ハンドルは10時10分
先週だったかな。車に乗ってさあ何か音楽をかけよう、としたときにふと頭に浮かんだのはThe Banglesの<Sweetheart of the Sun>というアルバムだった。このバンドを知ったのは、(記事を書きたいと言いつつまだ書いていない)エイミー・シャーマン=パラディーノ監督作品の『ギルモア・ガールズ』というドラマから。
バングルスは80年代に活躍したアメリカのガールズ・バンドで、ドラマの中でギルモア母娘が彼女らの再結成ライブに行く、というエピソードがあったのだ。
作中で観たあと、父に音源を持っていないか探してもらったけれど、やっぱりというか、なかった。それをそばで聞いていた常連の栗山先生(仮名)が、後日にこにこしながら1枚のCDを持って、父の店に来た。バングルスのベスト・アルバムだった。栗山先生はクリニックをやっている人なんだけれど、趣味的にミュージック・バーをやっていて、それであらゆる音源と豊富な知識を持っている。栗山先生が持ってきてくれたベスト・アルバムには、ドラマでギルモア母娘が行ったライブでも演奏された、<Walk Like An Egyptian>や<Eternal Flame>なども収録されていた。わりと気に入って、たまに(やはり車に乗るときに)聴いていた。
それからしばらくあと、Amazonミュージックを探してみたら冒頭に挙げたアルバムが出てきて、ライブラリに放り込んでいる。これは(たった今知ったけれど)再結成後の2011年のリリースだったです。
空気がちょっと秋めいてきた今頃の季節、なんとなく聴きたくなるようなテイストのアルバムかもしれない。音楽を流すというと、日常的には電車に乗るときや仕事に集中したいとき(職場で私語がやかましいとき)がほとんどなので、歌のないものを選ぶことが多い。だからこういうのは、車を運転するときなんかがいいというわけ。すごく久しぶりだったけれど、季節にぴったりと合っていた。しょっちゅう聴くものではないけどね。
ところでタイトルについて一応説明をしておくと、運転をする際にハンドルを握る手の、正しいとされる位置ですね。アメリカのドラマを観ているとよく「10時と2時のところ」と表現されるけれど、私は何かの本で読んで以来10時10分で刷り込まれている。
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他に秋といえば、どうしてだかHUSKING BEEも何となく気分に合う気がする。このバンドはもちろん兄経由で知ったもので、90年代後半に盛り上がっていたとおもう。ジャズもそうだけれど、バンド名とかグループメンバーとか曲名とか年代とかを憶えられない持病があって、私にとってそういうのはとにかく混乱しているもののため、はっきりしたことが言われない。
その頃兄はよく手持ちのCDで自分好みのカセット・テープ集を作って持たせてくれていた。私はちょうど車の免許をとって家族から離れた土地で中古のフォルクスワーゲン・ゴルフを手に入れてひとり生活していたあたりで、兄のカセット・テープ集はトモダチというか、なんか、近しい存在だった。
秋もだいぶ歩みを進めてきたけれど、今年はまだHUSKING BEEを聴いていない。
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今日の「タレントさん」:美容院で「長濱ねる」と「川口春奈」の名をよく知らないと言ったら驚かれた。ふたりとも長崎出身らしく、名前は聞いたことがあるような気もするけれど顔がわからない。だめかな?