとか、現実を見る麦と理想を見る絹とか。言葉を少し交わしていればきっと何の問題もなく生活を続けていけたはずなのに…と思えてしまうところとか。私はふたりと同じ時間を生きていて、流行りの音楽もお笑いも含めて共感…共鳴できてしまったけど、2人に対して深く気持ちが重なることはなかった。私が独り身だからなのか?とか、5年間も同じ人と過ごしたことがないからかもしれないな?とか考えていた。花束みたいな"忘れられない思い出たち"が心に残っている絹と麦。そんな思い出がない私は、2人に嫉妬してしまうくらいだった。

オフショット満載のフォトブック、表紙から好き。
はぁ、これはノベライズとフォトブック見ながらまだまだたくさん楽しめそうです。フォトブックの終わりに、有村架純さんから絹へ、菅田将暉さんから麦への言葉がある。粋な演出だなぁ。

あ、そうだ。いちばんわかるううう!!!てなったのは、絹パパと麦との会話での一言。
「ワンオク聴けます!」

あの映画には、たしかに2020年を生きる2人の姿があったけど、現実世界とは全く異なるコロナなんてない世界だった。2019年までは確実に現実味があっただけに、最後だけパラレルワールド的な何かになってしまっていた。坂元さんもこんな世界になるとは思って居なかったはずだ、仕方ない。もし、コロナ禍であるこの世界に2人が居たのなら…一体どうなっていたんだろう。

予告で流れているAwsome city clubの『勿忘』(わすれな)(ワスレナ)、意味が深く込められてる。それも含めて最高の物語だと思う。好きな映画が増えました。

勿忘草の花言葉は、【私を忘れないで】


#花束みたいな恋をした

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