長距離走が苦手な人生
体育は苦手だった
小学生の頃から体育の成績は5段階中2しかなかった
2さえも先生のお情けみたいなもんだ
特に走ることが苦手でリレーではクラスの足を引っ張り持久走ではいつも終わりを見守られていた
それでもリレーでは全力疾走していたし持久走だって一度も歩いたことはない
人生だってそう
ずっと真面目に私なりの全力で走ってきたつもり
でも私なりでしかない
まだまだ遅い
人生は持久走だ
みんな無意識のうちにペース配分を考えて走っている
しかし、一定数ペース配分が苦手な人がいて途中で負傷したりリタイアしてしまう場合がある
どうやら私も後者らしい
どうしたらみんなと同じように頑張れますか
なんてもう遅い
だってみんなはここまできちんとペース配分して頑張ってきた
私はそれを怠ったから今もう体力が残っていない
でも仕方ないじゃんか
全力じゃないと、自分なりのペース配分なんかしてたら、みんなから遅れを取るばかりだから
みんなの70~80%が私の100%だから
休みたい
なんてそんな資格ないのに
ゴールが遠くて心が折れそうになる
また今期も実験と演習で息付く暇もない生活をして、来年も実験加えて就活、再来年には卒論と実習。間で教採の勉強。あとTOEICも
専門科目の点数もあと5点はあげなくちゃいけない
大学の5点は口で言うほど簡単じゃない
バイトも辞められない
大学生は別に人生の夏休みではない
無事卒業できたら新卒1年目
働くのは大変だと、学生とは比べ物にならないと大人はよく言う
これよりしんどい日々があるのかと絶望を覚えるしかできない
今は扶養というものの中にいるけれど、なんちゃら税をたくさん払わないといけなくなるんだもんな
そりゃ楽なわけないな
そして就職して数年すれば周りはきっと結婚して子どもも生まれたりするんだ
同性愛者の私は今のままだと結婚できない
子どもは絶対産みたくない
そしたら社会から置いていかれちゃうのかな
今でさえ「本当に人を好きになったらわかる」なんてお節介されるのに
この類の悩みは子どもを産めない歳になるまで続くらしい
マイノリティはマジョリティを否定したりしないのにどうしてマジョリティはマイノリティを否定したがるんだろう
先のことなんて考えても仕方がないのに考えてしまうし考えては絶望してしまう
就職できている未来が見えないししたいと思える気もしない
こんな先まで考えてしまうのは調子が良くない証拠だとわかりつつ、常に先々の話をされる場所に身を置いていれば考えざるを得ない
どこかで間違えたペース配分
給水所はまだ先なのに喉がカラカラで血の味がする
グラグラする脚で必死に地面を蹴っている
もう早くゴールを迎えてタオルに包まれたい