矛盾。
恩師であるK先生に会いに行った
2週連続だった
職員室から出てきてくれた先生に「カロリーゼロの炭酸なら飲める?」と聞かれたので頷いた
ここ最近の私はカロリー(栄養)の摂取ができなくなっている(詳しくは下記より)
「じゃあコンビニ行こう」
そう言って歩き出す先生の後ろを追いかけた
コンビニでゼロカロリーの炭酸飲料を買ってもらった
先生はスムージーを買っていた
パックの裏面に“美容と健康に!”と書かれていたけれど先生はそこは1ミリも気にしてないんだろうなと思って心の中で少し笑った
そうして校舎内に戻る
“生徒の立ち入り禁止”という看板の奥の部屋に入れられるあたり、私はもう生徒では無いんだとつくづく思う
部屋にてK先生に「今日もノート持ってきた?」尋ねられ「持ってきたけど前より暗いよ」と返した
「それでもいいから見せて」と言われて私はノートを渡した
そんな酷く調子を崩している私の診察ノートの一部を抜粋する
K先生は静かに読んでくれた
以前、先生に「俺、お前の親よりはお前のことわかってると思うけどな」と言われた
それは事実で、どんな内容でも先生は私に取り乱した姿を見せないからなんでも言えた
そこだけ先生は軽く笑った
「お前だって1人で勉強とか頑張ってるやん」
そんなの当たり前で
そういうことが言いたいわけではないんだけど
と思い曖昧に笑った
何度も「心配だよ」と言われた
「でもこうして連絡して来てくれるのは安心する」と言われた
私が卒業したのに頼ることを後ろめたく思っていることをわかってての言葉だと思う
先週、訪れた時に「こうするのは(先生と話すことは)根本的解決にはなってない」と言われた
それからずっと考えていた“根本的解決”
親子関係の修復
主治医との信頼関係
大学との連携
どれも難しい
親子関係の話になった
私はいつかの診察で主治医に親に言っといてくれる?と軽いノリで言われたことを告げた
それを聞いて先生にやっぱり親には言うべきなんだよと諭された
それでも前より悪化しているのに前ほど全力じゃなくなった、「前言ってたみたいに墓場まで持ってくならそうしたらいい」と発言されたあたりが卒業したが故っぽいと思った
そうして先生が立ち入って来なくなるぐらい大人になったんだと思っていた
すると先生は「こんなこと言ったらプレッシャーになるかもしれへんけどお前がもしそうなったら(死んだら)俺一生後悔するけどな(自傷を親に)言わんかったこと。言えへんかもしれん“してました”なんて。教師続けられるかもわからへん」
そう言われた
「教師続けられるかもわからへん」
鈍器で殴られたような衝撃だった
たったひとり
私なんかが死ぬだけで私の大切な人から大切な仕事を奪ってしまうかもしれないんだ
そう思うとゾッとした
自分が憎くなった
それでも死にたい気持ちは消えなくて私は黙り込んだ
「どうしたん、しょんぼりして」
そう言われた
「教師は続けて」
と言って、遺言だと笑った
「わからへん。先生の周りに事故や病気で亡くなった子はおるけど初めてのタイプやからさ。わからへん。でも一生残るよ」
そんな残り方良くないとわかってても残れるならもうどうでもいい気がした
じゃあ生きてても覚えててくれるの?
でもそんな残り方したくなかった
ちゃんと先生みたいな教師になりたかった
でもやっぱり死にたかった
今日も明日も明後日もその先も何を希望に生きればいいのかわからなかった
希望もなしに生きていけるほど私は強くなかった
でもきっと今死んだらいちばん傷つける相手は親でも友達でもなくK先生と分かっていた
いちばん傷つけたくない相手なのに
きっと先生だってそれをわかってて言ってる
心配で私をコントロールしてる
この前は「切ったら傷口見せて」と言われた
「それは嫌でしょ?先生だって見たくない。そうすればちょっとは我慢できそうじゃない?」と
そうでもされないと今の私は止まれない
いや、そうされても止まれない
もう歩みをこれ以上進めたくない
それっぽく笑う日々に疲れた
何もかもが新しくて眩い生活が美しかったのはたったの1ヶ月だけだった
そんな自分が嫌だった
みんなが新生活に適応して謳歌していく中、取り残されている気がした
私を追う課題には死ねと言われてる気がした
頭の中は死ぬ事でいっぱいであれほどしたくなかった電車への飛び込みも当たり前のように選択肢に入っている
私はいつまで生きているんだろう
もう死んでも良くないか
そう思うのに過ぎる大切な人たちの顔と声、言葉
ありがたい話だけれど
死なせてくれないのか
と静かな絶望
今日も逝きたい矛盾を抱えてる